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佐久間宣行の「人材発掘術」、変わりゆくテレビ界とマンガ界の共通点は?【佐久間宣行×LINEマンガ スペシャル対談】

 これまで、芸人をはじめ数々の才能を見出し、世に送り出してきた名物プロデューサー・佐久間宣行氏。その手腕は、業界内外から高く評価されている。一方、電子コミックサービス『LINEマンガ』では今年、まだ見ぬ才能を発掘するためにオリジナルマンガ作品を公募するコンテスト『LINEマンガ インディーズ大賞’22』を開催することを発表。テレビ界とマンガ界、フィールドは違えど変化の真っただ中なのは同じ。佐久間氏と、LINEマンガ編集部の統括や作家発掘を手掛ける小室稔樹氏が対談し、互いの業界の“発掘術”を語り合った。

『ゴッドタン』がLINEマンガにも影響?「冒険できる」人材発掘

佐久間宣行

★プロ・アマ不問、1ページから応募できる『LINEマンガ インディーズ大賞'22』とは?(外部サイト)
  • ■佐久間宣行(さくまのぶゆき):『ゴッドタン』『あちこちオードリー』などを手掛けた名物テレビプロデューサー。ラジオパーソナリティ、作家など活躍は多岐にわたる。2021年にテレビ東京を退社しフリーで活動中。

    ■佐久間宣行(さくまのぶゆき):『ゴッドタン』『あちこちオードリー』などを手掛けた名物テレビプロデューサー。ラジオパーソナリティ、作家など活躍は多岐にわたる。2021年にテレビ東京を退社しフリーで活動中。

  • ■小室稔樹(こむろとしき):LINE Digital Frontier株式会社所属。コンテンツアクイジション推進室室長、インディーズ企画運用チーム部長。「LINEマンガ」編集部の統括、「LINEマンガ インディーズ」で作家の発掘業務等を担当。

    ■小室稔樹(こむろとしき):LINE Digital Frontier株式会社所属。コンテンツアクイジション推進室室長、インディーズ企画運用チーム部長。「LINEマンガ」編集部の統括、「LINEマンガ インディーズ」で作家の発掘業務等を担当。

小室稔樹 今回『LINEマンガ インディーズ大賞’22』という企画を考えたときに、僕はぜひ佐久間さんに“人材発掘”についてのお考えを伺いたかったんです。というのも、佐久間さんがこれまで発掘されてきた芸人さんって、それ以前から活動してきていたわけですよね。

佐久間宣行 そうですね。僕が20代の頃から通い始めたライブハウスには、まだメディアには出てないけれど、尖った面白い表現をしてる人たちがゴロゴロいて。単純に「こういう芸人が売れる世の中のほうが自分は好きだな」と感じたのが、一緒に仕事をするようになったきっかけでした。

小室稔樹 『LINEマンガ インディーズ大賞’22』に応募してくれるであろうマンガ家さんも、すでに作品を描いたことのある方が多いと思います。ただ一般的にマンガが連載に至るまでには、編集会議の場で複数人の承認を得ないといけない。1人が強く押しても連載を勝ち取れないこともあるんです。そのシステムに、僕はすごく疑問を感じていて──。テレビの世界ってどうなんですか?

佐久間宣行 番組の規模によりますね。『ゴッドタン』(テレビ東京系)などは僕がプロデューサーと演出を兼ねているから、わりと冒険ができる。極端な話、僕しか面白さがわからない芸人さんでも出しています。

小室稔樹 『ゴッドタン』きっかけでブレイクした芸人さんが多いのは、その人に強い愛情を持っている個人、佐久間さんが承認者というのも大きかったんじゃないかと。僕自身も似たような思いがあり、LINEマンガ インディーズにある才能の出先として、2019年9月に「トライアル連載」というシステムを作りました。そこでは、1人でもプッシュするインディーズの編集担当者がいれば、連載会議もなく、原稿料をお支払いした上で12週間の連載をしていただける。そうしたら、トライアル連載からどんどん本連載をつかんだり、外部の賞を取ったりする才能が出てきたんですよ。

佐久間宣行 インディーズという場に満足してないマンガ家さんにとっては、めちゃくちゃチャンスですね。

マンガ家も芸人も活動の場が多様化、考えるのは「その人の将来にとって何が幸せか?」

佐久間宣行 ただ最近は、SNSで自由に作品を発表する人も多いですし、マンガ家の活動も多様ですよね。芸人の世界も同じで、YouTubeもあり、テレビで活躍することだけが成功の道筋ではなくなってきています。

小室稔樹 佐久間さんでも、「自分が手掛けないほうが、この芸人さんにとってはいいのかも」と考えることはありますか?

佐久間宣行 ありますよ。番組に出ることで知名度を上げたい芸人もいれば、ネタを極めたいのに番組でイジられることでキャラが壊れてしまう芸人もいる。「どんな紹介の仕方がその芸人の将来にとって幸せなのか?」ということは常々考えてきたつもりですが、近年はより大事になっていますね。

小室稔樹 マンガの世界と似ていますね。近年は、契約や連載に縛られるよりも、好きなときに投稿したいというマンガ家さんもいて、その場合は僕らもあまり強くお声がけはしないんです。ただ、連載が自分に向いてるのか、それともストレスなのか、それを自身で判断していただくという意味もトライアル連載にはあって。12週間の連載後、読者数などの状況を見てLINEマンガと作品のマッチングが成立しないと判断すれば、作品の独占掲載権などもLINEマンガは主張しませんので、SNSで発表するのも別の媒体に持ち込むのも自由です。

佐久間宣行 へえ、それはすごく優しいシステムですね。

メジャーで勝負する意味は?「“自分のスウィング”をいち早く身に付けられること」

★『LINEマンガ インディーズ大賞'22』応募・詳細はコチラから!(外部サイト)
小室稔樹 ただ連載となると、やっぱり読者さんが毎週待っているわけで。活動スタイルが多様になった今、プロとアマチュアをどこで線引きするのか、というのはすごく難しい。締切も含めて、社会人としての責任感もプロの条件の一つかなと思うのですが。

佐久間宣行 同じように、芸人でもいろんなタイプがいて。つまらないことは絶対にやりたくないという人もいれば、自分のキャラを殺してでも番組を成立させようとする、もはやフロアディレクターの域に達してる人まで。僕はどっちもプロだと思うんですね。ようは“プロとしての矜持”を持つこと自体が、プロとアマチュアの違いなのかなと思いますね。

小室稔樹 僕はいいなと思った作品はできるだけ多くの人に紹介したいので、ぜひプロになってほしいんです。でもこれだけ活躍の場が多様化している今、メジャーフィールドで勝負する意味はどこにあるのか、その辺はどう思いますか?

佐久間宣行 “自分のスウィング”をいち早く身に付けられることじゃないですかね。マンガ家だったら作風、芸人だったら芸風みたいなもので、まず自分のスウィングを見つけるまでには何度もバットを振らなきゃいけない。それも闇雲に振り回すんじゃなくて、時代の空気と自分のコアの武器をすり合わせながら、プラスもマイナスもいろんな評価をもらいながら振り続けるしかない。そういった実験と検証の先で、自分なりのスウィングが身に付くのだと思います。毎回150メートル級のホームランは出せないにしても、安定した飛距離を打てるようになると思うんですよ。

小室稔樹 打席に立つチャンスも、メジャーフィールドの方が格段に増えますよね。

佐久間宣行 そうなんです。マンガなら媒体での連載、芸人なら賞レースとか。ちなみに近年の賞レースで勝っているのは、自前の劇場を持つ事務所の芸人が多いんです。

小室稔樹 なるほど、それだけたくさんのお客さんの前=打席に立ってきていると。

佐久間宣行 だから吉本やSMAの芸人は強い。ハリウッドザコシショウや錦鯉も賞レースから出てきましたよね。

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