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「俺のステイホームなめんなよ!」SNSで話題になった100均アヒルロボ制作者、コロナ禍に訪れた変化

 空き箱や包装紙で作ったロボット「カミロボ」が海外でも評価され、『ニューズウィーク』誌による「世界が尊敬する日本人100」に選出された造形アーティストの安居智博さん。近年、100円ショップなどの日用品を使った予想外のロボを発表し、毎回SNSでも大きな話題になっている。とくに最近では、「コロナ禍が大きなターニングポイントになった」という安居さん。世界的な評価を受ける安居さんに起こった変化、そしてSNSの影響などを聞いた。

ステイホーム中に作ったマッチョのアヒル人形で開眼、「ストレートってすごい」

 安居さんが作る「日用品人形」の材料は、誰でも知っているような100円ショップで販売されているグッズや玩具。軍手やタワシ、シャボン玉の容器に初心者マーク、灯油ポンプなど、さまざまなアイテムを驚きの発想力で“とんでもロボット”に変身させ、SNSやメディアでも大きな話題を集めている。アヒルの玩具や、三角コーンを使ったロボなど、目にしたことがある人も多いだろう。著書『100均グッズ改造ヒーロー大集合 切ってつないでトンデモ変身!』(平凡社)には、安居さんのアイディアや工夫がたっぷり詰まっている。

――SNSやメディアでも話題になった作品が多いですが、改めてまとめてみていかがですか?

安居智博 たくさん作ったな…という感じですね(笑)「日用品人形」だけでいうと、ここ10年くらいの間に作ったものをまとめているのですが、その構造自体は小学生の頃に考えたものなので、そういう意味では長い年月がかけられていますね。

――バズった作品もいろいろありますが、特に反響の大きかったものは?

安居智博 反響が大きかったのは、お風呂で遊ぶアヒル人形をムキムキマッチョに変身させた「ぷかぷかアヒル」と、24個の三角コーンで作った着ぐるみスーツの「パイロンマン」の2つですね。

――「ぷかぷかアヒル」を作った背景には、コロナ禍が影響しているということですが。

安居智博 そうですね。これは、最初にステイホームが呼びかけられた頃に作った作品なんですが、まずはアヒルを使おうと考え、体の部分までは従来どおりに作り進めていきました。頭をどうしようかと考えた時、それまでの自分だったらアヒルの顔をそのまま人形の顔として使うようなことは、無粋に感じていたと思うんです。でも、なんとなく頭部にアヒルの顔を当てがってみたら、「これはすごい!」とびっくりしてしまって。これまでなら、少しハズすことを考えてきたんですが、なんというか「ストレートってすごいな」って…。

長年の制作活動を変えたコロナ禍、重い空気のなか「素直に楽しんでもらえるものを」

――たしかに、本作はかなりインパクトがありますよね。

安居智博 本当にものすごく空気が重いときだったので、どうせ作るなら自分も楽しいほうがいいし、みなさんにも素直に楽しんでもらえるものがいいなと、強く感じました。どこか照れがあったり、あからさまにウケを狙いにいくのは恐怖心があったりして、こういう発想をすることは今までにはなかったんです。でも、このときはそうすべきだと素直に思えました。自分としても、とても大きなターニングポイントになりましたね。

――このとき感じたことは、その後の作品にも影響していますか?

安居智博 はい。Twitterを中心に作品を発表しているので、予備知識がなくても4枚の写真を見ただけで完結できるように、ストレートさみたいなものは以前よりも意識するようになりました。

――本作について「俺のステイホームなめんなよ!」と書かれていて、印象的でした。

安居智博 子どもの頃は1人で家で遊んでいると、親から「外で遊んできなさい」と言われていたじゃないですか。だから、1人の家遊びは良くないことだと思い込んでいたのに、コロナ禍で「ステイホームして」と状況が一変した。なにか、そういった思いから出た言葉なのかもしれないです(笑)。でも、自分の考え方に新しい変化が起こったのは、このコロナの時期があったからこそ。ある種の必然だったのかなと感じています。

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