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アフリカ原住民の暮らしから“冒険”が始まった 探検家社員「食べる繊維を日本に」スーパー大麦が日本に定着するまで

アフリカ原住民たちが主食として食べていた穀物が『スーパー大麦』の開発ヒントに

アフリカ原住民たちが主食として食べていた穀物が『スーパー大麦』の開発ヒントに

 NHK『あさイチ』をはじめ、さまざまなメディアで取り上げられ話題となっている“水溶性食物繊維”。腸内環境を改善することから美容と健康のために目を向ける人は多いが、厚生労働省が推奨する“1日5グラム”を通常の食事で満たすのはなかなか困難。そこで注目されているのが、玄米の7倍もの食物繊維を含む「スーパー大麦 バーリーマックス(R)」。ファミリーマートではスーパー大麦を使用したおむすびや弁当を2017年から販売し、年間累計販売数2億食を突破するほどのヒット商品となっている。オーストラリアで10年もの歳月をかけて開発されたというこのスーパーフードは、どのような経緯で日本に持ち込まれたのか。そこには大手繊維メーカーとして知られる帝人で、“探検家”と呼ばれる一人の研究者の存在があった。

“着る繊維”から“食べる繊維”へ「食の世界で大きな変化が起きる」

インタビューに答える、北薗英一氏

インタビューに答える、北薗英一氏

 帝人で素材開発に従事する北薗英一氏は、新たな素材を探して世界を巡り歩いていたことから、社内では“探検家”というあだ名がつくまでに。大手繊維メーカーである帝人が、食材である「スーパー大麦」を売り出す…この発想自体が、社内では文字通り“冒険的”な出来事だったと振り返る。

 「新たなビジネスシードとなるテクノロジーを探す」という社命を受け、素材を求めて海外を転々とする生活を続けていた北薗氏は、2008年から5年間、米カリフォルニア州・シリコンバレーに送り出されることに。IT企業の一大拠点として知られるシリコンバレーは、スタートアップが多数集まるイノベーションの聖地。リーマンショック直後で、多くの日本企業がシリコンバレーから撤退するのとは真逆に、単身、乗り込むこととなった。北薗氏が体感したのは、現地企業の“底力”だった。

「世界経済がめちゃくちゃ冷え込んでいる時でしたが、それでもシリコンバレーは脈々と動いていることに感動しました。特徴的だったのは、ITやヘルスケアはもちろん、食のジャンルでもスタートアップが出始めていることでした」(北薗英一氏/以下同)

 「これからは食の世界で大きな変化が起きるのではないか」。漠然とそんな思いを抱きながら帰国した2013年、「ヘルスケアで新しいことを探す」という会社からの新たなミッションが北薗氏のもとに舞い込んだ。『ネイチャー』や『サイエンス』などの学術誌に掲載されている論文を読み、世界中で腸内環境と健康についての研究が進んでいることに着目した北薗氏は、シリコンバレーでの経験から、「腸を〈食〉という切り口から考える」ことを発案。腸内環境に寄与するとして論文に取り上げられていた“腸内細菌”をキーワードに、菌のエサである食物繊維にフォーカスしたのだった。

「論文には、人の健康に大きな影響を与えるのが腸内細菌叢の腸内フローラであり、その状態を良好に保つためには、腸内細菌のエサとなる食物繊維が重要な働きをすることが立証されていました。それを知ったとき、これはチャンスだと思いました。というのも、うちの会社はもともと繊維のメーカーであり、繊維のプロ。これまで服や自動車に使われている繊維を扱ってきましたが、だったら食べる繊維にまで広げてもいいんじゃないかと考えたんです」

新素材を求めて地球を2周し…アフリカ先住民の食生活にヒント

スーパー大麦が栽培されている、オーストラリアの畑

スーパー大麦が栽培されている、オーストラリアの畑

 食物繊維として機能する新たな素材を探し始めた北薗氏は、シリコンバレーを皮切りに、世界中の研究所や研究者を訪問。「気づいたら地球2周していた」という過程でオーストラリアに画期的な製品があることを知り、開発者であるデビット・トッピング教授のもとを訪れた。

「弊社でもかつて似たようなものを繊維で作ったことがあったので、ぜひ導入したいと考え、教授からも賛同いただいたのですが、製品化するには10年かかると。いくらなんでもそんなに会社は待ってくれませんからどうしようかと思っていたら、教授から『明日帰るって言ってたけど、時間があるならメルボルンに飛べ』と言われたんです」

 それが、新顔の大麦・バーリーマックスとの出会いだった。しかし、当初、北薗氏はその出会いについて、「複雑な心境だった」と苦笑いする。

「開発者としては、テクニカルなものを自社で作りたくて素材を探していたので、大麦というナチュラルな食品を導入するのってどうなんだろうって、うれしいのか落胆しているのか、正直、わかりませんでした(笑)」

 そんな気持ちを吹き飛ばしてくれたのが、バーリーマックスの組成と、生い立ちのヒストリーだった。

「持ち帰った後、弊社のマテリアル事業のポリマー解析技術を用いて機能成分や構造を調べてみたところ、一般的な大麦に比べて総食物繊維を2倍、大腸の奥にまで届く難消化性でんぷんを4倍も含んでいて、これは単なる大麦ではなく、大麦を越えた存在であると確信しました。とともに、その後、デビット・トッピング教授から聞かされたバックストーリーも素晴らしかったんです。アフリカ原住民の“暮らし”から全てが始まっていました」

 1960年代、移民を受け入れ始めたオーストラリアでは、欧米食によって生活習慣病にかかるアジア圏からの移民者が増加。その問題を食によって解決するため、CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)は世界各地で調査を実施。その陣頭に立ったのがデビッド・トッピング教授だった。アフリカの先住民が結腸がんや大腸がんになりにくいことに注目した教授は、さらに綿密に彼らの食生活を調査。結果、穀物から多くの難消化性でんぷんを摂っていることを発見した。その結果をもとに、10年に及ぶ品種改良を経て、遺伝子組み換えなしで新種の大麦を開発。それが、バーリーマックスだったのだ。

「当時、欧米のスタートアップでは、腸内フローラを整える研究は、食ではなく薬がメインでした。そんな中、バーリーマックスは、ナチュラルな素材でありながら、科学的なエビデンスもしっかりしている上に、生い立ちのストーリーもあって、とても奥深く、ユニークで、これはぜひやりたいと胸が高まりました」

「リスクを取らないと本当に新しいものは見つけられない」

収穫されたスーパー大麦。今では白米に混ぜて炊飯できるもの、グラノーラ、キーマカレーなど、主食からおかずまで幅広く進化している

収穫されたスーパー大麦。今では白米に混ぜて炊飯できるもの、グラノーラ、キーマカレーなど、主食からおかずまで幅広く進化している

 しかし、そんな北薗氏の熱い思いとは裏腹に、社内の反応は必ずしも良好ではなかった。

「やはり科学的な技術が自慢の会社ですし、それが大好きな社員が集まっているので、『なんで大麦なん?』と(笑)。何より食品はやったことがない分野でしたから、試験費用から市場調査、品質保証、営業体制……何もかも一から立ち上げなければならず、もちろんまだ予算も調査費用しか組まれていない状態で(苦笑)。ただ、上司を含め、上の人たちが『やってみろ』と背中を押してくれ、スタートすることができました」

 スーパー大麦の権利会社と日本における独占共同開発契約を締結した北薗氏は、初めて参入するだけに、食品業界で実績を持つコンサルタントなど、外部から多くの人を招き入れ、新プロジェクトを始動。コンサルタントからの「こんなに面白い大麦をやらない手はない」という太鼓判にさらに自信を増し、食品会社にバーリーマックスを販売し始めた。

 しかし、これまで市場になかった新素材を信頼してもらい、購買にまでつなげるのはなかなか困難。そこで、2016年7月から、自社でもバーリーマックスを使ったグラノーラとグラノーラバーを製造し、ネットで販売。「当初はまったく売れなかった」のだが、同年9月、テレビの情報番組に取り上げられると状況は一変。放送直後、ネットには注文が殺到し、なんと5分で完売。さらに反響を知った食品メーカーからの問い合わせも増え、販路は拡大し始めた。

新発売された『スーパー大麦入り 大豆ミートそぼろ・玉子・岩下の新生姜入り』。スーパー大麦関連商品は、年間累計販売数2億食を突破

新発売された『スーパー大麦入り 大豆ミートそぼろ・玉子・岩下の新生姜入り』。スーパー大麦関連商品は、年間累計販売数2億食を突破

 そしてさらなる起爆剤となったのがファミリーマートだった。

「地球環境やウエルネスは今、絶対はずせないキーワードですが、ファミリーマートさんも、その思いは弊社と一緒で、ぜひ、やりたいとお声をかけていただき、テスト販売をしたところ、思った以上に反応が良かったことから、2018年より消費者が手に取りやすい様々な商品を次々と開発し、販売していただき、広く浸透するに至りました」

 ここまでの道のりを、北薗氏は「手探りで紆余曲折、苦労を重ね、もう続けられないかもと思うくらい大きな危機にも直面したし、本当に大変だった」と振り返る。しかし、一方で、「リスクを取らないと新しいことなんてできません」とも。

「会社にいて、机のうえでリサーチしている中で見つけたものはだいたいもう誰かがやっています。現場に行って、実際に自分で物に触れて探さないと本当に新しいものは見つけられない。そして新しいことを始めるときは必ずリスクはつきもの。CMで『リスクを冒さないことこそ、最大のリスクだ』って言っていましたが、ホント、その通り、いい言葉だなって思います」

 北薗氏がバーリーマックスを手がけ始めた当初、食物繊維といえば、「満腹感が得られ、便秘を解消するからダイエット効果がある」と言われるだけの存在だった。テレビで取り上げられたときも、スポットを当てられたのは痩せる効果だった。しかし、今、「腸活」という言葉も身近となり、腸内フローラが成人病をはじめ、脳の働きにも影響を与えることが広く浸透し始めた。さらには、コロナ禍、免疫力にも貢献することが語られ、その注目度はぐんぐん高まっている。

「私たちが〈食〉に関してこだわっているのは、科学的根拠のある機能性食品素材であることです。健康寿命を延ばすことが社会課題となったこの時代に、バーリーマックスが1グラムでも多くたくさんの人々に届き、 みなさんの健康増進に貢献できればと思います」

ご飯にもおかずにもなる…帝人独自商品『スーパー大麦のちから』レシピ

 「糖質は控えたいけど、ご飯は食べたい」「野菜はそんなにたくさん食べられない」「食べるものに気を使っているけど、あの頃のような変化が見られない」…そんな食の悩みに最適なスーパーフード“スーパー大麦バーリーマックス(R)”。帝人独自商品『スーパー大麦のちから』の食べ方をご紹介!

白米と一緒に炊飯
炊飯時にスーパー大麦をサッ&お水を少しプラスしたら、いつも通りにスイッチオン!でOK。(※白米1合に対し、スーパー大麦を大さじ1〜2杯)
煮麦にしていろいろなお料理に
スーパー大麦は、ひき肉やごまの代用として使うことも。しっかりとしたうま味があり、体にやさしい食材なので料理の幅も広がる! アレンジレシピも豊富です。

・風味豊かなスーパー大麦ドライカレー(外部サイト)
・スーパー大麦のヘルシーハンバーグ きのこのデミソース(外部サイト)
・栄養たっぷりスーパー大麦コブサラダ(外部サイト)

■『スーパー大麦のちから』
テイジン フード@サイエンス公式ショップ|食でつくる、未来のカラダ (teijinfood.com)(外部サイト)
■スーパー大麦の免疫効果を検証した結果を解説
https://biolier.jp/column/column0045/(外部サイト)
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