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【松本まりか×春風亭昇太スペシャル対談】“怪演”俳優と芸能界きっての歴史通が『どうする家康』&大河ドラマの魅力を徹底解説

あうんの呼吸をみせた半蔵役・山田孝之と松本まりかの“縁”とは?

春風亭昇太(写真左)と、松本まりか(同右) 撮影/草刈雅之

春風亭昇太(写真左)と、松本まりか(同右) 撮影/草刈雅之

――ここからは、お2人により詳しく『どうする家康』を語っていただきたいと思います。まりかさんは、服部半蔵(山田孝之)のバディ的存在の大鼠役としてご出演されました。
  • 服部半蔵役の山田孝之(写真前左)と、大鼠役の松本まりか(同前右) 『どうする家康』より (C)NHK

    服部半蔵役の山田孝之(写真前左)と、大鼠役の松本まりか(同前右) 『どうする家康』より (C)NHK

  • 大鼠役の松本まりか(写真奥左)と、服部半蔵役の山田孝之(同前右)と、 『どうする家康』より (C)NHK

    大鼠役の松本まりか(写真奥左)と、服部半蔵役の山田孝之(同前右)と、 『どうする家康』より (C)NHK

松本まりか山田孝之さんとはもう20年以上の付き合いなんです。『葵 徳川三代』に続いて、本作が2作目の大河ドラマ出演という経歴も一緒で。大河ではないんですが私のデビュー作のドラマ『六番目の小夜子』でも共演していて。その作品で、私は優等生の学級委員からだんだん悪女になっていく役だったんです。やりがいのある役でしたし、演じることが他の何している時より面白かった。初めて自分が夢中になれるものを見つけた瞬間で、女優になりたいと、この時思ったんです。悪女に豹変する役を頂くことが多いのですが、そのルーツがこのデビュー作にあったのかもしれません。

――今のイメージの原点は、デビュー作からだったんですね。『どうする家康』では、山田さんとは20年来の役者仲間ということもあって、あうんの呼吸でしたね。
松本まりか演出家の方にこそっと「アドリブでやってみて」と言われて、半蔵のお尻を鞭で叩いて笑みを浮かべたところから始まりました。私たちのクランクインの日だったので緊張感がありましたが、そのシーンで少し和んだような気がしました。
  • 春風亭昇太 撮影/草刈雅之

    春風亭昇太 撮影/草刈雅之

  • 春風亭昇太の印象に強く残った松本まりかの目ヂカラ 『どうする家康』より (C)NHK

    春風亭昇太の印象に強く残った松本まりかの目ヂカラ 『どうする家康』より (C)NHK

春風亭昇太今のお話を伺うと、大河ドラマってしっかり練って作り込むところと、作りながら変わっていくところもあって、面白いですね。いやー、大鼠! 暗いところから見ている目ヂカラがすごかったですよ(笑)。

松本まりかありがとうございます(笑)。実は現場で、忍者の末裔の方に歩き方や立ち居振る舞い、目線など教えていただいて。演じるうえで太い幹になったのは、忍者の精神でした。忍者は、一般庶民が生き抜く術として鍛錬を重ね、裏仕事として行っていたそうです。生きるか死ぬかの貧困の中で、そこには善や悪は関係なく、あるのはお金を払ってくれる依頼者に忠誠を誓うという精神。大鼠がどういう生い立ちで、どんな環境で生きてきたのかを想像しながら演じました。
>>昇太絶賛の”松本まりかの目ヂカラ”を見るなら『NHKオンデマンド』(外部サイト)

大鼠役・松本まりかが告白…“瀬名ロス”の元凶となる介錯シーン撮影秘話

  • 春風亭昇太 撮影/草刈雅之

    春風亭昇太 撮影/草刈雅之

  • 信康(細田佳央太)の介錯を頼まれる半蔵(山田孝之) 『どうする家康』より (C)NHK

    信康(細田佳央太)の介錯を頼まれる半蔵(山田孝之) 『どうする家康』より (C)NHK

  • 松本まりか 撮影/草刈雅之

    松本まりか 撮影/草刈雅之

春風亭昇太僕が見ていたなかで特に印象的だったのは、有村架純さん演じる瀬名を介錯するシーンでした。

松本まりかそうですね。私にとっても印象的でした。あのシーンまで、大鼠は瀬名に一度も会ったことがなかった。そんな大鼠が、家臣団や家族などそれまで瀬名とドラマを作り上げてきた人たちを差し置いて、まさかの介錯?って。これは大変なことを任されたなと。並行して、半蔵は(瀬名と家康の)息子の信康(細田佳央太)の介錯をしました。忍びの2人に介錯させることで、家臣団のつらさや優しさ、弱さまで描けたのではないかと放送を見て感じて、古沢さんの発想力はすごいなと思いました。

春風亭昇太でも演じるのは、難しかったでしょう。

松本まりか瀬名に「介錯を頼む」と言われて目を向けられたとき、本気なのか、その目を確かめたくなって、座って顔を覗く動きをしたんです。介錯した後もそのまま立っていることができなくて、演出家の方と相談して、ひれ伏すことにしました。大鼠はあまり心を動かされるキャラクターではないのですが、あの時は瀬名や殿(家康)や家臣団の芝居、そして世の平安を願って亡くなっていく瀬名に対する敬意みたいなものに突き動かされました。私にとってとても印象深い体験になりました。
>>「瀬名の介錯シーン」を見るなら『NHKオンデマンド』(外部サイト)
――昇太さんも『おんな城主 直虎』で今川義元役を演じられるなど、大河ドラマに出演されています。今のまりかさんのお話を受けて、演じるうえで共感できる部分はありますか?
  • 今川義元を演じる春風亭昇太(写真左) 『おんな城主 直虎』より (C)NHK

    今川義元を演じる春風亭昇太(写真左) 『おんな城主 直虎』より (C)NHK

春風亭昇太僕の芸歴のなかで大河ドラマに出していただけたことは、“プレゼント”みたいなことだと思っているので、どう演じたらいいのかというのは正直全くわからないままでした(笑)。所作、立ち居振る舞いなど、先生に教えていただくんですけど難しかったですね。歴史好きで落語やっているので、できるように思われるかもしれないですが、動きとセリフをくっつけるってすごい大変なんですよ。だから役者さんは本当にすごいなと思います。
>>春風亭昇太の”今川義元”を見るなら『NHKオンデマンド』(外部サイト)

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