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『ほんとうのピノッキオ』“悪童”を演じた子役は“神童” 3ヶ月間、4時間の特殊メイクに耐えたプロ意識

“悪童”への「忠告の一つ一つが沁みる」

 ガローネ監督は「久しぶりに原作を読んでみた。自分がよく知っている物語だと思い込んでいたけど、驚いたことにまったく知らないストーリーで、覚えていないエピソードもかなりあった。この本を映画化するなら、観客が驚くような方法を見つける必要がある。この物語を知っていると思い込んでいるからね。だから私にとって皆を驚かせる最良の方法は、原作に立ち返ることだった」と、語っている。

 6歳のときに初めて「ピノッキオ」のストーリーボードを描いた逸話を持つ監督が、幼少期に親しんだピノッキオの物語は、彼の故郷であるイタリアで生まれた原作の童話であり、本作は原作に忠実に、ディズニー・アニメーションでは描かれなかったピノッキオの真の姿を、美しくも残酷なダークファンタジーとして完成させたという。
 例えば、本作には1本の丸太が命を宿し、言葉をしゃべる人形に生まれ変わる瞬間のシーンがある。ジェペット爺さんが丁寧に削っていくと、不思議と鼓動を打ちはじめる丸太に、見る者は少し不気味に思いながらもひきつけられるだろう。そして、「パパと言ってごらん」とでき上がったばかりの人形に何度も語りかけるジェペットに、“その瞬間”は突如訪れる。たしかに「パパ」と発音した木の人形に、彼は驚き思わず飛び退くのだった。このシーンはディズニー・アニメーションでは描かれていない(既に人形と化した状態でピノッキオは映画に登場する)。
 ジェペットの手に負えないほどやんちゃなピノッキオが、「親に従わない子は、決して幸せになれないぞ」と自分のためを思い忠告をしてくれるコオロギに対して、「人に従うのは嫌いだ」「イライラするよ」「黙れ」と癇癪(かんしゃく)を起こしてハンマーを投げつける衝撃の展開も本作では描かれる。
 悪童っぷりをみせつけるピノッキオには災難も降りかかるのだが、そんなピノッキオを見ていると身につまされることも多く、「人のふり見て我がふり直せ」という気持ちにさせられるというか、「本当に大切なこと」を思い出すきっかけを与えてくれる。
おとぎ話はいつも残酷
主人公はいつも強か
このピノッキオは、不条理、その風刺が私達に大冒険を体現させる
そして兎に角美しい映画
最後に想うのは、ピノッキオは私なのかもしれない…
(夏木マリ)
ダークファンタジーな世界を駆け抜ける悪童ピノッキオの冒険譚
無軌道な彼に掛けられる忠告の一つ一つが沁みるのは私が大人になったからなのか
圧倒的な世界観に惚れ惚れした
(フリーアナウンサー・宇垣美里)
 原作が130年以上も世界中で読み継がれ、繰り返し映像化されるのも納得なのである。今まで知っていたようで、見たことの無かったピノッキオの本当の物語。ぜひ劇場で見てほしい作品だ。

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