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異色の“赤いガンダム”、「別格のかっこよさ」「神のクオリティ」とSNS絶賛 人気モデラーが明かすガンプラを“いきいき”させるコツ

 モビルスーツ(MS)のカッコよさを追究した作品で、2.2万人ものフォロワーを魅了するモデラーのpurasさん(@puras9211)。その最新作は、6月末に完成したばかりのストライクルージュ。『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場し、ヒロイックなブルーが使われた機体が多いガンダムにおいて、全体的に赤味を帯びた異色の存在だが、同氏はその赤をより妖艶に強調。ポーズも相まって、新しいストライクルージュ像を作り上げ、SNSでも「別格のかっこよさ」「神のクオリティ」などと絶賛された。色味、さらにポージングの意図とともに、同氏のこだわりであるガンプラを“いきいき”させるコツを聞いた。

小学生の時にアニメで観て衝撃「ガンダムの色を変えることでここまで雰囲気が変わるのか」

――完成したばかりの『ストライクルージュRASH(ラッシュ)』が大きな反響を呼んでいます。そもそも本作を制作しようと思ったきっかけを教えてください。
purasこれまで制作してきた私の作品は、青を基調とした配色が多いという傾向がありました。なので、たまには鮮やかな赤で配色した作品を制作しようと思ったことがきっかけでした。購入しっぱなしで放置していたストライクのキットを持っていたことを思い出し、赤をより強調したオリジナルのストライクルージュを全塗装して作ろうと思い、制作に至りました。

――ストライクルージュは、原作画から、“ガンダムらしからぬ”赤が基調。本来白の部分も全体的にピンクを纏ったようなカラーリングです。色味、ならびに機体について、どのような印象をお持ちでしたか?
puras他のガンダムにはない配色で、どこか女性らしさがある雰囲気という印象でした。アニメ放映当時、私は小学生だったのですが「元主人公機でありながら、色を変えることでここまで雰囲気が変わるのか」と衝撃を受けたことを覚えております。
 実は、最近まで機体設定についての詳細はあまり把握していなかったのですが、会社の先輩から装甲が赤い理由や開発経緯のお話を聞き、想像と違った機体設定だったのでとても驚きました。

――多くのガンダムファンに衝撃を残しましたよね。ちなみに本作制作時には、どのような物語を背景にイメージされていたのですか?
puras装備は大剣グランドスラムのみの近接機体となっており、ストライクルージュの一部装甲を取り外し、機動性の向上テストを目的とした機体設定をイメージしました。ただし動力部がむき出しになるデメリットがある為、鮮やかな赤色を各部にちりばめて視線をそらす効果を狙っています。

色味を絶賛するコメントに安堵「機体を元の配色や形状から変更する際は、今でもドキドキする」

――本作の大きな特徴である“赤”については、原作の色とも少し異なるかと思います。色味については、どのようなこだわりを持って臨んだのでしょうか?
puras深みを抑えつつも、鮮やかな印象をもつ赤にしたいと思い配色致しました。黒い下地からローズピンクを塗装し、白のデカールを散りばめた事で納得いく見栄えに出来たと感じております。当初はインナーフレームの色をガンメタで統一して塗装していたのですが、弱点が露出している感が強く出てしまい違和感がありましたので、最終的なダークブラウンに落ち着くまではかなり悩んでおりました。
 実は前回取材(ガンダム・バルバトス)していただいて以降、塗装する色について、より意識するようになりました。アプリを使用して事前に全体の配色をテストし、しっくりくる色合いや色分けを明確にしてから塗装工程に入るようになりました。

――本作には多くの方々から色味について賞賛のコメントが届いておりました。上記の意識が早速実っていますね。
purasありがとうございます。私の思う配色で、とくにこだわった色合いについて、多くのお褒めコメントをはじめたくさん反応いただけて、うれしく思ったと同時に、どこかホッとした気持ちにもなりました。

――というと?
puras機体を元の配色や形状から変更する際は、今でもドキドキするので、「かっこいい」や「オシャレ」と言ってもらえて、とても励みになりました。赤をどの部位に入れるかかなり迷いながら制作していたので、「各所、赤の入れ方がかっこいい」というコメントが特にうれしく印象に残っております。

――purasさんクラスのモデラーさんになると、周囲の期待もプレッシャーに感じることがあるんですね。色味と合わせて、本作はポージングも非常にかっこいいですね。
purasありがとうございます。実は一番のこだわりは腹部の露出です。装甲を思いきって外してマッシブな雰囲気にするとともに、内部フレームの違和感をなるべく出さないような配色、ディテールアップを意識しました。胸部の装甲は一部切断しているのですが、パーツ切断は滅多にしない作業という事もあり調整に苦労致しました。

――purasさんがいつもおっしゃるガンプラを“いきいき”させる表現ですね。
purasそうですね。ガンプラが生きているように撮影・展示する上でポージングはやはり大切だと、現在に至るまでとても強く感じております。肘の曲げ角度や締め方、足の開き量等、数ミリメートル角度が変わっただけで雰囲気が変わりますので、納得いくまで微量なポージング調整を実施し、納得のいった撮影写真のみをSNSに投稿するようにしています。

――すばらしいこだわりですね。では最後に今後の構想、モデラーとしての野望があれば教えてください。
puras今後は、時短で見ごたえあるキットを制作出来るような“簡単フィニッシュ”の技法をより模索し、仕上げ方法の引き出しをたくさん増やしていくと同時に、SNSを通じて技術の発信ができるような存在になっていけたらと考えております。

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