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『爆上戦隊ブンブンジャー』を音楽で“バクアゲ”、スーパー戦隊シリーズ作曲家コンビが明かす挑戦とこだわり

2月5日発売『爆上戦隊ブンブンジャー オリジナル・サウンドトラック』

2月5日発売『爆上戦隊ブンブンジャー オリジナル・サウンドトラック』

 2月9日にいよいよ大団円を迎える『爆上戦隊ブンブンジャー』。そのストーリーを彩ったBGMが全曲収録されたオリジナル・サウンドトラックが3枚組CDと配信でリリースされる。劇中BGMを担当する作曲家には、ストーリー性のあるサウンドメイクを得意とする池田善哉、オーケストラからEDMまで幅広い制作能力を持つ横関公太という若き才能が抜擢。2人がどのように本作を音楽で“バクアゲ”てきたのか、語り合ってもらった。

スーパー戦隊シリーズ初挑戦 1年間で二人合わせて130曲以上を制作

左から横関公太、池田善哉 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.

左から横関公太、池田善哉 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.

──お二人ともスーパー戦隊シリーズの音楽を手掛けるのは、初めてとのことですが、決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

池田善哉 正直、あまり実感がなかったですね。歴代担当されてきた作曲家さんたちは錚々たる顔ぶれですし、僕らくらいのキャリアの作家には別次元の仕事というイメージがあったので。
横関公太 デモ曲をプレゼンする機会があるというのは聞いていましたが、まさか起用していただけるとは想像もしなかったですね。
池田善哉 実際、同世代の作家仲間からも「マジか!」「すごいな」と言われることも多かったです。

──音楽作家としても名誉あるシリーズなんですね。ちなみにお二人は、スーパー戦隊シリーズ で思い出に残っている作品はありますか?

池田善哉 僕は『電磁戦隊メガレンジャー』(1997-1998年)と『星獣戦隊ギンガマン』(1998-1999年)が印象に残っています。僕らは1歳しか違わないので見ていた作品もけっこう近いんじゃないかなと思うんですけど、どうです? 
横関公太 僕は『激走戦隊カーレンジャー』(1996-1997年)をよく見ていましたね。あと『特捜戦隊デカレンジャー』(2004-2005年)も好きでした。どちらもクルマをフィーチャーした作品でしたが、『爆上戦隊ブンブンジャー』も"クルマ×つくる"がテーマなので、それも含めて嬉しさがありましたね。

──2人の音楽作家が劇中BGMを手掛けるのも、歴代スーパー戦隊シリーズでは珍しいことなのでは?

池田善哉 そこも僕らのキャリアを考慮してなのか、詳しくはわからないんですけど。ただ少なくとも、これだけの曲数を1人の作曲家が作ってたんだと思うと、それは恐ろしくなりました。1年間で2人合わせて130曲以上を作曲していますので。
横関公太 もちろん一気にではないんですけど、最初の打ち合わせから1ヵ月半くらいでテレビシリーズ前半の約70曲の締切が設けられていて。あの年末年始は、ひたすら作曲に向き合っていた記憶がありますね。

それぞれの“強み”を生かした割り振り、リンクするメロディの仕掛けとは?

  • 池田善哉 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.

    池田善哉 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.

──今回リリースされる『爆上戦隊ブンブンジャー オリジナル・サウンドトラック』にはOPテーマやEDテーマほか、劇中BGMの全139曲が収録。それぞれの担当曲はどうやって割り振ったのですか?

池田善哉 僕らとマネージャーの3人で、それぞれの作家性というか、強みを生かせる形で割り振っていきました。たとえば最初の70曲を作るというミッションの中でも、メインテーマの「最強バクアゲヒーロー!」と、変身テーマの「気分ブンブン!ブン回せ!」の2曲がブンブンジャー側の軸となっていました。そこで「メインテーマは王道のかっこいいメロディを書ける横席くんがいいよね」とか、「じゃあ僕は変身テーマを書くよ」という形ですね。
横関公太 池田さんは勢いのあるビート感を出すのが上手なんですが、変拍子の使い方も巧みで。それもあって(敵の)ハシリヤン側の音楽を多めに担当されています。最初の70曲はそれぞれで作曲していったんですが、レコーディングで「池田さん、こうきたか」「かっけえ!」と感じる瞬間が何度もあって。その後の映画版やテレビシリーズ後半の作曲は、かなり池田さんに影響されたところもありましたね。

──軸となる曲以外で、思い入れのある曲を教えていただけますか。

横関公太 僕はテレビシリーズの後半に登場する「6人が握るハンドル」という曲が気に入っています。前半に比べてブンブンジャーたちの絆も深まっていることもあり、ホルンなどを使用した大きめのメロディを意識して重厚感を出しました。
池田善哉 「それいけズッコケ サンシーター」という曲が気に入っています。実はこの曲は、ハシリヤンのテーマ「大宇宙侵略大走力団ハシリヤン」と同じメロディを盛り込んでいるんですが、悪役ではあるけど、どこかコミカルさもあるのがサンシーターの魅力なので、「それいけ〜」のほうはそうした可愛さを表現できたらなと思って、アレンジにこだわりました。
横関公太 あのリンクは面白かったですね。1年間通して同じ作品を手掛けていると、こういうアレンジもできるんだという感じで。
池田善哉 こうしてサントラにまとめられることによって、「同じメロディだったんだ!」と気づいてもらえたら嬉しいですね。

音楽でストーリーを加速させる 『ブンブンジャー』ならではのアプローチ

  • 横関公太 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.

    横関公太 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.

──シーンごとに数多く作曲されてきましたが、『爆上戦隊ブンブンジャー』の音楽として一貫して大切にしてきたことはありますか?

池田善哉 歴代スーパー戦隊シリーズの作品の音楽の特徴であるシンフォニックなかっこよさは踏襲しつつ、「気分ブンブン!新時代をバクアゲろ!」というキャッチコピー通り、よりビート感やドライブ感を意識していました。とにかく音楽でストーリーを停滞させないようにだけはしたかったので。
横関公太 たしかにカーチェイスのシーンも多い作品ですので、音楽がそこにきちんと寄り添えるように、なんなら「引っ張っていくぞ」くらいの気持ちで制作していましたね。

──改めてスーパー戦隊シリーズの音楽を手掛けたことは、ご自身のキャリアにとってどんな位置付けになりそうですか?

横関公太 確実に言えるのは、作曲家としての筋肉をものすごく鍛えていただけたということです。あのタイトな時間でこれだけの、量と質の音楽を書き切れたのは、自分にとって大きな自信になりました。
池田善哉 今後のキャリアという意味では、いいプレッシャーにもなると思います。スーパー戦隊シリーズを手掛けたのに、10年後に「ぜんぜん仕事してないじゃん」と思われないように頑張らないといけないなという(笑)。でも、何よりこの1年間すごく楽しかったですね。『ブンブンジャー』という熱量の高い作品に携わらせていただいたことに、本当に感謝しています。
横関公太 それは僕も同じです。「ブンブンジャー」には、"自分のハンドルは自分で握る"というメッセージが込められていて。視聴者の子どもたちも成長する間には壁にぶつかること、うまくいかないことがいろいろあると思うけど、ふとした時にこのメッセージを思い出してもらえたら。そこに僕らの音楽も流れていたら、こんなに嬉しいことはないです。

取材・文/児玉澄子 撮影/草刈雅之
■Information
爆上戦隊ブンブンジャー オリジナル・サウンドトラック
2025/02/05発売
COCX-42431-3 ¥4,950 (税抜価格 ¥4,500)
<音楽>
池田善哉 
@Ysy_penguin
横関公太
@KOTA_YOKOSEKIオフィシャルサイト
Sponsored by コロムビア・ミュージック

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