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ダメでも最強…映画『サンダーボルツ*』の愛すべきキャラたちから学ぶ処世術 “なりたい自分”に変わる負け組からの逆転思考とは?
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境遇や気持ちに心からエールを贈りたくなる…負け組に与えられたセカンド・チャンスの物語
映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL
MCUが大切にしてきたのは、そういう親(ちかし)さなのだ。だから〈サンダーボルツ*〉のメンバーにもきっとシンパシーを感じるはず。エリート集団のアベンジャーズとはひと味ちがうポンコツ組。本作はまさに挫折した負け組に与えられたセカンド・チャンスの物語。彼らの境遇や気持ちに頷き、心からエールを贈りたくなるだろう。そんな彼らの魅力と共感ポイントを紹介していく。
こじらせているが、実は愛嬌ある妹分 <エレーナ・ベロワ>
エレーナ・ベロワ(フローレンス・ピュー)映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL
そんな彼女をひと言で表すならば、“実は愛嬌ある妹分”。ナターシャと同等の戦闘スキルを持ち十分アベンジャーズの一員になれるポテンシャルがありながらも、彼女とは正反対の道を歩んできたエレーナ。愛想はないけれど、愛嬌がある。しっかりしているけれど、妹キャラ。嫉妬心からなのか、偉大なる“姉”に対して小ばかにした発言をしたりする。
その一方、なによりも姉のことを深く愛していたのも彼女。姉を失ったことによる大きな寂しさ、虚しさも感じている。ちょっとシニカルでトラブルメイカーのところもあるが、どこか可愛げがあって信頼できる。そしてその本質は極めてピュアで優しい。だからこそ皆に愛される人物でもあるのだ。そんな彼女が〈サンダーボルツ*〉のメンバーとどう絡んでいくのか注目してみてほしい。
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初めてのリーダー抜擢も…上下の板挟みに悪戦苦闘の中堅層?! <ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ>
ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ(セバスチャン・スタン)映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL
そんな彼を現実世界の人物に置き換えるとするならば、“上下の板挟みに悪戦苦闘の中堅層”。どちらかというと一匹狼タイプで、心を開いている人はごくわずか。この手のタイプの人物にとって本当は1人でバリバリ戦うほうがよっぽど楽だろう。なのに突然リーダーに抜擢されチームをまとめ上げなければならなくなった。しかもメンバーは自分よりずっと若い世代。
これまでバッキーの“片腕”は無敵の金属アームで自らの運命を切り開いてきたが、今度は彼自身がチーム全員の“片腕”にならなければならない。まさに中間管理職が直面するような面倒な状況である。いま働き盛りの世代は、仕事とプライベートのワークライフバランス、上下関係の調整役、チームワークを大事にしながら自分らしさを出すという、まさにバッキー並みの板挟み状況の中、日々のミッションに向き合っているのではないのだろうか。単独ヒーローのバッキーが、グループの中でどのように成果を出していくか注目だ。
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昔の俺はすごかった…実力派ゆえに過去の栄光を語り続ける熟練者?! <レッド・ガーディアン/アレクセイ・ショスタコフ>
レッド・ガーディアン/アレクセイ・ショスタコフ(デヴィッド・ハーバー)映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL
そんな彼を現実世界の人物に置き換えるとするならば、“実力派ゆえに過去の栄光を語り続ける熟練者”。どこの世界・組織にも「昔はすごかった」と呼ばれるレジェンドがいるもの。長年の経験により物事に熟達し、技術や能力に優れているエキスパートでありながら、引き際を間違えてしまい、ついつい若手に「昔はならしたもんさ〜」と過去の栄光を語ってしまう、ちょっと面倒な存在になっていたりする。
アレクセイは、まさにヒーロー界の、ちょっと困ったベテラン的存在。しかし、一見過去の栄光にしがみついているやっかいな先輩に見えるかもしれないが、自分の人生のけじめを探しているのでは。その一方で年長者として後輩に卓越した助言もできる。意外にこういう人物がチームのムードメイカーだったりもする。部下や後輩とチームを組む時にどうふるまえば良いのか、レッド・ガーディアンから学びたいところだ。
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マイペース思考派が…部署横断プロジェクト抜擢で悩むキャリア模索型?! <ゴースト/エイヴァ>
ゴースト/エイヴァ・スター(ハナ・ジョン=カーメン)映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL
そんな彼女を現実世界の人物に置き換えるとするならば、“部署横断プロジェクト抜擢で悩むキャリア模索型キャラ”。「あなたの力をぜひ活かして欲しい」と自分が全く想像していなかった組織や部署から声がかかり、自分と全く毛色の違う人たちが揃うプロジェクトに放り込まれたら、かなり面食らうだろう。エイヴァの置かれている状況がまさにそれだ。
ある意味、超人ではあるが生粋の戦士ではない。なのにバリバリの戦闘チーム〈サンダーボルツ*〉に加えられてしまった。従って彼女は、「自分がこのチームで一番場違いのような…」ととまどっているのでは? しかしだからこそ自分のあるべき姿、自分だからこそできる何かが見つかるのかもしれない。自分探しの旅は、自分とは違う人間との出会いの中で始まるのかも。本作で彼女がどのように対峙していくのか、現実社会でも学ぶことがあるだろう。
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気づけばエリートの座から転落も…理想と現実の狭間に揺れる頑張り屋さん?! <USエージェント/ジョン・ウォーカー>
USエージェント/ジョン・ウォーカー(ワイアット・ラッセル)映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL
そんな彼をひと言で表すならば、“理想と現実の狭間に揺れる頑張り屋さん”。将来を嘱望されていたのに失敗し栄光をつかみ損ねてしまった…そういうやらかし系の人物というのは、どこにでもいるもの。また自分自身の経験を振り返っても、あの時あそこで上手くやっていればと後悔したことは、一度や二度はあるはず。
しかしジョン・ウォーカーは嫌な奴だから、愚か者だから失敗したわけではない。彼なりに次のキャプテン・アメリカになろうと努力し、それがたまたま空回りしてしまったのだ。だからこそ根は良い人であり、自分の名誉を取り戻したいというよりは、今度こそ皆のために頑張るというピュアな動機ではないのだろうか。仕事やプロジェクトを自分のせいで上手くいかなかったという人は、それを引きずりながらも、いつかこの埋め合わせをしたいと願っているはず。だからこそジョン・ウォーカーの大復活を見てみたいのだ。
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自制心を保ち、目の前のTO DOを堅実にこなすバリキャリ系キャラ?! <タスクマスター/アントニア・ドレイコフ>
タスクマスター/アントニア・ドレイコフ(オルガ・キュリレンコ)映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL
そんな彼女を現実世界の人物に置き換えるとするならば、“目の前のTO DOを堅実にこなすバリキャリ系(?!)キャラ”。与えられたミッションは確実にやりとげる凄腕でありながらも、アイデンティティがなく、いつも便利屋みたいに扱われてしまうタスクマスター。自身の記憶や自我を消され操られていたという哀しい過去があるだけに、あらゆる意味で“自分らしさ”とは無縁。そんなタスクマスターが本作でいかに自分らしさを発揮するのか見届けたい。
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アベンジャーズ不在の中、これまで以上の敵と戦う負け組たち…ひと筋縄でいかないマーベルの新作
映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL
構成員のほとんどがヒーロー失格、過去のMCUにおいてヴィラン(悪役)的扱いだということ。主役/ヒーロー揃いのアベンジャーズとは対象的。では、なぜ彼らがデビューできたのか? 実はいまのMCUは、ヒーロー不在の時代。要は『アベンジャーズ:エンドゲーム』において事実上アベンジャーズは解散。彼らに変わる世界の守護神がいない。
そうした中、誰が世界を救うのか? 仕方なく(?)結成されたのが〈サンダーボルツ*〉。それぞれ戦闘能力はあるものの、戦力的にアベンジャーズには到底及ばない。けれど彼らが対峙する悪は、アベンジャーズ全員を合わせたよりも強く絶対的な存在らしい。本作は、アベンジャーズ以下のチームが、アベンジャーズ以上の敵と戦うはめになるというひと筋縄でいかない物語。
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ダメな6人組の起死回生に注目 謎も多く、元気になれる爽快な作品
ボブ(ルイス・プルマン)映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL
映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL

Profile 杉山すぴ豊氏
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミを原作とした映画の紹介をテレビ、雑誌、WEB、劇場パンフレット等で展開。『東京コミコン』を始め、アメコミの映画関連イベントのMCも手掛けている。
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映画『サンダーボルツ*』INFORMATION
映画『サンダーボルツ*』(C)2025 MARVEL
ニューヨークの街に現れた大きな黒い影。瞬く間に市民を消し去っていく謎の敵により、世界は再び大きな脅威と直面するも姿を現さないアベンジャーズ。絶望の中立ち上がったのは、かつて洗脳されヒーローと対立した過去を持つウィンター・ソルジャーことバッキーだった。彼が仲間に誘ったのは、エレーナ、USエージェント(ジョン・ウォーカー)、レッド・ガーディアン(アレクセイ)、ゴースト、そしてタスクマスターだった。そこにボブと名乗る謎の男も現れ――。ヒーローとは程遠い…マーベルの新チーム〈サンダーボルツ*〉はアベンジャーズにかわって、この脅威から世界を救うことはできるのか?
【公開日】2025年5月2日(金)
【監督】ジェイク・シュライアー
【キャスト】フローレンス・ピュー、セバスチャン・スタン、デヴィッド・ハーバー、ジュリア・ルイス=ドレイファス、ワイアット・ラッセル、ハナ・ジョン=カーメン、オルガ・キュリレンコ
【日本版声優】田村睦心、白石充、大塚明夫、藤貴子、鈴木達央、田中理恵、中村千絵、梶裕貴、伊瀬茉莉也
【原題】Thunderbolts*
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