「indigo la End」「ゲスの極み乙女」「ジェニーハイ」など様々なバンドで、ボーカル・ギターを担当し音楽活動を行う川谷絵音と俳優の萩原みのりがダブル主演として名を連ねる映画『ゼロの音』（ぜろのおと）が、動画配信サービス「Hulu」で独占配信中。演技経験はあったものの映画の主演に初挑戦した川谷。「良い意味でどんな感じになるのか想像ができなくて」と、逆に興味が湧いたという萩原。短くも色濃い撮影の日々をともに振り返った。

　『ゼロの音』は、Huluによる新世代映像クリエイター発掘＆育成プロジェクト「Hulu U35 クリエイターズ・チャレンジ」の第1回グランプリ受賞者、老山綾乃が脚本・監督を務めた長編作品（Huluにとっても初のオリジナル映画作品）。

　物語は、病によって音楽の道を絶たれた青年が、憧れの人の死に直面したことをきっかけに人生を再生していくハートフルドラマ。川谷が、チェリストの道をあきらめ、市役所の生活福祉課で働く青年・大庭弦（おおば・げん）を演じ、市役所の同僚・上国料いと（かみこくりょう・いと）を萩原が演じている。

毎年、何か新しいことを始めるようにしている

――出演を決めた理由は？

川谷実は監督から直筆の手紙をいただいたんです。手紙を通して監督の熱意が伝わってきて、その気持ちにちゃんと応えたいと思いました。それが一番大きかったです。幸い楽器を扱う作品だったことと、ジストニアという自分の身近にある題材を描いていたので、やってみようと思いました。

萩原いただいた脚本のラストシーンが好きで、このシーンを演じてみたいな、と思いました。川谷さんが主演と伺い、市役所で働いてる姿がまったく想像できなくて、とても興味を持ち、ぜひ参加したいと思いました。

――川谷さんはチェロを演奏した経験はあったのですか？

川谷チェロの経験はなかったのですが、ちょうど昨年から趣味でバイオリンを始めていたんです。チェロとバイオリンは全然違いますし、普段弾いているギターとも違いますが、どれも弦楽器ということで心理的ハードルは低かったと思います。撮影に入るまで毎日弾いて、かっこいい海外のチェリストを見つけて、その人の動画を見て参考にしていました。今となってはバイオリンよりチェロの方が弾けるようになりました。

――趣味でバイオリンを始めていたんですね。

川谷毎年、何か新しいことを始めるようにしているんです。ある程度、自分自身で仕事のペースを管理できるようになってくると、どんどん楽な道ばかりを選択しそうで（笑）。勝手に自分で自分に枷をつくって、できなかったことができるようになるのを楽しもうと思っています。

――チェロ監修の奥村景さんは、川谷さんの上達ぶりに驚いていたそうで、本番では「曲の雰囲気に合わせ情熱的に演奏するまで仕上がっていた」と太鼓判を押されていました。萩原さんはご覧になっていかがでしたか？

萩原冒頭のコンサートホールで弾いているシーンの現場にはいなかったので、完成した映画で初めて観たのですが、本当にかっこよかったです。元々、弾ける人だったんじゃないかと思ったほどでした。

――練習した甲斐がありましたね。

川谷準備期間が限られていた中では頑張ったほうなのかもしれません。普通に演奏するよりも、ジストニアの症状が出て、だんだん弾けなくなっていくお芝居の方が難しかったです。

Huluオリジナル 『ゼロの音』

才能あるチェリストの大庭弦（川谷絵音）は局所性ジストニアと診断され、これまでのようにチェロを弾けない身体になった。受け入れられない弦は、自ら音楽の道を諦める。市役所の生活福祉課に中途採用されるも、無為な日々を過ごしていた。ある日、同僚の上国料いと（萩原みのり）とともに訪問した家で、憧れていたチェロの巨匠・徳永治（山路和弘）と偶然出会う。弦といとと徳永の3人による信頼か?築かれはし?めた矢先、徳永はチェロを残して、この世を去ってしまう。身寄りのない徳永のチェロが処分されてしまうことを知った弦は、ある衝動的な行動を起こす。 弦の行動を知ったいとは、弦を追いかけるのた?か?…。弦は、いとや徳永、そしてたくさんの人たちとの出会いを経て、音楽を失ったという心の穴と対峙し、これからどうやって生きていくかを模索する。その答えにたどり着いたとき、物語は意外な結末を迎える。

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  （左から）萩原みのり、老山綾乃監督、川谷絵音

出演：
川谷絵音　萩原みのり
朝井大智　奥村佳恵　関谷奈津美
池田良　山野海　駒木根葵汰
片岡礼子　山路和弘
監督・脚本：老山綾乃
製作著作：HJ ホールディングス
制作：東京テアトル
制作プロダクション：ステューディオスリー
（C）HJホールディングス
hulu独占配信中