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神木隆之介×山田裕貴×佐々木蔵之介、『ゴジラ-1.0』一番の武器は人間の知恵
本作の舞台は、第1作からさかのぼって終戦直後。無(ゼロ)になった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラがこの国を負(マイナス)に叩き落とす。史上最も絶望的な状況での襲来に、誰が、そしてどうやって立ち向かうのか。
今回のゴジラは想像していたよりも怖かった
神木怖かったですね、純粋に。ゴジラと対峙するシーンの多くはグリーンバックでの撮影だったので、その時には味わえなかった恐怖を感じました。
山田ゴジラというと、ズシン、ズシンとゆっくり迫ってくるイメージで、ちょっと模型っぽい都庁が破壊されて…みたいな感じもあって、それでも十分、怖かったんですけど、どこか自分は安全な場所からゴジラを見守っている感覚で観ていたように思うんです。でも、今回のゴジラは、海の中ですごいスピードで泳ぐし、尾から背びれへ徐々にトサカが突き出して青く光りながら放射熱線が放たれていく演出も恐ろしく、ちょっと迫力が違うな、と思いました。
佐々木今回のゴジラは、想像していたよりも確かに怖かった。特に音ですよね。ゴジラの足音や鳴き声が皮膚を震わせ体に染み込んできて、あんなにも怖いものかと感じました。撮影している時は、そこにゴジラがいるということを想像して、驚いたり、恐怖を感じたりしていたのですが、実際にあのゴジラを観ていたら、芝居にならなかったような気がします。足がすくんで逃げてしまっていたかも…、そう思うくらいすごいゴジラでしたね。
山田僕、「ScreenX」で観てみたいんですよ。270度分の撮影したかなって(笑)。
神木してない、してない(笑)。いや、船酔いしている監督が乗った船がチラッと映り込んでいるかもしれない(笑)。
――「ScreenX」は、シーンによって正面のみに映像が投影されるシーンと、両側面に映像が投影されるシーンがあって、ゴジラから逃げるシーンでは群衆の恐怖と混乱が、ゴジラが都市を破壊するシーンではその強さが伝わってくるように演出されているそうです。体感型アトラクションシアター「4DX」と「ScreenX」が融合した「4DXScreen」でも上映していて、地面を揺らして迫りくるゴジラの恐怖をまさに体感していただけます。
佐々木へぇ、いろんな見方ができるわけね。
ゴジラから逃げ惑う人々を演じたエキストラは山崎組常連
神木銀座にゴジラが現れるシーンは、スタジオにエキストラさんを何百人も集めて撮影したのですが、山崎組常連のエキストラさんたちで、すごく慣れていることに驚きました。ゴジラを撮っているって、秘密だったじゃないですか。
佐々木そうね、僕らがスタジオに入る時も「G(ジー)の撮影に来ました」って言ってましたからね。
神木そう。最初は「No.30」でしたからね。表紙に「G」と書いてある台本をもらってから「G」と言うようになったけど、それくらいトップシークレットだったんです。グリーンバックで何もないけど、エキストラさんたちは「ゴジラ」を撮っているってことも、「秘密なんでしょ」ということも全部わかっていて、さらに山崎監督が欲しい、逃げ惑う動きや表情、緊迫感を見事に出してくる。皆さん、完璧でした。スタッフさんの指示も、もうちょっとこうして…といったこともなかったんです。エキストラさんは山崎組の先輩でした。
佐々木そうなんですよ。10日間くらい、浜松の海で実際に撮影したんです。天候にもかなり左右されましたし、晴れて出航はしたものの、風が強くて撮影できずに帰ってきたり…。船の揺れもすごくて、みんな船酔いとの戦いでした。でも、あれ、プールで撮ったんでしょ、みたいに言われるから…。
神木「あれ、CGでしょ」「VFXすごいですね」ってよく言われますね。
山田言われますね…。ちゃんと沖に出て撮影していますって、声を大にして言いたい。確かに最初は船酔いが大変でしたけど、途中からすごい楽しかったです。
佐々木そういえば、初日は『ONEPIECE』の歌を歌って…
山田出航しました(笑)
山田水島としては「申し訳ない」という気持ちになるシーンだけど、実際は「隆ちゃん大丈夫かな」って心配している顔です(笑)。本当に体調悪そうだったんで。
佐々木本当に船上であり“戦場”でしたよね。演技プランなんて通用しないし、撮れる時に撮れるものを撮らなきゃ、とみんな必死でやってましたよね。そこで結束が固まった、というのもあって、やっぱり浜松ロケは楽しかったな。
「生きる」ことは何より大切で、脅かしてはならない
神木まず、知恵や工夫って大事だな、ということですね。『シン・ゴジラ』はゴジラに対抗する手段がいろいろある現代が舞台だったので、それを全部ぶち込んで倒しにかかったけれど、『ゴジラ-1.0』では戦後の武器も何もない、政府もあてにならない中でどう戦っていくかを描くんだ、と監督はおっしゃっていました。何もなくても、一人ひとりの力は小さくても、集まればそれなりに大きな力になるんじゃないか。一番の武器は人間の知恵なんじゃないか、というところを感じました。ゴジラのような強大な脅威に直面しても、人間として、「生きたい」、「生きていて欲しい」という気持ちが原動力になるし、その覚悟が立ち向かう勇気になると思いました。
佐々木ゴジラって、70年の歴史の中で、各時代の写し鏡みたいな存在でもあると思うんです。今回のゴジラは、絶望を背負ってくれているんだな、と思いました。破壊されることはこんなにも怖いんだということを突きつけてきますし、破壊されても抗って、生きていくんだ、という希望も感じさせる作品だと思っています。
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映画『ゴジラ-1.0』2023年11月3日公開
山田裕貴 青木崇高
吉岡秀隆 安藤サクラ 佐々木蔵之介
監督・脚本・VFX:山崎貴
(C)2023 TOHO CO., LTD.
公式サイト:https://godzilla-movie2023.toho.co.jp/