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黒木華×吉田羊、芝居という“共通言語”で深まる仲 映画『イチケイのカラス』で共演

 連続テレビ小説『純と愛』(2012年/NHK)での初共演から親交を深めてきた俳優の黒木華と吉田羊。“中目黒デート”をスクープされたこともある。舞台に映像に縦横無尽の活躍をみせる役者同士、お互い共感することやリスペクトすることが多いというふたりだが、芝居でがっつり絡むのは映画『イチケイのカラス』(公開中)が「初めて」と語る。

(左から)黒木華・吉田羊(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

(左から)黒木華・吉田羊(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

――おふたりはプライベートでも親交があると伺いました。

吉田写真を撮られたことがありました、中目黒で(笑)。

黒木ありましたね(笑)。

吉田華さんから「写真撮られました」と連絡が来て、「(相手は)誰?」と思わず聞き返してしまいました。そうしたら、「羊さんと」って。

――初共演は『純と愛』だったと思いますが…。

吉田そうですね、かれこれ10年の付き合いになりますが、『純と愛』の時は共演シーンがあまりなくて、現場で会うことはほとんどなかったんですね。でも、連絡先の交換はしていて。その後、華さんがベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞した時(2014年)に、「おめでとう」とメールをして、「今度、ご飯行きましょう」とお誘いをして、それからですね、時々、飲みに行くようになったのは。

――「おめでとう」と言わずにはいられなかった?

吉田そう、すごくうれしかったですし、純粋にすごいなと思って。

黒木羊さんがほめてくださって、私もうれしかったです。お姉さまではあるのですが、飾らない感じがたまらなく心地よくて、気の置けない友達であり、ちょっと身内感がありますね。連絡を取り合わなくてもなんとなくつながっている安心感があります。

――気が合ったんですね。

吉田華さんも私も、お芝居が好きですし、特に舞台をやるのも、観るのも好きなので、共通言語がある感じ。話していて楽しいですし、一緒にいて心地良いんですよね。

(左から)黒木華・吉田羊(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

(左から)黒木華・吉田羊(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

――映画『イチケイのカラス』で共演していかがでしたか?

吉田『純と愛』の後、『凪のお暇(いとま)』(19年/TBS)でも共演していますが、一緒のシーンはそれほど多くなかったんですね。華さんとがっつりお芝居をすることができたな、と実感が持てたのは今回の『イチケイのカラス』が初めてでした。華さんの現場の居方、佇まいを見られたのはすごく新鮮でした。カメラが回っていないところでも“坂間千鶴”だったんです。スタッフさんとのしゃべり方や雑談の雰囲気さえ、私が知っている“黒木華”ではなく、“坂間千鶴”の芯が残っている。そのギャップを楽しんでいました。プライベートで会った時の、ホワンとした雰囲気でお酒を飲む“黒木華”とは別人。役者なんだから、当たり前といえば、当たり前ですけど、改めて、尊敬のまなざしで見ていました。

――『イチケイのカラス』は2021年4〜6月に連続ドラマが放送され、ファン待望の続編、しかも映画化となりましたが、すぐに坂間千鶴に戻れましたか?

黒木普段の私は多少せっかちなところはあるのですが、体内時計はわりとゆったりめ。それをフル回転させないと坂間には戻れないので、久しぶりに坂間としてせりふを発した時は口が回らなくて(笑)。でも、あの髪型にしてスーツを着て、みちお(竹野内豊)をはじめ『イチケイ』メンバーとお会いしたら、自然と坂間に戻ることができました。

メイキング写真(C)浅見理都/講談社 (C)2023 フジテレビジョン 東宝 研音 講談社 FNS27社

メイキング写真(C)浅見理都/講談社 (C)2023 フジテレビジョン 東宝 研音 講談社 FNS27社

――今回は、キャラクターはそのままに他職経験で弁護士として登場します。そういう制度があることを初めて知りました。

黒木私もです。裁判官の他職経験制度というものを知らない方がほとんどだと思うので、それをテーマにしてるのはすごく面白いと思いました。坂間のように弁護士などの法律関係の仕事につく方が多いらしいのですが、スーパーの店員さんなど、何でもいいそうです。原則2年間、違う職務を経験することで、人や社会について学び、法曹として成長する糧にする。すごく大事なことだと思いました。坂間は岡山県日尾美町で弁護士として活動する中で、町の人たちと出会い、正義は一つじゃない、ということをまた一つ知っていく。坂間も私もすごくいい経験をさせていただきました。

――今回は走ったり、自転車をこいだり、土を掘り返したり、よりアクティブな坂間が見られますね。

黒木撮影中は、本当によく走りましたし、体を使いましたね…。坂間が動くことで、弁護士の月本信吾(斎藤工)や日尾美町、「シキハマ株式会社」の人たちも動いていくという展開だったので、坂間が成長していく姿も見ていただけたらうれしいです。

坂間千鶴(黒木華)(C)浅見理都/講談社 (C)2023 フジテレビジョン 東宝 研音 講談社 FNS27社

坂間千鶴(黒木華)(C)浅見理都/講談社 (C)2023 フジテレビジョン 東宝 研音 講談社 FNS27社

――今回、吉田さんが演じた小早川悦子は、日尾美町のマドンナ的存在で、「シキハマ株式会社」の産業医。坂間は、馬が合い、姉妹のように仲がいいという設定になっていますが、お二人にぴったりですね。

吉田我々がキャスティングされたからそういう設定にしていただいたのでしょうか?

黒木そんな気がしますね。制作陣がそういう設定にあえてしてくださったのかなって。

吉田坂間と悦子が気を許し合った仲ということが、後半の展開に効いてくる。

――坂間と悦子が法廷で向かい合うシーンもありますね。

吉田そうですね。華さんが私の芝居を全部受け止めて、お芝居で返してくださり、とても心奮わされました。信頼関係があってこそ成り立つお芝居ができて、本当に楽しかったです。

小早川悦子(吉田羊)、悦子の旦那で町役場の職員・小早川輝夫(宮藤官九郎)(C)浅見理都/講談社 (C)2023 フジテレビジョン 東宝 研音 講談社 FNS27社

小早川悦子(吉田羊)、悦子の旦那で町役場の職員・小早川輝夫(宮藤官九郎)(C)浅見理都/講談社 (C)2023 フジテレビジョン 東宝 研音 講談社 FNS27社

――テレビシリーズはいち視聴者としてご覧になって、映画版で初めて参加したからこそ気づいた『イチケイのカラス』の魅力は?

吉田実際に竹野内さんとお芝居を交わしていると、この人には嘘をつけないな、という気持ちに自然となっていったんです。これが竹野内さんの魅力であり、竹野内さんが演じる入間みちおの魅力なんだろうな、と思いました。連続ドラマでゲストの皆さんが最後に真実を吐露していく場面に説得力があったのは、こういうことだったんだな、みんな竹野内さんに語らされてきたんだな、というのを実感しました。

――またおふたりが共演する作品をみたいです。

黒木私もです。羊さんとは常にご一緒したいな、と思っています。

吉田できれば舞台で、2人芝居なり、3人芝居なり、少ない人数でがっつりお芝居がいつかできたらいいですよね。まずはこの映画をたくさんの方に観ていただいて、おっしゃっていただいたように、このふたりの掛け合いがまた観たいいという声がたくさん挙がれば叶うかも。

黒木そうですね。今後もお互い仕事に励みながら、プライベートの楽しい時間も共有していけたらうれしいです。

(左から)黒木華・吉田羊(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

(左から)黒木華・吉田羊(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

予告編

竹野内豊 黒木華 
斎藤工 山崎育三郎 柄本時生 西野七瀬 田中みな実
桜井ユキ 水谷果穂 / 平山祐介 津田健次郎 八木勇征
尾上菊之助 宮藤官九郎
吉田羊 向井理 小日向文世

原作:浅見理都「イチケイのカラス」(講談社モーニングKC)
監督:田中亮(『コンフィデンスマンJP』ほか)
音楽:服部隆之
※「隆」は正しい文字が環境により表示できないため、「隆」を代用。
脚本:浜田秀哉

公式サイト:https://ichikei-movie.j

(C)浅見理都/講談社
(C)2023 フジテレビジョン 東宝 研音 講談社 FNS27社

(C)浅見理都/講談社 (C)2023 フジテレビジョン 東宝 研音 講談社 FNS27社

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