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「消えた一発屋と10年言われた」テツandトモ、“なんでだろう♪”25年続ける背景に立川談志さんの存在

テツ、本当は“オタク気質”で「ひな壇トークは苦手」 年間200本のステージで光る芸人魂

――それに対する焦りや不安はありましたか?

テツありがたいことに、仕事がなくならなかったんです。テレビ出演は減っても、お祭りやイベントなど、年間200本ほどの営業が入りました。今まで作ったネタの数々を営業で披露できたんですよね。1時間ステージの依頼があった時に、他の芸人さんから「1時間何やるの?」と聞かれますが、長時間のライブでも不安はそんなになかったんです。もちろん、ブームは去って行かない方が良いと思っていましたが、体力的にも精神的にも、あの生活をずっと続けるというのは不可能だったと思いますね。

トモ他の芸人さんたちには失礼かもしれませんが、芸人としてスタートしたときは「冠番組を持って、天下をとる!」という感じではなかったんです。最初の目標は、勿論ネタをやり、芸人としてご飯を食べられるようになること。もともと僕は役者志望、テツは歌手志望。芸人とは仕事の内容が違うのですが、舞台で表現するという意味では同じです。今はお客さんの前でネタをやり、最後に普通に曲を歌わせてもらったり。やりたいことをやれてるよね(笑)。

テツありがたいですね。子どもの頃、のど自慢番組などに出演させてもらった時、もちろん歌も好きだったんですけど、自分が歌を歌うことで、家族がすごく喜んでくれたんです。祖父母もいつも応援してくれて、それがとても嬉しくて。喜んでくれる人がいるんだったら、それを続けたい。今もこうして“なんでだろう”ができることを幸せに感じています。やはり生でお客さんに笑っていただけると、すごく楽しいんですよね。
――立つステージが変わっただけで、根本はずっと変わらないんですね。

トモテッちゃんは昔、テレビのひな壇とか苦手意識があったよね?

テツそうだね。プレッシャーとかね。だからブレイクして人間不信に陥った時も、テツandトモはいつも元気で明るいイメージがあるので、素の部分を見せたくなかったんです。本当はオタク気質で、静かな人間なんですよ(笑)。だから当時、本当に人と会うのが嫌でした。飲み会も行ってないし、すぐに家に帰ってました。

トモ特に若い時は失敗を恐れ、芸人なんだから毎回面白いことを言わなければいけない、という考えになっていたと思います。番組収録後に「あー、何も喋れなかった」と2人で反省して。MCに振られてもうまく返せない。自分で自分にプレッシャーをかけ、「どうしよう、このままでは仕事がなくなる…」みたいな感じでした。今はお互いに50歳を過ぎて失うものもなくなったので、逆に自由に出来てるような気がしてます。

立川談志さんがいたからこそ続けてこられた25年、「一発屋」から「偉大なるマンネリ」へ…

――様々な苦悩があっても、ここまで続けてこられたのはどうしてだったのでしょうか。

トモ結局僕たちは「消えた一発屋芸人」と10年くらい言われ続けました。ある時、立川談志師匠が飲みに連れて行ってくださったんです。師匠は、僕たちが世間からそう言われてることを知っていたのかもしれません。飲みながら「テツandトモ、私が良いって言ってるんだからそれで良いじゃないですか。あと何が欲しいんですか?」って言ってくださったんです。本当に嬉しかったです。ものすごくパワーを頂いて、師匠の優しさが心に響きました。

テツある時には、「もし解散したくなったら、私のところに来なさい。全力で阻止します」と言ってくださいました。今も原動力になっているのは、談志師匠がくださった温かい言葉の数々です。あの師匠に良いと思ってもらえたのだから、そんな簡単には辞められない。“なんでだろう”を続けていかないといけないとすごく思います。
――『M-1』の出来事があってからの…素敵なお話ですね。かつては「なんでだろうしかない」と言われたそうですが、最近では「20年やり続けてただただ尊敬」「しばらく見ない間にテツは動きのキレが良くなって トモは歌が上手くなった」「営業でやり倒してるから歌唱力上達してる」といった声が多く寄せられています。

テツ昔、僕達が子どもの頃の人気番組『カックラキン大放送!!』で演出・製作総指揮をされていた白井壮也さんに「偉大なるマンネリ」という言葉を頂いたことがあって。

トモコンビを組んで、“なんでだろう”をやり始めたばかりの時に頂いたお言葉です。白井さんは、わかってたんでしょうね〜。マンネリはネガティブな言葉にもとれますが、やり続けることがどれだけ難しいことか。そしてそれを続けられたら、そこに成功が待ってるかもしれないことを。

テツその白井さんに、「誰かを喜ばせたい気持ちがあるなら、それを大事にしたほうが良いよ」って言葉を頂いたのを覚えてます。僕は、小さい頃から大道芸が好きなんです。今でも路上ライブは足を止めてみたりしますし、とても楽しいんですよね。皆さんがその方を知ってるとか知らないとか関係なく、すごく楽しくて幸せな時間を一緒に過ごせてるなーって思います。そんなあったかい気持ちが、僕たちの笑いのベースになれば良いなと。テツandトモにしか出来ないお笑い、皆さんがほっとするような時間を共有する。舞台の大小関わらず、そういう笑いを届けていきたいです。

トモ新型コロナウイルス感染症の影響でお祭りやイベントは減りましたが、最近ではオンラインでのイベントが増えています。生のライブが出来ないことを逆手にとって、オンラインだからこそ楽しめる、僕たちらしい楽しいネタが出来ればと試行錯誤しています。

――何歳まで続けたいなど、目標はありますか。

トモ当初は50、60歳くらいまで続けられたらと思ってました。今は、更に上を目指してます!コンビ結成50周年だと77歳!

テツあー!「77」で!「なななな、なんでだろう」だ!笑

トモその年齢でジャージを着て動いてたら、面白いだろうな〜。


(文=JungKay)
テツandトモ
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