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坂東工の“アメリカ週6日ワゴン暮らし” 作品作りの原点となる出会いと経験があった【バチェラー連載特別編】
『バチェラー・ジャパン』シリーズ参加者の「今」について追求する本連載の特別編となる今回は、坂東氏のキャリアや生い立ち、アーティストとしての一面にフォーカスし、等身大の姿に迫る。
なにかそういう流れが僕の人生の中でずっと起きている
坂東活動を広げようと思ったことはありませんが、自然に広がっていきました。人からこんなことをやってくださいと言われたら「ノー」と言えない性格なんですよね。アーティストなんて、全然知らないセレクトショップで声をかけられたことがきっかけではじめたんですよ。僕が作った革の腰巻きを指差して、欲しいから作ってくれといきなり声を掛けられましたが、実はその女性は、そのお店のオーナーでした。名刺を交換したときに「あなたの作品はとても良いので、今度私が出すお店に置きなさい」と言ってくれて、1ヶ月後くらいには僕の作品がいきなり渋谷の西武デパートに並んでいました。なにかそういう流れが僕の人生の中でずっと起きているんです。
――成り行きとは言え、それぞれにスキルが必要なことだと思います。もともと学んでいたのでしょうか?
坂東学んでいませんし、今も、できていないですよ(笑)。例えば僕は映画や大河ドラマの衣装なども作らせて頂いていますが、実はそれまで作ったことがありませんでした。ものごとには理(ことわり)というものがあるのですが、最初はそれを知るために動画を見たりしていましたね。会社経営も経験がないので、やってみてから考えようと思って。革もどうやってなめしたらいいか分からないので、いろんな方法を試してみるんです。文献を読んだり勉強をしたりせずに、最初からなめしてみる。もちろんそれで失敗することもあります。でも失敗から派生して、これまで誰も挑戦しなかったようなことが起きていく。素人が挑戦することによって、プロにはわからない味みたいなものを出していけるのではないかと思っています。
坂東僕は、アートを通して自分を表現したいと思ったことはありません。自分の思いを主張するようなアートって世の中にたくさんあると思いますが、僕はそうしたことには興味がないんですよね。意図的なもの、恣意的なものを一切排除すると、そこには世の中との調和の中で産み出されるエネルギーの循環のようなものがある。僕はそれをちょっとだけ切り取ってアートにするというコンセプトで描いています。