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二階堂ふみ、“逆張りキャリア”で最強女優に王手 真の演技力試されるラブコメ出演の価値
今年で芸歴15年目を迎えた二階堂ふみ(C)ORICON NewS inc.
原作ファンも納得の二階堂の演技力、最早ラブコメは「若手女優の登竜門」ではない
ドラマ『プロミス・シンデレラ』第2話より(C)TBS
ドラマ『プロミス・シンデレラ』第4話より(C)TBS
原作は、小学館の漫画アプリ『マンガワン』に連載中の人気コミック。原作ものは原作ファンから「イメージ違う」「世界観が違う」などと批判されがちだ。漫画好きの二階堂ふみ自身も『プロミス・シンデレラ』の原作ファンで、今回原作通りショートカットにするなど、役作りは相当気合が入っていたよう。その結果、放送後のSNSは「二階堂ふみちゃんの早梅がそのまんますぎて」「朝ドラとは雰囲気が違い過ぎて流石」「原作好きだからドラマどうなのかな〜と思ってたけど、なかなか良い!」「二階堂ふみ絶対違う!!と思ってたけどめちゃくちゃ早梅で女優ってすごい」など賞賛の嵐となった。
二階堂ふみ(2012年)(C)oricon ME inc.
二階堂ふみ(2014年)(C)oricon ME inc.
女優として唯一無二の地位を確立すると、2016年〜2018年『ぐるナイ』ゴチメンバー、2018年『西郷どん』で西郷の妻役として大河出演、2019年連ドラ初主演、2020年『エール』で朝ドラヒロインとお茶の間人気も年々広げ、紅白司会まで務めた。そして、今回のラブコメドラマ主演である。2016年にも一度『オオカミ少女と黒王子』で山崎賢人とW主演を務めたが、それ以来。これまでのラブコメドラマといえば、現在放送中の『彼女はキレイだった』の主演が小芝風花のように、若手女優がメインを張るパターンが多かった。それゆえに、ここにきて二階堂ふみがラブコメドラマ主演を演じるのは意外にも思われた。
しかし、若手女優の登竜門的コンテンツのイメージだが、漫画原作が多く、非現実的な場面や下手すると大げさに聞こえるセリフだらけのラブコメは、高い演技力が求められる題材。原作の世界観を壊さずにテンポよく自然に演じるには、本来は二階堂ふみ級の女優が適材ともいえる。
「スクリーン俳優」消えた? 『逃げ恥』以来、相次ぐ大物俳優陣のラブコメ回帰
出演中のドラマ『プロミス・シンデレラ』第3話より(C)TBS
これまで二階堂が演じてきた役柄に比べれば、今回の早梅は“普通の女の子”。「普通」を演じるのが一番難しいと言われる中、第2話の風邪をひくシーンでは、「二階堂ふみ体調悪い演技上手すぎない?」「本当に心配になる」「演技が上手すぎてこっちまで体調悪い気がしてきちゃった」などの声が。第3話で旦那から不倫の理由を聞いて号泣するシーンでは、「二階堂ふみちゃんが泣きだしたところでグッときて一緒になって泣いてしまった」「笑いながら泣くところ演技うますぎて泣いてしまった」などと、演技力を称賛する声が毎話挙がるのだ。
『プロミス・シンデレラ』(C)TBS
前クールでは、綾野剛が『恋はDeepに』、鈴木亮平も『レンアイ漫画家』でラブコメに挑戦。この流れには、『逃げるは恥だが役に立つ』や『恋はつづくよどこまでも』の大ヒットがあるだろう。それまですでに様々な作品に出演し、人気俳優としての地位を確立していた星野源&新垣結衣、佐藤健は、誰もが楽しめるラブコメヒットで全世代からの支持を広げ、絶対的人気を固めた。
昭和期は「スクリーン俳優」という言葉が価値を持っていたように、「ドラマは出ない」主義の人気俳優も多かったが、ドラマも映画もVODコンテンツもすべてスマホ1つで観る人が多くなった今、その垣根は年々低くなっているように思われる。いまやコンテンツの土俵へのこだわりを捨て、マスもコアも支持される俳優でなければ生き残っていけない時代なのかもしれない。
二階堂ふみ(2019年)(C)oricon ME inc.