ORICON NEWS
mixi、今なぜ再注目? “オワコン”の声に運営側「危機感はなかった」 Z世代を魅了する国産SNSゆえの“ある”独自性
Twitter日本参入は一つのターニングポイント…「急にmixiの人気がなくなったかと言えば、まったく逆の状態だった」
ちなみに遡ること2008年、Twitterの日本語版がスタートし、Facebook、そしてInstagramなどSNSは戦国時代に入った。その頃からだったろうか。「mixi離れ」という言葉が使われ始めたのは。これに関して、同社事業部部長の渡部氏は「運営側としては、そういった言葉があったことは知っていたが、それほど危機を感じていなかった」と語る。
「確かにTwitterの日本参入は一つターニングポイントではあったのですが、そこで急にmixiの人気がなくなったかと言えば、まったく逆で引き続きユーザーは増えている状態でした。Facebookが始まった時も数字で見るとユーザー数は変わっていない。ゲーム『モンスターストライク』でmixiは持っているなんて声もありましたが、当時は『モンスト』=mixiと認識している方も少なかったです。mixiはつぶやき・日記・コミュニティ・ゲーム・レビューなど様々なコミュニケーション機能がある総合SNSとして、ユーザーそれぞれのニーズに合わせて活用していただいております」(渡部氏/以下同)
とは言え、ユーザー視点で見れば、ユーザー自体は存在しても、アクティブユーザーが減少しているという印象は拭えない。これが元で「mixi離れ」という言葉が生まれた。また巷でも他SNSの普及によって、「mixi」というワードは聞かれなくなった。ネット掲示板では「オワコン」という心無い言葉もあった。ところがここに来ての再注目だ。mixi側としてはどのように捉えているのだろう。
競合SNSの普及により「親が使っているものは使いたくない」 若者世代からの反発心が再注目の要因に
渡部氏はこの現象をmixiの特性を踏まえてこう分析する。「パブリックなソーシャルメディアの場合、それを活かした楽しさがあるが、突然、意図しない注目を浴びてバズったり、炎上したり、そうした怖さがあったのではないでしょうか。一方でmixiは基本的に相互承認でマイミクになり、仲のいい人たちと情報交換をする場。拡散機能もないですし、つぶやきや日記の公開範囲と制限をかけられる。故にある種の“ゆるさ”があり、このゆるい感じが、Z世代にとっては新しいSNSとして、もしくはこんなサービスがあるのを知らなかった、逆に他の若い人があまり使ってないのでその優越感、ということで注目を受けたのではないかと思われます」
また去年の夏、今年の冬と、Twitterでは「凍結祭り」と呼ばれる現象が起こり、多くの人がアカウントを凍結される事件があった。それがTwitterトレンドに昇るほど話題になり、Twitterユーザー間でも「怖い」「凍結されたのかフォロワーが大幅に減った」といったツイートが多く見られた。国産であるため、窓口も日本語対応という安心感も注目が集まった可能性がある。
「あとは若い方特有の発想で、“親が使っているものは使いたくない”という反発心もあったかもしれません。親世代がFacebookやTwitterを主に使っていた場合、mixiという選択肢が上がった可能性もあります。また新社会人になり、これまでのSNS以外でコミュニケーションをとる際、会社の人とつながるのはここ、プライベートはここといった多様化の1つにmixiが選ばれることもあるように感じます。」
とはいえ、ゼロ年代に栄華を誇っていたかに見えたmixiだが、TwitterやFacebook、Instagramなど多くのSNSが海外から入ってきた時に危機は感じなかったのか。
「複数のSNSを使い分ける人が非常に増えていることもあり、利用時間も分割され、そういった形でログイン頻度が減ったのは事実。しかしヘビーユーザーもいらっしゃるのは事実ですし、単に時代が変わったと弊社では捉えています」