トミカ、ロングセラーの車種はどれ? 令和版リカちゃんの進化とは? 人気玩具の意外な秘密と最新事情
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1970年に発売された初代トミカ。(C)TOMY
1.8秒に1台が売れている『トミカ』、最も長く販売されているのはロンドンバス
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エデュケーショナル部門・大賞『トミカ・プラレールブロック のりものブロックタウンボックス』(C) TOMY
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エデュケーショナル部門・大賞『トミカ・プラレールブロック のりものブロックタウンボックス』(C) TOMY
『トミカ』は、外国製のミニカーが全盛だった1970年、「日本の子どもたちに、もっと身近な国産車のミニカーで遊んでもらいたい」という思いから誕生した。日本初の手のひらサイズの国産車ダイキャスト製ミニカーシリーズとして6車種を発表以降、現在までに国内外累計10,000種以上の車種を発売。累計台数はなんと10億台(2024年12月時点)を超える。これは、およそ1.8秒に1台売れている計算になる。
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最も長く販売されている『ロンドンバス』(C) TOMY
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一番のヒット商品『日野はしご付消防車』(C) TOMY
実車をリアルに再現も“サイドミラー”はなし、そのワケは?
変わらぬ配慮がある一方、子ども心をくすぐるギミックは進化。No.87『散水車』の水が噴き出して見えるアクションや、No.127『三菱ふそう スーパーグレートコンクリートポンプ車』のブームが大きく上に伸びるアクションのほか、大人向け「トミカプレミアム」シリーズから出ている「43 トヨタ アルファード」では後部両側のスライドドアが可動するなど、細やかな作り込みで実車同様のリアルさを実現。子どものみならず大人もワクワクさせる仕上がりとなっている。
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「トミカプレミアム 43 トヨタ アルファード」(C) TOMY
発売から55年目を迎え、定番120種のほか、“トミカが夢のコラボレーション!”をコンセプトに人気コンテンツとコラボした「ドリームトミカ」シリーズに1.5歳から遊べる『はじめてトミカ』、よりリアリティを追求した大人向けシリーズの『トミカプレミアム』『トミカプレミアムunlimited』『tomica+』など、さらなる広がりを見せる『トミカ』の世界。今後は、これまで以上に年齢問わず楽しめるブランドを目指す一方で、「中国やアジアを中心にブランドの発信拠点として公式ブランドストア『TOMICA BRAND STORE』の展開を拡大していく」とトミカ事業部担当者。海外展開もさらに加速させていく予定だ。
SNSを駆使し、宅配ボックス&ビルドイン食洗器のある家に住む“令和のリカちゃん”
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8月30日に発売される最新版リカちゃん。「名探偵コナン 江戸川コナンだいすきリカちゃん」(C) TOMY (C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996
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「名探 偵コナン 怪盗キッドだいすきリカちゃん」(8月30日発売)(C) TOMY (C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996
リカちゃんは電話を通じてファンとの交流をはかってきた。かつて多くの子どもたちが夢中になった「リカちゃんでんわ」は、1968年に正式に開設され、今年で57年目になるが、驚くべきことに、今なお健在。毎月およそ4万件、多い時には7万件を超える電話がかかってくるという。電話での交流を続けるリカちゃんが、近年積極的に活用しているコミュニケーションツールがSNSだ。
リカちゃんの進化といえば、『リカちゃんハウス』も見逃せない。1967年のリカちゃん登場と同時に発売され、マンション価格が1億円を突破した80年代後半のバブル期には『ひろびろオクション』、六本木ヒルズができた2003年の翌年には『ハートヒルズマンション』が登場するなど、常に時代の社会状況や流行を反映してきた。今年10月に発売される最新版『おしゃべりオートロック 2階建てのグラン・メゾン』は、「オートロック」「インターフォンモニター」「宅配ボックス」「ビルトイン食洗器」など、家具や家電がアップデートされ、共生社会とエコを意識したサステナブルな家であることが大きな特徴だ。
『リカちゃんハウス「おしゃべりオートロック 2 階建てのグランメゾン」』(C) TOMY
筋電義手の訓練から宇宙探査、スポーツ化も…さまざまな展開をみせる玩具の可能性
先天性上肢欠損の子どもが筋電義手の動かし方を楽しみながら習得できるよう、国立障害者リハビリテーションセンターは、『プラレール』の遠隔操作システムを活用した訓練を行っている。生まれた時から手が無い未就学期の子どもにとって、筋電義手の動かし方を習得するのは難しい。10年ほどの研究の結果、プラレールが最適だと分かったという。使用されているのは「グリップマスコン」シリーズで、鉄道車両の運転台にある車両操作装置「マスコン」を模した片手サイズのコントローラーを使って、スピード調整や加速・前進・停車・バックなどを自由自在に操作できる。この取り組みでは腕にセンサーを取りつけ、筋肉を適切に動かすと発生する電気信号によって車両を動かすことができ、身近な『プラレール』をコントロールすることで、楽しみながら筋電義手の操作技術を習得できる仕組みになっている。
10月に登場するプラレールの新作「プラレール バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 蒸気機関車131号&タイムマシン」(10月18日発売)(C) TOMY (C) Universal City Studios LLC and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
ちなみに『トランスフォーマー』は、ハリウッド映画のヒットから、海外発祥と思われがちだが、実はタカラトミーが生み出した日本発の玩具。これまで130の国と地域で7.3億個以上を販売する大人気商品だ。
世界的な人気を誇るおもちゃとして、1999年誕生以来、4つのシリーズを通して世界80以上の国と地域で累計5.5億個以上が出荷されている『ベイブレード』も挙げられる。
『BEYBLADE X』シリーズ (C)Homura Kawamoto, Hikaru Muno, Posuka Demizu, BBXProject, TV TOKYO (C) TOMY
令和のおもちゃの進化はまだまだ語り尽くせない。8月30、31日に開催される国内最大規模の玩具展示会「東京おもちゃショー」で、ぜひその目で確かめてほしい。55周年を迎える『トミカ』ブースでは、トヨタ自動車・日産自動車・ホンダ技術研究所・三菱自動車工業・スズキによる『トミカ』のためだけの特別デザインのトミカと実車両5台も展示される予定だ。
※8月下旬、リカちゃん公式HPからアクセス可能
(取材・文/河上いつ子)