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水嶋ヒロ『撮影現場レポート!実写『黒執事』にかける想いとビジュアルへのこだわり』
原作の再現へのこだわり 英国宮殿でのロケ
4月からスタートした撮影は、九州・佐賀にある英国宮殿風の建物のなかで行われていた。伝統的な英国様式の装飾のある室内に、豪華なシャンデリア、アンティーク家具のほか、燭台や花立てなどの小物から柱やカーテンまで、より立体的にみせるための作り込みが加えられ、“原作の再現”へのこだわりが感じられる幻蜂家のリビングが完成していた。
監督が2人体制となる今作では、大谷健太郎監督がキャストの演技など人間ドラマの部分の演出を手がけ、さとうけいいち監督は編集でのCG部分を意識したトリッキーな演出や画作りの部分を主に担当する。室内の撮影では、大谷監督がカメラの側に立って段取りを説明し、細かなお芝居の演出をしながら撮影を進行し、別室のモニターで映像をチェックするさとう監督が小道具や人物の動作に関する指示を加えていく。
そんななかで、注目のセバスチャンを演じる執事衣装の水嶋は、原作をそっくりそのままではないが、そのキャラクターの威厳や色気、すべてを見通す独特な雰囲気をしっかりとかもしだす。原作を読んで、その人物像として完璧なキャラクターを演じるのは自分では無理だと思ったという水嶋だが、「思いつく限りのやれることを全部やり尽くしてセバスチャン像を作り上げてきた」という通り、すでに現場ではあふれる自信を感じさせる姿を見せていた。自分ありきで作り込んだというこだわりのビジュアルは、原作キャラクターのアイキャッチになるポイントは活かしつつ、あえて原作通りの衣装と髪型にはせず、物語の設定である近未来に生きる、アップデートされた水嶋なりのセバスチャンを体現している。
水嶋なりのビジュアルと世界観を持つセバスチャン象へ
一方、水嶋は「僕は本質的に、前に出てみんなを引っ張っていくタイプではないですけれど、いざやらなければいけないときは自信満々で立つための準備を完全にやりたいタイプ。自分自身の弱いところをしっかり果たせれば、(この映画を)成立させられると信じて取り組んでいます」と静かな口調のなかに熱い想いを込める。
撮影の合間は、監督やスタッフのほか、見学に来ていたマスコミとも気さくに言葉を交わし、冗談を言って笑う水嶋。3年ぶりとなる久しぶりの撮影現場の雰囲気を楽しんでいるように見えるが、リラックスしながらもほどよい緊張感に包まれ、ときおりピンと張りつめた空気も漂う。そんななかの執事衣装をまとった水嶋の姿は、スクリーンのなかに立つ、映画版オリジナルの世界観にしっくりとなじんだ凛としたセバスチャンを想像させる。
実写版は「アクションあり、謎解きミステリーあり、原作から飛び出してきたような魅力的なキャラクターたちの人間ドラマあり。エンターテインメントの要素をいろいろな角度からあますところなく描き出すことで、ハリウッド映画のようなビジュアルとスケール感で描いていく」(大谷監督)という大作になる。舞台をそのままに原作に忠実な実写化ではなく、あえて設定を変えている今作は、原作ファンからすでに賛否の声が上がっている。しかし、水嶋はそれを承知の上でプレッシャーと闘いながら、深く悩み、考え抜いて今作にあるべきセバスチャンの姿を作り上げようとしていた。出来上がったその姿は、原作ファンが望んでいるものとは異なるかもしれないが、その気持ちが込められたセバスチャンからは感じるものがある気がする。きっとその世界を楽しむ人たちも多くいることだろう。
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映画情報
黒執事
監督は『NANA』シリーズの大谷健太郎監督と、テレビアニメ『TIGER&BUNNY』、SMAPとのコラボレーションで話題になったNTT『GATCHAMAN』TVCFのさとうけいいち監督がタッグを組む。繊細な人物描写と高い演出力に定評のある大谷監督と、アニメファンに留まらず幅広い層に人気を得るさとう監督が、今までの日本映画で類をみない『黒執事』の独自的な世界観を贅沢に描く。
映画版は、原作から約130年後の西洋と東洋の文化が入り乱れたアジアの都市を舞台にした完全なオリジナルのストーリー!
監督:大谷健太郎 さとうけいいち
出演:水嶋ヒロ 剛力彩芽 山本美月 優香
【映画予告編】 【OFFICIAL SITE】
2014年1月18日(土)全国ロードショー
(c)2014 枢やな/スクウェアエニックス(c)2014 映画「黒執事」製作委員会
関連リンク
・水嶋ヒロ&剛力彩芽インタビュー明るい未来は決してない
・映画『黒執事』公式サイト