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【宮澤エマ×糸井重里スペシャル対談】“鎌倉殿ロス”真っ最中の2人が明かす『鎌倉殿の13人』の魅力、「もう一度観たくなる」理由とは?
“鎌倉殿ロス”真っ最中の2人が語り尽くし! ディープな魅力を徹底解説
25回連続でTwitter世界トレンド1位、理由は三谷幸喜が仕掛けた“宝探し”にあり?
宮澤エマ 一般の方々や違う仕事の現場の方も、「実衣ちゃん、良かったよ!」、「毎週『鎌倉殿』を見るのが楽しみになってるよ!」と声をかけてくださって。すごく熱を持ってお話ししてくださる方が多くて、本当に国民的なドラマなんだとあらためて実感しました。
――Twitterでは、25回連続で世界トレンド1位になったことも話題に。
宮澤エマ みなさんが想像力を働かせて、描かれていない部分のことを考えたり、考察もたくさん投稿されていると聞きました。実衣の衣装についても「30回以降は禍々しい赤になった」とおっしゃる方が多くて、衣装さんと「そんなことないのにね?」って驚いていたんです(笑)。
宮澤エマ そのとおりですね。「『修善寺』の回のタイトルは善児にかかっている」という考察もありましたが、三谷さんは「僕は全然意図してない」とおっしゃっていました(笑)。
糸井重里 三谷さんは脚本が遅いと言われるけど、きっとみんなが観ている速度に合わせたいんじゃないかと思うんですよね。反応によって描き方を変えて、観た人がそれを味わったり、喜んだり、怒ったりしているのを楽しんでいるんでしょう。
【1:北条義時】わかりやすく応援されない主人公、でも「小栗旬はすごかった」
糸井重里 こういう場では北条義時役の小栗さんのことは言わないほうが通っぽいのかもしれないけど、僕は今日、「小栗旬はすごかった」としつこく言う役をしようと思って(笑)。これだけ群像劇になると、メインが褒められる機会は少なくなるんですけどね。ブラックとか闇とか言われるけれど、今の理想のリーダー像とは違うし、「そこはわからなくていいよ」というのを、ものすごく理解してやっていた気がするんです。セリフの分量は多くないのに、目の演技とか、光の当て方なんかで、内面的な変化を表現している。
宮澤エマ こんなに「わかりやすく応援されない主人公」というのは、つらかったのではないかと思います。現代で言う“闇落ち”どころじゃないかもしれないけれど、完全に悪人になるということでもない。その匙加減をものすごく考えていらっしゃったのではないかと。小栗さんが芯として存在してくださったことで、周りが輝けるようになるという状況がいかに贅沢なことかを実感しました。
【2:源頼朝】存在感がその後を左右「亡くなってからが本当のスタート」
宮澤エマ 三谷さんも、「頼朝が亡くなってからが本当のスタートだ」とおっしゃっていて。でも頼朝がちゃんと存在しないとそのあとが活きないし、義時にとっていかに大きいかを示せないんですよね。ただ、そのために最初の20数回は義時の影がすごく薄いんですが(笑)。
糸井重里 本当に、登場人物の数だけ語れますね(笑)。
宮澤エマ “キャラ推し”できる…という言い方が正しいかわからないですが、観た方それぞれに刺さるキャラクターが違うんじゃないかと思っています。中盤ころに亡くなった畠山重忠(中川大志)も素敵だったし、源頼家(金子大地)の死もすごかったし、どこまでも話せそう(笑)。本当に今回、歴史上には名を残さなかった人たちの生き様に、ものすごく愛が注がれた物語だと思っていて。この観点で最後まで描いてくださったこともうれしい反面、感情移入するとすごくつらい展開がたくさんありました。
【3:北条政子】描くのも演じるのも難しい政子、とにかく女性陣が面白い
宮澤エマ 三谷さんは新しい政子像を築き上げようとなさったのではないかと思います。それを小池栄子さんは一身に受け止めて、栄子さん自身のピュアさや芯の強さが政子とダブって、ときに見せる弱さや繊細さがすごくリアルで。耐え、許し続け、いつも渦中にいて、どんどん権力を持っていく役。「欲しくないと思ってた人がどんどん力を持ち、欲しいと思ってた人がみんな消えちゃう」というようなセリフもあるのですが、まさにそうなんですよね。終盤に有名な政子の演説もありましたが、これこそが『鎌倉殿』の政子、でしたよね。いきなり歴史上の人物になるのではなく、地続きであの政子がこの演説をするに至ったんだ、と感じさせる場面でした。栄子さんにしか持てない説得力がありました。
糸井重里 そのキャスティングを始める前から三谷さんは考えてたってことですから、恐ろしいですよね(笑)。今回、とくに女の人たちにどういう役をあてがうかというのは、本当に面白かった。この人以外にはないな、と思わせてくれました。
糸井重里 実衣にもそういう部分がありますね。
宮澤エマ はい。そもそも第1回で実衣は9歳だし(笑)、前半戦も茶々やツッコミを入れたり、姉上のそばで達観しているようなキャラクターで。それが、愛する人を奪われ、政治のど真ん中に追いやられたことが、大きなターニングポイントになる。そうした変化を演じられたのも、大きかったですね。三谷さんの、人生は悲劇であり喜劇であり、恋愛もので人情もので…というすべてを、それぞれのキャラクターが担うシーンがあったと思います。だからこそ、役者冥利に尽きるというか、実衣を演じられたことがうれしかったです。
5年後、10年後も色褪せない…「オンデマンドでこの作品が生き続けるのは喜び」
宮澤エマ すごく有名な方が知らないキャラクターを演じていたり、その逆もあるので、前情報が一切なくても観られるのはいいなと思います。あと、メインどころのキャラはいつも同じですから、ほかの大河ドラマに比べると登場人物が少ないと思うので、歴史ものに苦手意識がある方にも観やすいと思います。
糸井重里 全48回だから、海外のドラマと同じような感覚で、7回ずつ7シーズンの連ドラみたいなものですよね。
宮澤エマ そうですね。気軽に観られるのはすごく便利。オンデマンドでこの作品が生き続けるのは喜びですし、5年後、10年後も色褪せることはないと思います。こうして多くの人に観ていただけるチャンスがあるのは、出演者としてはうれしいですし、ぜひまとめて観ていただきたいと思います。
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