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【松本まりか×春風亭昇太スペシャル対談】“怪演”俳優と芸能界きっての歴史通が『どうする家康』&大河ドラマの魅力を徹底解説
あうんの呼吸をみせた半蔵役・山田孝之と松本まりかの“縁”とは?
――今のイメージの原点は、デビュー作からだったんですね。『どうする家康』では、山田さんとは20年来の役者仲間ということもあって、あうんの呼吸でしたね。
松本まりか演出家の方にこそっと「アドリブでやってみて」と言われて、半蔵のお尻を鞭で叩いて笑みを浮かべたところから始まりました。私たちのクランクインの日だったので緊張感がありましたが、そのシーンで少し和んだような気がしました。
松本まりかありがとうございます(笑)。実は現場で、忍者の末裔の方に歩き方や立ち居振る舞い、目線など教えていただいて。演じるうえで太い幹になったのは、忍者の精神でした。忍者は、一般庶民が生き抜く術として鍛錬を重ね、裏仕事として行っていたそうです。生きるか死ぬかの貧困の中で、そこには善や悪は関係なく、あるのはお金を払ってくれる依頼者に忠誠を誓うという精神。大鼠がどういう生い立ちで、どんな環境で生きてきたのかを想像しながら演じました。
大鼠役・松本まりかが告白…“瀬名ロス”の元凶となる介錯シーン撮影秘話
松本まりかそうですね。私にとっても印象的でした。あのシーンまで、大鼠は瀬名に一度も会ったことがなかった。そんな大鼠が、家臣団や家族などそれまで瀬名とドラマを作り上げてきた人たちを差し置いて、まさかの介錯?って。これは大変なことを任されたなと。並行して、半蔵は(瀬名と家康の)息子の信康(細田佳央太)の介錯をしました。忍びの2人に介錯させることで、家臣団のつらさや優しさ、弱さまで描けたのではないかと放送を見て感じて、古沢さんの発想力はすごいなと思いました。
春風亭昇太でも演じるのは、難しかったでしょう。
松本まりか瀬名に「介錯を頼む」と言われて目を向けられたとき、本気なのか、その目を確かめたくなって、座って顔を覗く動きをしたんです。介錯した後もそのまま立っていることができなくて、演出家の方と相談して、ひれ伏すことにしました。大鼠はあまり心を動かされるキャラクターではないのですが、あの時は瀬名や殿(家康)や家臣団の芝居、そして世の平安を願って亡くなっていく瀬名に対する敬意みたいなものに突き動かされました。私にとってとても印象深い体験になりました。