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(更新: ORICON NEWS

多様な芸能人とアスリートが作る“新しいサッカー” 東京2020大会でみられた“多様性”が変えるスポーツの未来

 タレント・モデルのJOY やお笑いコンビのおかずクラブ、ものまねタレントのりんごちゃん、5人制サッカー(別名:ブラインドサッカー)元日本代表キャプテンの落合啓士、アンプティサッカー日本代表のエンヒッキ・松茂良・ジアス、デフサッカー女子日本代表宮田夏実らが集結したP&Gのスポーツイベント『Create Inclusive Sports』が6月に開催された。現代ではまだまだスポーツが性別や障がいなどでカテゴリ―分けされ別々に行われることが多い中、同イベントは、参加者同士で議論を交わしながら、インクルーシブ(お互いの違いを理解し生かし合うこと)で、性別・国籍・障がいなど多様なバックグラウンドを持つ、一人でも多くの人々が、一緒に楽しむことができるスポーツを作り上げるもの。実際参加者も、個性豊かな面々で、そんな彼らが同イベントに参加した背景には、東京2020オリンピック・パラリンピックのコンセプトでもあった“多様性”への想いが込められていた。

さまざまなバックグラウンドをもった参加者

さまざまなバックグラウンドをもった参加者

“多様性と調和”が輝いた東京2020オリンピック 性別や国境を越えた行動や施策が話題に

 先日、すべてのプログラムを終えた東京2020オリンピック・パラリンピック。そのコンセプトのひとつが「多様性と調和」だった。今大会でも多くの国の選手がLGBTQ+であることを公表したほか、オリンピック史上初めてトランスジェンダーの重量挙げの選手が生まれた時の性別とは違う性別で出場。そのほか、スポーツを性の対象とすることへの抗議として、ドイツ女子体操選手が、足元まで布地がある「ユニタード」を着用して話題に。男女混合ダブルス、混合リレーなど男女が共に挑む競技も増えた。

 水泳の男子シンクロナイズドダイビング10メートル高飛び込みで金メダルを獲得した英国のトム・デイリー選手は、LGBTQ+を公表していた選手の1人。2017年には同性での結婚、2018年には代理母出産で男の子を授かっている。金メダルを獲得した時の会見では、「私はゲイで、金メダリストでもあります、と言えることを信じられないくらい誇りに思います」と語り話題となった。同時に「出自や性的指向などに関係なく、演技によってジャッジされる。スポーツは美しい」ともコメント。今大会のコンセプトを象徴する選手の1人として反響を呼んだ。

 選手村でもイスラム教徒のためにハラール料理が用意されたほか、オランダの女子体操チーム、ドイツ男子バスケットボールのヘッドコーチなどは開催国日本への敬意を表し、レオタードに日本語でそれぞれ「オランダ」「ドイツ」と表記。ナショナリズムの高揚の装置であったオリンピックに国境を超えた“調和”が見られた瞬間だった。

 東京2020オリンピックののちに行われた東京2020パラリンピックでは、開会式ではるな愛さんが登場。セレモニー冒頭に行われたダンスパフォーマンスに出演した。彼女自身、性同一性障がい を公表しており、LGBTQ+を象徴するタレントとして開会式を大きく盛り上げた。

 そして、東京2020パラリンピック期間中に投稿された1枚の写真が、「“多様性と調和”を象徴する写真になった」と話題に。東京2020パラリンピックにて女子トライアスロンに出場した谷真海選手が、ビートルズの有名なアルバム「アビイ・ロード」のジャケット風に横断歩道を渡り、義足や車いす、視覚障がいの選手たちと写っている。「みんなちがって、みんないい」とのコメントを添えてTwitterに投稿された写真には「とても素晴らしい写真」「まさにその通りだと思う」「それぞれのかたちで、同じ場所、同じ道を、同じ目線で歩けるような世界になると良いですね」などといった反響が寄せられていた。

個性が強すぎるメンバーに芽生えた思いやり 互いの違いに気づき、生かし合うことで生まれる楽しさ

 そんな「多様性と調和」が輝いた東京2020大会を目前に控えた6月28日、多様な個性を持つ芸能人やアスリートが参加したスポーツイベント『Create Inclusive Sports』が開催されていた。 これは、P&Gが人と人とのコミュニケーションを効果的に育むことができる、スポーツという素晴らしい文化を通して、互いの違いを受け入れ、理解し合う、インクルーシブな未来につながるきっかけとして主催したイベントだ。

 イベントでは 、性別・障がい・国籍など背景の異なる参加者が混然一体となったチームを作り、2つのプログラムを行った。前半のプログラムは「インクルーシブ メドレー サッカー」と称された、「アンプティサッカー」「デフサッカー」「目隠しサッカー」という3種の異なるサッカーをトライアスロンのようにメドレー形式でプレーするもの。3種のルールを連続して行うことを通して、さまざまな背景を持った参加者全員が異なる状況において一緒に協力してプレーすることで、想像するだけでなく実感を持ってそれぞれの“違い”に気づくこと、さらに、各選手に自分の長所を生かす場面ができるようにすることを狙いにしたプログラムだ。

続く後半のプログラム「みんなでつくるインクルーシブサッカー」は、前半での3種類の異なるサッカーの体験を元に、年齢や性別、身体的特徴や障がいの有無を問わず、誰もが一緒にサッカーの楽しさを共有できることを目指し、参加者同士で新しいルールを話し合い、皆で楽しめる「インクルーシブなサッカー」を作り出し、自分達で体験するという試みだ。
 ナビゲーターは松岡修造が務め、解説として北澤豪と野口亜弥が参加。今回監修も務めた北澤 は「障がい者スポーツは一緒にプレーできるものではなく、まだ分けられてしまっています。また、そもそもスポーツの世界で男性・女性の二択になってしまっていることや、人種や国籍において、偏見を持たれてしまったりすることも、どうなんだという難しさがあります」という現状のスポーツの課題を指摘した。

 松岡は「日本は正直、ダイバーシティ(多様性)やインクルーシブに関する認識は、遅れていますが、この『Create Inclusive Sports』は一つのスタートであり、きっかけなので、どんどん挑戦して失敗して、より良い形を作り上げていければ良いと思います」と意気込みを熱く語った。

 前半のプログラム「インクルーシブ メドレー サッカー」の最初のゲームでは、主に上肢、下肢の切断障がいをもった選手がプレーする「アンプティサッカー」を体験。慣れない松葉づえを両手にし、さらに片足でサッカーするという経験したことのないスポーツに、参加メンバーたちは悪戦苦闘。お笑いタレント・マテンロウのアントニーは、「松葉づえで自分の身体を支えるのが難しいので、シュートなんてできない。アンプティサッカー選手はすごいとあらためて感じました」とコメント。

 ほかヘッドホン(イヤーマフ)を装着して音が聞こえない方々のプレーする気持ちを体験できる「デフサッカー」では、ジェスチャーでパスをつなぎ、積極的にゴールを狙う白熱した展開に。りんごちゃんは「普段、私たちは言葉でコミュニケーションしていますが、本当は当たり前じゃないんだってこのデフサッカーで感じましたね」と感想を話した。

 アイマスクをし、目が見えない方々の気持ちでプレーする「目隠しサッカー」では、選手たちは自分の居場所を知らせるために、手に付けた鈴を鳴らし、見えない状況でもパスを繋ごうとアピール。キャプテンを務めた丸山は「特に難しい。一回もボールに触れられなかったんです。試合で一度もボールに触れないなんて……信じられないです」と驚きを言葉に。北澤は「自分がどこにいるか分からなくなる。“耳で見る”という感覚ですよね。声を出し合ってボールをつないでいく。それは自分だけの力ではできないこと」と、協力し合う重要さを伝えた。

 この後行われた後半のプログラム「みんなでつくるインクルーシブサッカー」では、「誰もが楽しめるサッカー」をめざし、ゲスト全員がチームごとにどんなルールがあれば誰もが一緒に楽しめるのか、ディスカッションしルールを考えることに。チームごとに様々な意見が活発に交わされ、「ゆっくり動けば、ボールチャンスが平等で、性別も身体的特徴もなくみんなで楽しめる」という理由から「走るのは禁止!歩いてプレーする」といったルールや、「相手チームがゴールを入れたら1分間プレーヤーを追加する」など新しいルールを盛り込んだ「インクルーシブサッカー」が完成。その後、参加者全員によって作り出された新しいルールのもと「インクルーシブサッカー」を実践し、各自がそれぞれの持ち味を生かしたプレーで会場を沸かせた。

「最終的には多様性を含めて“人”を感じること」P&Gが30年近く行ってきた試み

 このイベントを開催したのは、衣料用洗剤の「アリエール」やヘアケアブランド「パンテーン」を展開するP&G。同社は、経営戦略として「平等な機会とインクルーシブな世界の実現(E&I=イクオリティ&インクルージョン)」を掲げ、社内外に向けてさまざまな取り組みを行っており、グローバルでは、「私たちひとりひとりが、お互いへの思いやりや愛を行動に移すことができれば、世界はもっと良くなる」というコンセプトを掲げ、「Lead with Love」キャンペーンを行っている。同社の東京2020オリンピック・パラリンピック ブランドディレクター・秋山史門さんは、「『文化』『制度』『スキル』を3本柱に、1992年から30年近くにわたって、女性活躍推進、ダイバーシティ(多様性)推進、またLGBTQ+の方や障がいを持つ方など個々の違いを受け入れて認める『インクルージョン』を推進し、それによって多様な社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる組織づくりを進めてきました」と話す。

 また同社は、2016年に社外啓発組織「P&G ダイバーシティ&インクルージョン啓発プロジェクト」も発足し、独自に開発した研修プログラムの無償提供を軸に、他企業へのレクチャーなども行っており、これまで700社以上に、ノウハウを提供している。

 その一環として開催されたのがこの『Create Inclusive Sports』だ。秋山さんは、今回のイベントの大きな意義として「まず多様なバックグラウンドをもつ人同士の関わる機会が増えること、そして、その面白さや楽しさ・素晴らしさに気づき、どうすれば違いや個性が生かされるようになるのかを考える機会ができること」だと話す。そして、「このような機会は、スポーツを通してだからこそ得られたものだと考えています。なぜなら、スポーツは性別・国籍・障がいなどでジャンル分けされることが多いですが、実際には人と人とのコミュニケーションを特に効果的に育むことができる素晴らしい文化であり、また、わくわくする気持ちや楽しさ、達成感は決して分けられることなく共通しているからです。そんなスポーツを通して、日常では交わる機会が少ない人たちも接点を持ち、お互いの感情を共有するきっかけになることを期待しています。また今回は、インクルーシブなスポーツのあり方はこうであるといった“答え”を提示しているわけではなく、あくまで、参加者の皆さんで議論しながら探っていく場であり、実験です。このような実験的な機会を今後も増やし、試し続けること、考えるづけることが大切だと考えています」と熱い想いを語ってくれた。まさに、オリンピックのワールドワイドパートナーであり、東京2020パラリンピックゴールドパートナーでもある同社ならではの試みと言える。

 イベントの最後には、松岡が「固定観念にとらわれないこと、そして感じることが大事だと思いました。最終的には多様性を含めて“人”を感じること。サッカーだけじゃなくて、スポーツだけじゃなくて、日本がこれから最も大事にしてほしいことを今日は実現できました」という言葉で締めくくっているが、『Create Inclusive Sports』はこうした今後の社会への期待を感じられたのはもちろん、年齢や性別、身体的特徴や障がいの有無等関係なく、互いを認め合い生かし合うスポーツの未来の可能性を示した。

 P&Gの掲げる「平等な機会とインクルーシブな世界の実現(E&I)」が実現すれば、このイベントのように多様な人々が共に参加できるスポーツの祭典も実現するかもしれない。
※P&Gは、2010年7月、国際オリンピック委員会(IOC)と「TOP(The Olympic Partner)プログラム」の契約を締結し、2018年8月より、IOCとのTOPパートナー契約に加え、東京2020との間で「東京2020パラリンピックゴールドパートナー(契約カテゴリー:パーソナルケア及びハウスホールドケア製品)」の契約を締結しました。また、2020年7月、国際オリンピック委員会(IOC)とのオリンピックのワールドワイドパートナーシップを2028年まで延長し、さらに国際パラリンピック委員会(IPC)と2021年以降のワールドワイドパラリンピックパートナーに関して同意しました。
■『Create Inclusive Sports』イベントサイト
https://www.myrepi.com/family/activities/cpn-know-multibrand-lwl-event-2106/

■ Lead with Love キャンペーンWebサイト
https://olympics.pg.com/tokyo-2020/ja/pg
Sponsered by P&Gジャパン

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