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“子役出身”はもはや足枷ではない? “劣化”と揶揄されず活躍する俳優が増えた背景

  • 子役時代以上の活躍を見せる芦田愛菜、前田旺志郎、伊藤沙莉、加藤清史郎

    子役時代以上の活躍を見せる芦田愛菜、前田旺志郎、伊藤沙莉、加藤清史郎

 芦田愛菜、神木隆之介、まえだまえだの前田兄弟など子役からデビューし、今もなお活躍している俳優が増えてきた。これまでは子役でブレイクすると、その当時のイメージに引きずられ、大人になるにつれ徐々に人気に陰りが見えるケースもあった。昨今の子役出身者たちはいかにして“悲しき宿命”から脱却を遂げていったのか。

「役者としての使われ方が変わる」 “子役”としての評価が俳優生命を縮めるジレンマ

  • 子どもの頃から変わらぬ美しい風貌も注目の一つに。安達祐実(photo:逢坂聡(C)oricon ME inc.)

    子どもの頃から変わらぬ美しい風貌も注目の一つに。安達祐実(photo:逢坂聡(C)oricon ME inc.)

 子役出身で現在も活躍している筆頭といえば安達祐実。2歳でデビュー。10歳でテレビCM「ハウス食品・??工房」で注目を集め、「具が大きい」というフレーズは流行語に。その後も順調に活躍し、1994年、テレビドラマ『家なき子』(日本テレビ系)では主人公に抜擢。12歳とは思えない演技力で脚光を浴びた。

 今でこそ、「子役の頃からイメージが全く変わらない」とその変わらぬ容姿が注目されているが、「見た目年齢と実際の年齢が合わないことで、使いづらかったのか、役が全然ない時がありました」(2018年5月18日放送「ダウンタウンなう」(フジテレビ系)より)と語っていた。

 70〜80年代“子役ブーム”の先駆けとして活躍してきた杉田かおるやアラフィフで“毒舌キャラ”としてバラエティで再ブレイクした坂上忍は、子役でブレイク以降は、俳優業で同じような活躍することはできず、徐々に仕事が減っていったという。
  • 高校生ぐらいになると、俳優としての仕事が徐々に減ってしまったこともあったと以前インタビューで話していた須賀健太(photo:田中達晃/Pash(C)oricon ME inc.)

    高校生ぐらいになると、俳優としての仕事が徐々に減ってしまったこともあったと以前インタビューで話していた須賀健太(photo:田中達晃/Pash(C)oricon ME inc.)

 ドラマ『人にやさしく』(2002年フジテレビ系)で香取慎吾、松岡充、加藤浩次らと共演し、注目を集めた須賀健太も「子役にはよくある話なんですけど、高校に入ると仕事が少なくなるんですよ。役者としての使われ方が変わる、難しい時期なんでしょうね。僕も実際に経験して、高校時代は仕事が減ってしまったんです」と過去のインタビューで語っている。

 「“子役”というのは特殊なジョブ」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「子どもであるがゆえに“子役”。子役には中高生…つまり、子どもから少年少女になってしまうと子役としての仕事は減ってしまうジンクスがあり、ゆえに『消えた』という心無い表現に見舞われます。『キッズ・ウォー』(1999年TBS系)でその名を馳せたイケメン双子子役の斉藤祥太・慶太さんはスポーツインストラクター、解体業や塗装業、ガス配管などのアルバイトをしながら俳優活動を。『人間・失格』(1994年TBS系)での怪演が話題だった黒田勇樹さんも一度芸能界を離れてアルバイトをしたことを明かしています」(衣輪氏)

分別がつかない子ども時代にブレイクするからこそ、重要なのは“大人の役割”

  • ドラマ『全裸監督』では体当たりの演技を見せた恒松祐里 (C)ORICON NewS inc.

    ドラマ『全裸監督』では体当たりの演技を見せた恒松祐里 (C)ORICON NewS inc.

 天才子役”としてブレイクしたがゆえの宿命がある一方で、彼らが波乱の人生を歩んでしまわないためには、彼らを守る親や事務所などの周りの大人たちの存在が重要になってくる。一番有名な例でいえば、映画『ホーム・アローン』で主演を飾り、10歳にして世界的な注目を浴びたマコーレー・カルキン。一躍スターとなったものの、ギャラをめぐって両親が裁判を起こした影響でカルキンは子役を引退。以降は薬中毒疑惑や激ヤセぶりが報じられた。この背景には、ブレイクした結果ギャラが高額になり、自分の意志がつく前の未成年にして一家の大黒柱として働かざるを得ない状況があったと考えられる。

 “守られる”存在のはずが“守る”役割を課され、役者、あるいは芸能しか選択肢がない状態に…。ほか、恒松祐里のようにレッスンや撮影のため、同級生たちとのコミュニケーションという“普通”のことができず、大人や子役ら芸能人たちの付き合いばかりになってしまうケースもある。「分別のつかない所に大金を持っていることで悪い大人たちが寄ってきて、最終的にその子役の人生を壊してしまうというエピソードも海外ではよく聞かれる話」(衣輪氏)。
「1999年の映画『シックス・センス』で注目された子役ハーレイ・ジョエル・オスメントも飲酒運転、激太り、空港職員に暴言を吐いて警察が出動するといった悲惨な現状に。『ターミネーター2』(1991年)のエドワード・ファーロングも薬物・アルコール依存やDVで逮捕。1970〜80年代に人気だったドラマ『アーノルド坊やは人気者』のゲーリー・コールマンは、自己破産、DVなどが報道され、最終的には2010年、自宅で頭部を強打し、42歳という若さでこの世を去っています」(衣輪氏)

 また安達祐実のように、『家なき子』などに出演していた中学時代、実生活でも陰湿ないじめや嫌がらせを受け、引きこもりになってしまったパターンや、成長によって「劣化」などの誹謗中傷にさらされる事例は数多い。そういった声から、彼ら彼女らを守ること、メンタルケアをする存在や場所があることは非常に重要だ。「芝居に子どもらしさに求めるのに、子どもらしい経験を奪うのはまぎれもなく矛盾」と衣輪氏。注目を浴びたり、ブレイクしたときこそ、彼らが彼ららしくいられる場所を作ることが大切になってくる。

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