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レトロのなかに”新しさ”を見出す、サンマルクカフェが示す”喫茶店としてあること”の独自性

“純喫茶”をテーマにしたサンマルクカフェの新商品

“純喫茶”をテーマにしたサンマルクカフェの新商品

 大定番のチョコクロでおなじみの「サンマルクカフェ」が、季節商品として“純喫茶”や“レトロ”をテーマにしたパスタやドリンクの販売をスタートさせている。『昭和レトロナポリタン』『昭和レトロクリームソーダ』『ニューレトロクリームソーダスムージー』といったメニューで、まるで昭和の喫茶店にタイムスリップしたかのようなレトロ感あふれる味わいを楽しめる。なぜ同店は新商品として“レトロ”をテーマに開発に至ったのか。サンマルクカフェの社長・鎌田滋之氏と広報担当の吉田美咲氏に話を聞いた。

”レトロ”にオシャレや新しさを見出す純喫茶トレンド

 SNSにはカスタードプリン、メロンソーダ、パンケーキなど、昔懐かしい喫茶メニューが連日アップされ、Instagramでも「#昭和レトロ」が201万件、「#純喫茶」が63万件と、ハッシュタグの投稿件数は伸び続けている。純喫茶に代表される喫茶店はかつて、薄暗くてたばこ臭い、マスターが怖そうで落ち着かないなど、世代によっては食いつきにくい印象もあったが、今はそこに“新しさ”が見い出され、チェーン店にも広がっている。サンマルクカフェの鎌田社長は「“ベーカリーカフェ”だけでなく“喫茶店”のイメージもある私たちの店舗だからこそ、できることがある」と話す。

――今回、“レトロ”をテーマにした新商品が登場して、SNSでも昭和感が強い看板のビジュアルが話題になっていました。なぜ、“レトロ”に着目したのでしょうか?

吉田サンマルクカフェでしか味わえない店舗の雰囲気と合わせて、商品をお楽しみいただける確信があったからです。当社はベーカリーカフェですが、椅子がどっしりとしていて、ゆったりした配置になっています。お客様の中には当社を喫茶店みたいに思われている方もいらっしゃるんです。「お持ち帰りはできるのですか?」とよく質問されるのですが、カフェだったらお持ち帰りは当たり前ですが、喫茶店の場合には聞きますよね。だから、喫茶店のような感覚で利用されている方もいるというのは実感しています。サンマルクカフェにレトロ喫茶の商品がマッチするのではないかと思ったのが理由です。

――確かにSNSでは映える食べ物を映える店内で撮影した投稿が話題を集めています。鎌田さんは、純喫茶などのレトロブームをどのように見ていますか?

鎌田もともと私はセルフカフェの業界に長年いたのですが、当時の喫茶店のイメージは「オシャレではない」とか「古い」と言われる場所になってしまっていました。でも時代が流れて1周して、逆に喫茶店などの“レトロな古さ”のなかに“オシャレさ”や“新しさ”が見出されるようになった。本当に面白い流れだなと思います。

”店頭で生麺を茹でる”ナポリタン「トマトの旨味とまろやかさを強く押し出した」

『昭和レトロナポリタン』

『昭和レトロナポリタン』

――パスタは、サンマルクカフェで主力の食事メニューですが、今回の「ナポリタン」のこだわりは?

吉田“生麺”であることです。ナポリタンだけではなく、他のパスタメニューもすべて生麺を調理して提供しています。カフェで提供されるパスタは時短を考えて、電子レンジを使用するイメージもあるかと思いますが、このこだわりは鎌倉パスタがグループ会社にある当社の魅力だと思います。

――注文を受けて調理するとなると、オペレーション的に大変だと思いますが、どのように解決していったのですか?

鎌田いかに素早く提供していくかなどは、グループ会社としての視点があります。多くの店舗を持つチェーンとして通常のレストランよりも効率化は図られていると思います。茹でる時間を逆算して、パスタソースを作り始めるタイミングも図られており、店員のオペレーション負荷を減らす取り組みもしています。

――すべて生?だったことには驚きです。

鎌田すべては、料理のクオリティと味を優先しています。麺を茹でる機械も含めて高額な投資にはなるのですが、お客様に美味しいものを届けて最高のひとときをお店で過ごしていただこうと考えているので、パスタもベーカリーの商品も工場から納品したものではなく、すべて店頭で作っています。

――確かに厨房がガラス張りになっていて、チョコクロを作っている店員さんの姿はよく見かけます。

鎌田入社した当時私自身もびっくりしたのが、さすがにサンドイッチは違うのかと思っていたら、サンドイッチまで手作りで…(笑)。お客様にはおそらくあまり伝わってない可能性がありますけど(笑)、それが当社の売りで強みでもあるので、これからはこういった点もお客様に伝えて行きながら美味しさにこだわった商品をお客様に届けていきたいです。

――ナポリタンのソースは半年くらいかけて作ったと仰っていましたが、味わいの面でこだわった点は?

吉田ナポリタンは何度か販売している人気の商品ですが、今回新しく販売するにあたり、より美味しいナポリタンにするためにブラッシュアップをしようとなりました。過去のナポリタンソースよりもトマトの味わいをもっとまろやかにしています。

――トマトの味自体に酸味が効いていると思いますが、どうすることでまろやかに?

吉田トマトの旨味とまろやかさを強く押し出しています。まろやかな味をバターなどで味を変えて表現するのではなくて、素材を活かしてまろやかに仕上がるようにしています。

――レストランクオリティが手軽な価格で味わえるのはうれしいです。

鎌田サンマルクカフェのチョコクロやホットサンド、そしてコーヒーだけでなく、パスタもあるということをぜひ知っていただきたいです。店舗数は限定されますが、パスタのあるお店ではぜひ食べていただきたいですね。

(左)『昭和レトロクリームソーダ』(右)『ニューレトロクリームソーダスムージー』

(左)『昭和レトロクリームソーダ』(右)『ニューレトロクリームソーダスムージー』

群雄割拠のカフェ業界、「くつろげる空間であること」に独自性

――サンマルクカフェさんは店内利用のお客様が圧倒的に多いそうですが、それはなぜでしょうか?

鎌田使っている家具などがくつろげる空間を作り出しているだけでなく、ゆったりと過ごせる喫茶店としてご認識頂いているお客様が多いからだと感じます。これは競合の他社さんにはない当社の独自性です。イスもテーブルも、本来であればどんどん効率化され小型化が進むところですが、当社ではそれをあえてしていません。照明も、極力明るさを抑えるよう調節しています。それは第一に、当店がくつろげる空間であるとお客様に受け止めていただきたいから。店の雰囲気作りは、お客様へのメッセージでもあります。

――喫茶店やカフェで過ごす時間の楽しみ方も近年で変わってきている感覚がありますか?

鎌田使い方はさらに多様になったと感じています。映えるとかSNSで紹介したいなどという部分はもちろんあるものの、店側が忘れてはいけないのは“カフェの原点”としてどうあるべきかです。人と人とをつなぐものとしてのニーズは、時代が変わっても変わらない部分。当社の店舗に行くと、本当に“会話”が主体となった楽しみ方をされているのを見かけるんですよね。ただ飲み物を飲むだけなら、他のカフェでも提供できるので。そこにない価値を示し続けることが、今後の当社の強みになっていくと考えます。

――地域の喫茶店や珈琲店に、地元の人が引き寄せられるように集まっていくような現象ありますよね。人と人をつなぐ価値を昔から提供してきたのが喫茶店だと。

鎌田友人との会話だったり、恋人や夫婦で使ったり。常連さん同士で会話をしたり、店員さんと話し始めたりもする。そういった点が、カフェが大切なコネクトの場所になる理由だと思います。当社もそういったつながりを持てる場所としてご利用いただきたいです。

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