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ナチュラル系女優が主流の昨今、王道である“正統派ヒロイン”の歩むべく道とは?
時代を彩った正統派ヒロイン女優と、その移り変わり
こうした流れに明確に変化が見え始めたのは80年代、秋元康氏のプロデュースによるおニャン子クラブの大ヒットあたりから。堀ちえみや三田寛子、佐野量子らナチュラル系アイドルが台頭し、芸能人は“雲の上の存在”から身近な存在へと変化。美しさに対する価値観や好み、人気の多様性はますます加速し、視聴者が感じる美しさや可愛さの数多のカテゴリーはさらにそれぞれ枝分かれしながら発展。そしてバブル、90年代、00年代と新たな時代の価値も付与され、時に価値がループしつつ、現在に至っている。
イメージに縛られないナチュラル系女優のポテンシャル
「二階堂ふみさんは園子温監督や廣木隆一監督ら、鬼才からも愛される高い演技力でもともと映画ファンからは評価が高かった。ですが『ぐるナイ』の『グルメチキンレース・ゴチになります!』などで人気はお茶の間に拡大。エキセントリックな芝居や高尚な作品に出演する女優のイメージとは相反する無邪気さ、清純さ、抜けた部分のギャップが魅力に。さらに最近は映画『蜜のあわれ』などで見せる色気も“お宝感”で妄想が刺激される男性ファンが多いでしょう。松岡茉優さんも高い演技力が好評で、『コウノドリ』(TBS系)あたりからコメディエンヌとしての才能も開花。そんななか、実はバラエティ番組への出演を渇望しており、スタジオでも一生懸命喋りますが、トークが頻繁にスペってしまう“残念感”も身近にいたら楽しい存在になりそうで、そこに“お宝感”を感じさせます」。
エッヂの利いた役を重ねて確かな爪あとを残す正統派ヒロインも登場
主人公やヒロインではなく、鍵となる脇の人物や、悪役を演じて存在感を示し、かつ自身の演技力を磨いていく。華やかさがありながら、あえて脇に徹することで、作品に“違和感”を生み出し、視聴者にインパクトを残しているのだ。そんなクセのあるキャラクター、ポジションで存在感を示していくことが、思いもよらぬところで花開くことにつながるのかもしれない。今はナチュラル系女優が“正統派ヒロイン”の役柄へ進出している現状ではあるが、逆に正統派ヒロインがこれまでナチュラル系の専売だったポジションに踏み込んでいる例もある。そこでより輝きを増して、女優として大成していくような流れも生まれ始めているのではないだろうか。
(文:中野ナガ)