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松坂桃李、子育ての先輩として野原ひろしに憧れ 『クレヨンしんちゃん』が僕らに必要な理由

3DCGになってもしんちゃんはしんちゃん

――今回、シリーズ史上初の3DCGアニメーション作品となる『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜』ですが、“しん次元”のしんちゃん、どう思いましたか?

松坂しんちゃんって、漫画が原作ですし、2D顔だと思うんです。3DCGになるというのを初めて聞いた時には、どうなっちゃうの?と、正直不安に思ったんです。でも、完成した作品を見たら、しんちゃんはしんちゃんでした。僕みたいに、3DCG化に不安を感じている方も恐らくいると思うのですが、全く違和感がない。そこに、3DCGならではの表現も加わって、見応えのある映画になっています。皆さんの努力の結晶を是非、劇場の大スクリーンで見てほしいです。
――2Dアニメを長年手がけてきたシンエイ動画と、『シン・ゴジラ』や『STAND BY ME ドラえもん』などを手がけた3DCG制作会社の白組がタッグを組み、試行錯誤を重ね、構想から含めて7年の制作期間を要したそうです。アフレコはいかがでしたか?

松坂僕が声を入れる時にはほぼ映像ができていて、レギュラー声優の方々の声も入っていたのですごくやりやすかったですし、『クレヨンしんちゃん』を毎週見ていて、しんちゃんと話してみたいと思っていた子どもの頃の自分に戻った感覚を味わいました。いままでにない不思議な感じでした。しんちゃんの世界に没入できた、ということなんだと思います。
――今回のお話は、宇宙から二つの光が降って来て、松坂さん演じる非理谷充(ひりや・みつる)に“黒い光”が命中。バイトはうまくいかず、推しのアイドルは結婚、しかも暴行犯に間違われて警察に追われていた充は、黒い光を浴びたことで、暗黒のエスパーとなり、やがて世界を混乱に陥れようとします。そこに、“白い光”を浴びて同じくエスパーとなっていたしんのすけが立ち向かうというストーリー。監督・脚本を務めたのは、『モテキ』(11年)や『バクマン。』(15年)、ドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(22年)などの大根仁さんです。アニメーション作品の監督に初挑戦されました。

松坂アフレコの時、場面ごとに充はどういう心情でいるのか、それをどう表現してほしいのか、大根監督が細かく演出をつけてくださって、監督のこの作品にかけている気合というか、熱量みたいなものをひしひしと感じていました。

――充はある意味、現代の日本の若者像をだいぶ背負ったキャラクターですよね。

松坂それをさらに黒く塗りつぶした感じですよね。

――共感や理解はできましたか?

松坂100%共感したとは言えないですが、充の気持ちもわからなくもないです。漠然とした不安、なんで自分だけうまくいかないんだという怒り、世の中に対する不満もあるけれど、どこかであきらめてもいる感じ、そういうのって、多かれ少なかれ誰もが抱えているものだと思うんです。充はそれを長い年月をかけてため込んでしまっていた。それを宇宙から降ってきた黒い光を浴びたことで増幅させてしまいますが、黒い光に代わるものは日常の中に潜んでいるんだと思います。充の黒い光をしんちゃんの放つ白い光で明るく変えるというアイデアは、すごくしっくりくると思う。しんちゃんは太陽みたいな子、僕らに必要なんだな、と思いました。

――映画は娯楽として楽しんでいただければそれで充分なのですが、あえて今回の作品から学びを得るとしたら?

松坂僕自身は家族を持ったことによって、以前よりも家族の絆の強さをより感じたように思います。野原家は、本当にいい家族だと思うんです。しんちゃん、みさえ、ひろし、ひまわり、そして、シロ。シロが一番冷静で、客観視できていることを改めて実感しました。親が子どもを守るのは当たり前ですが、「オラだって家族の一員なんだ」と子どももそういう気持ちになれる家族って、本当にすてきだと思います。

――子どもたちの未来のために、大人ができることってなんだと思いますか?

松坂環境作りのような気がします。好きなものや興味のあるものが一人ひとり違うと思うんです。親や学校の先生だけでなく、世の中の大人たちが、子どもの夢を妨げない環境をみんなで作っていこうとすることが大事なのかな、と思います。それが、子どもにとっても、ひいては大人にとっても幸せにつながるのではないかな、と思いました。

――最後に、手巻き寿司、具は何が好きですか?

松坂マグロの赤身。マグロが好きです。

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