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美しすぎる歌声と映像美…実写版『白雪姫』が圧巻! 今すぐ観たい話題作の見どころをディズニー映画のエキスパートが解説

 “世界で最も長く”愛され続けるディズニープリンセス「白雪姫」が、ついに実写映画化された。88年前、ディズニーが世界初のカラー長編アニメーション映画として制作し、世界的なヒットを記録した同作。そんな誰もが知る名作を新たなミュージカル版として昇華させたのが、実写版『白雪姫』だ。3月20日(木・祝)より劇場公開となる本作の魅力とは。ディズニー映画のエキスパートうきたひさこ氏が解説する。
▼実写版『白雪姫』あらすじ 
雪のように純粋で美しい心をもつ白雪姫はかつて幸福な王国で暮らしていた。しかし、見た目の美しさと権力に執着する邪悪な女王が王国にやってきてから彼女の暮らしは一変。周囲は闇に包まれ、人々から希望が消えようとしていた。女王は、誰に対しても真実を語る魔法の鏡に向かって、「世界で一番美しいのは誰?」と問う。その答えは誰よりも心が美しい白雪姫だった。彼女の“本当の美しさ”に嫉妬した女王は、白雪姫の命を狙う――。
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ミッキーマウスと並ぶディズニーの原点『白雪姫』、 映画史に残る数々の功績をおさらい!

 100年におよぶ歴史のなかで、数えきれないほどの名作映画を生んできたディズニー。そのなかでも原点といえる作品がふたつある。ひとつはミッキーマウスのデビュー作となった『蒸気船ウィリー』、そしてもうひとつは『白雪姫』。

 1937年に公開された『白雪姫』は、世界初の長編カラーアニメーションとして知られている。それまでアニメーションといえば短編で、実写映画の合間に流れる“息抜き”でしかなかった時代。フルカラーの技術でさえ、その5年前に導入されたばかりで、「1時間半もの鑑賞にたえうる作品ができるわけがない!」と揶揄する人も多かった。そんななか、ウォルト・ディズニーはありったけの資産と情熱をつぎ込んで、『白雪姫』を完成させた。それは100年後も愛され続けるような傑作で、空前の大ヒットを記録。この『白雪姫』をお手本とすることで、ディズニーは数多くの名作を生み出してきた。

 『白雪姫』はまた、最初のディズニープリンセスが誕生した作品でもあり、ミュージカル・アニメーションの原点でもある。当時ハリウッドで作られていた実写のミュージカル映画は、ダンスと振り付けが見どころのレビューショー的な作品が主流だった。それに対してディズニーは、あくまでストーリーを重視。歌はストーリーを伝えるためのもので、作品のなかに自然と溶け込んでいなければならない――そんな考えのもとに楽曲が作られ、観客は“7人のこびと”の歌に笑い、白雪姫の歌に聴き入った。そこに価値を見いだしたウォルト・ディズニーは、キャラクターたちの歌をそのままレコード化。のちに“オリジナル・サウンドトラック”と呼ばれるアルバムを発売したのだが、これも『白雪姫』が世界初。ディズニーの歴史においても、映画全体の歴史においても、『白雪姫』は原点であり特別な作品なのだ。
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美しい世界観そのままに… 88年の時を経て誕生したミュージカル版『白雪姫』とは?

 その『白雪姫』がついに実写化されると聞いて、ドキドキしながら公開日を待っていた人も多いはず。これまでに制作された『美女と野獣』や『アラジン』の実写版を見れば、今作も間違いない!とわかってはいても、前述のとおり、『白雪姫』はディズニーのファンにとって大切な作品だからだ。

 完成した新たな『白雪姫』は、実写ならではの魅力を持ちながら、オリジナルのアニメーション版に対するオマージュにあふれた作品になっている。子どものころに見たおなじみのシーンが、よりリアルでファンタスティックな映像になって、スクリーンいっぱいに映し出される心地よさ。とくに魔法に満ちた森のシーンは、夢のような美しさだ。

 また、ミュージカル映画としての魅力が増している点は必見! 冒頭から華やかなミュージカルシーンが展開する。新曲を書き下ろしたのは、パセク&ポール。映画『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞を、ブロードウェイ・ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』でトニー賞を、さらにエミー賞とグラミー賞も獲得して、米ショウビズ界のグランドスラムにあたる《EGOT(※)》を達成したソングライターチームだ。

 白雪姫を演じるのは、2021年公開の映画『ウエスト・サイド・ストーリー』でマリア役を務め、史上最年少の20歳(当時)でゴールデングローブ賞主演女優賞に輝いたレイチェル・ゼグラー。その歌声を聴けば、彼女がキャスティングされた理由は明らかだろう。公開に先だった来日プロモーションでも、とびきりキュートな魅力を振りまいてくれた。美しくも邪悪な女王を演じるのは、映画『ワンダーウーマン』で知られるガル・ガドット。

 さらに毎回楽しみなのが、プレミアム吹替版。白雪姫役に抜擢されたのは、俳優/シンガーの吉柳咲良(きりゅうさくら)。女王役に元宝塚歌劇団月組トップスターの月城かなと。そして河野純喜が(JO1)が、白雪姫の“運命の人”ジョナサン役を演じている。

※…Emmy, Grammy, Oscar, Tonyの頭文字を合わせた言葉で、4つの賞を全て受賞した人に贈られる称号。これまでに21人しかいない

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鑑賞ポイントはココ!  物語を彩る名曲と歌に込められたメッセージ

 ディズニーのファンはもちろん、ミュージカルファンにもお勧めの『白雪姫』。ここからは、映画を彩るミュージカルナンバーの数々をご紹介していこう。

♪「夢に見る 〜Waiting On A Wish〜」
 白雪姫が歌う劇中歌で、本作のメインとなる1曲。物語の主人公が夢や憧れを込めて歌う曲は“I Want ソング”と呼ばれ、ミュージカル作品の大きな見どころ。いい作品には、優れた“I Want ソング”が欠かせない。その原点といえるのが、アニメーション版で白雪姫が願いの井戸に向かって歌う「私の願い」だった。この「夢に見る 〜Waiting On A Wish〜」は、パセク&ポールが「私の願い」にオマージュを捧げつつ、新たに書き下ろした“I Want ソング”。「恐れずに立ち向かう勇気を持ちたい」「偉大な王だったお父様が誇れる娘になりたい」という白雪姫の願いが込められている。パセク&ポールは、映画『グレイテスト・ショーマン』の「ディス・イズ・ミー」や実写版『アラジン』の「スピーチレス〜心の声」の作者でもあり、繊細さのなかに強さを感じさせる曲を書くのが本当にうまい。レイチェル・ゼグラー/吉柳咲良の美しくのびやかなボーカルを堪能して。

♪「愛のある場所」
 映画のオープニングを飾るこの曲にのせて、かつての幸せに満ちた王国と白雪姫の生い立ちが紹介されていく。『美女と野獣』の「朝の風景」を思わせる“ザ・ミュージカル”といった雰囲気のナンバーで、物語の世界にぐっと引き込まれる。やがて邪悪な女王に支配され、王国の様子が一変するまでの時の流れを、この曲のリプライズで美しく紡いでいくところは見事!

♪「ハイ・ホー」(実写版)
 1937年のアニメーション版でおなじみ、いまも世界中で愛されているスタンダードナンバー。一度聴いたら忘れられない歌詞とメロディ、そして口笛や効果音を取り入れたアレンジが楽しい名曲も実写版に登場する。本作で“7人のこびと”がこの曲を歌いながら鉱山で働くシーンは、視覚効果がすばらしく、まるでテーマパークのアトラクションのよう。個性的な俳優や芸人をキャスティングしたプレミアム吹替版の楽曲も、ぜひチェックを。

♪「美しさがすべて」
 実写化で新たに加えられたのが、邪悪な女王の見せ場となるミュージカルシーン。クラシックなワルツの曲調、大げさなアレンジ、芝居がかった歌い方――すべてが白雪姫の歌うナンバーと対比するように作られている。聴く人を震え上がらせる迫力がありながら、どこかコミカルな雰囲気もあり、往年のディズニーの悪役ソングに負けないインパクト。プレミアム吹替版では、月城かなとが圧巻の表現力でゾクゾクさせてくれる。

♪「口笛ふいて働こう」(実写版)
 白雪姫が森で見つけたかわいらしい家を掃除しながら歌う、アニメーション版でおなじみの1曲が実写版に。もとは白雪姫のソロナンバーだったが、今作では白雪姫が“7人のこびと”と歌い踊るにぎやかなミュージカルシーンが繰り広げられる。

♪「二人ならきっと」
 心を通わせた白雪姫とジョナサンが歌う、ロマンティックなバラードナンバー。アコースティックギターをメインにした軽やかな演奏にのせて、繊細で美しいデュエットが繰り広げられていく。手と手が触れた瞬間の、ドキドキするような曲の世界観を味わって。じつはパセク&ポールがディズニーソングの作曲を手がけたのは、今作が初めて(実写版『アラジン』は作詞のみの参加)。にもかかわらず、“ディズニーらしさ”を存分に感じさせる楽曲の数々を書き上げてくれた。

 オリジナル楽曲だけでなくアニメーション版の名曲が実写版となって登場するのも、本作の大きな魅力。でも、「いつか王子様が」がないのはなぜ?と思った人もいるのでは。フルで歌われるシーンはないものの、白雪姫がジョナサンと出会うシーンで、とてもすてきなオマージュが捧げられているので、お聴き逃しなく!
▼実写版『白雪姫』登場人物 紹介
  • 白雪姫(右)/雪のように純粋な心をもち、優しさに満ちたプリンセス。女王によって優しさを失った国を憂いている。ジョナサン(左)/白雪姫に偶然出会い、彼女を外の世界に誘う男性。白雪姫の運命の人。

    白雪姫(右)/雪のように純粋な心をもち、優しさに満ちたプリンセス。女王によって優しさを失った国を憂いている。ジョナサン(左)/白雪姫に偶然出会い、彼女を外の世界に誘う男性。白雪姫の運命の人。

  • 女王/外見の美しさと権力に執着し、国を恐怖と魔法の力で支配している。

    女王/外見の美しさと権力に執着し、国を恐怖と魔法の力で支配している。

  • 魔法の鏡/どんな時にも、どんな相手でも“真実”しか口にしない不思議な鏡。

    魔法の鏡/どんな時にも、どんな相手でも“真実”しか口にしない不思議な鏡。

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▼実写版『白雪姫』INFORMATION
  • 実写版『白雪姫』ポスタービジュアル

    実写版『白雪姫』ポスタービジュアル

公開日:2025年3月20日(木・祝)
監督:マーク・ウェブ
音楽:パセク&ポール
キャスト:レイチェル・ゼグラー、ガル・ガドット
<プレミアム吹替版声優>
出演:吉柳咲良、河野純喜(JO1)、月城かなと、諏訪部順一、大塚明夫、津田篤宏(ダイアン)、平川大輔、小島よしお、浪川大輔、日野聡、井上和彦、中井和哉
原題:SNOW WHITE
うきたひさこ氏

エンターテイメントライター・構成作家 うきたひさこ氏

映画や音楽、ミュージカルなどについて幅広く執筆活動をしているライター/構成作家。とくにディズニー作品の魅力を伝えるのは、ライフワークのひとつ。ライナーノーツを手がけたディズニーのアルバムは50作品以上。月刊誌「ディズニーファン」(講談社)の連載は300回を突破!

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