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島崎信長“TYPE-MOON”への道案内 FGOを作ったメーカーと、衝撃のヒロイン“琥珀”の抗えない魅力

この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。
⇒この記事をオリジナルページで読む(5月14日掲載)

島崎信長

数多くのアニメやゲームで活躍する声優の島崎信長さん。2021年5月15日に公開される劇場版アニメ『劇場版 Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-』の『後編 Paladin; Agateram』に、前編から引き続き、藤丸立香(ふじまる・りつか)役で出演しています。アニメやゲーム好きとして知られる島崎さんは、この『Fate』シリーズなどを手がけるゲームブランド「TYPE-MOON」の大ファンとしても有名です。今回は島崎さんに、「TYPE-MOON」作品の思い出とともに、深い愛情を語っていただきました。

※島崎信長さんの「崎」は“たつさき”が正式表記です
※物語の内容に触れる描写がありますのでご注意ください

撮影:平野敬久 取材・文:遠藤政樹

TYPE-MOON(タイプムーン)とは?

有限会社ノーツのゲームブランド。もともとは同人ソフトサークルとして、PCゲーム『月姫』を製作するために1999年に結成された。設立メンバーは、武内崇氏、奈須きのこ氏、清兵衛氏、KATE氏。『月姫』はゲームファンの間で非常な話題作となり、『Fate/stay night』の製作をきっかけにTYPE-MOONは商業化。代表作となるシリーズに、『月姫』『MELTY BLOOD』『Fate』など。それぞれのシリーズでも世界観を共有しており、その精巧さで多くの熱狂的ファンを獲得している。

2015年にスマホゲーム『Fate/Grand Order』がリリースされ、全世界の累計ダウンロード数が5900万を突破する人気ゲームとなる。2020年12月に劇場アニメーション『Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 前編 Wandering; Agateram』が公開、今年5月15日から『後編 Paladin; Agateram』が公開される。

そもそもゲームへの入り口は? 『クロノ・トリガー』に熱中した子ども時代

――「TYPE-MOON」好きとして知られる島崎さんですが、ゲームはいつごろからプレイするようになったのでしょうか。
父がかなりのゲーム好きで、家にたくさんファミコン(ファミリーコンピュータ)のカセットがあったのを覚えているので、幼稚園ぐらいのころからゲームで遊んでいましたね。

特にスーファミ(スーパーファミコン)の『クロノ・トリガー』(スクウェア、現スクウェア・エニックス、1995年)は一番やりました。キャラクターの能力は星(※最大値)にしましたし、なかでもエイラというキャラクターの装備(「こぶし」)が、レベルを上げて「剛拳」になったときは「強っ!」と思っていました。

『クロノ・トリガー』より『時の回廊』

――一つ手前の「鉄拳」でも相当強いですが、「剛拳」は驚異的な攻撃力になる代わりにレベル上げが大変です。やりこみ要素はお好きなほうですか?
そうですね。ただそういう意味では『クロノ・トリガー』の「強くてニューゲーム」(※主にRPGで、2周目以降に、1周目クリア時のステータスなどを引き継いで遊ぶことができるシステム)は、最初からもう一度ではなく積み重ねの結果から周回できるのが嬉しかったのをよく覚えています。他にも、『テイルズ オブ』シリーズのリオン・マグナスというキャラクターが大好きで、『テイルズ オブ デスティニー2』(ナムコ、現バンダイナムコゲームス、2002年発売のPlayStation 2用RPG)では、2周目以降のプレイに解禁要素があるのですが、そのために何周もしました。クリアして解放されていくという要素は結構好きかもしれません。

ほかにも『魔界戦記ディスガイア』(日本一ソフトウェア)のようなやり込みゲームも好きだし、『三國志』(コーエー、現コーエーテクモゲームス)とか『シヴィライゼーション』(マイクロプローズ)も、時間がめちゃくちゃ持っていかれますけど好きですね。

『魔界戦記ディスガイア6』プロモーションムービー

『三國志』30周年記念ムービー

――RPGタイトルの名前が多く挙がりましたが、特に好きなジャンルはありますか。
どちらかというとアクション系や FPS(シューティングゲームの一種)よりコツコツやれるタイプのゲーム、ストラテジーやシミュレーション、RPGが好きです。育成系、ゲームシステムや数値とにらめっこして育成理論などを立てるのが好きなのかもしれません。

何が一番好きかと言ったら、やっぱりRPGになるのかな。でもゲームセンターで最初に稼働した『THE IDOLM@STER(アイドルマスター)』(ナムコ、現バンダイナムコゲームス)や、『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム』(バンプレスト)とか、当時ゲームセンターではやっていたゲームは一通り触りましたね。

TYPE-MOONの世界観やワードセンスのとりこに

――そうやってゲームに慣れ親しんでいくなか、高校生の時にゲームセンターで『MELTY BLOOD Act Cadenza』(メルティブラッド アクトカデンツァ、2005年から稼働。以後「メルブラ」)をプレイして「TYPE-MOON」作品に興味を持たれたそうですが、どのような要素がアンテナに引っかかったのでしょうか。
<span class="fontBold">MELTY BLOOD(メルティブラッド)</span><br><br>TYPE-MOONが手掛ける伝奇ビジュアルノベル『月姫』の世界観で描かれる2D対戦格闘ゲームシリーズ。2002年のPC版リリース以降、アーケード版などさまざまなプラットフォームで展開している。
当時ゲームセンターにあっためぼしいゲームは大体遊んでいたのですが、なかでも『メルブラ』のキャラクター性や世界観、いわゆる中二(病)っぽい要素が刺さり、七夜志貴(ななや・しき)のセリフもいちいち全部カッコよくて好きになりました。

それで家でコンボの練習をするために PC 版の『MELTY BLOOD Re・ACT』(メルティブラッド リ・アクト)を買ったところ、一般的な格ゲーのストーリーとは違い、ルートが何個もあるようなとんでもない量のストーリーモードが搭載されていて。「遠野家地下王国」の話とか「G秋葉」とか隠しシナリオまでプレイして、言葉の端々から受け取れる設定や「直死の魔眼」みたいなワードや能力にもハマったし、話が本当に面白かった。デザインも良くて、そこからTYPE-MOONにどんどんハマっていきました。

『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』ティザー映像

――作品ごとに異なる部分もあるかと思いますが、ほかのゲーム会社にはない「TYPE-MOONならではの魅力」をどのあたりに感じられていますか?
設定というか世界が“生きている”ところ。今も生まれたり成長したり変わったりし続けている部分や、公式の遊び心、ライブ感ですね。TYPE-MOON作品の設定は固まりすぎておらずファジーな部分もあり、時代に合わせて変化もしていて、たとえば「死徒二十七祖」(人類の敵となる存在)もちょっと設定が変わっています。設定はビシッとして変わらないのが好きという人もいて好みは分かれると思いますが、僕は“生きもの感”というか、リアルタイムで作っていっている感覚に魅力を感じています。

自分が(コンテンツを)作らせてもらう側で関わっているので余計に共感できる部分もあるのかもしれませんが、長く関わっていればいるほど変化も楽しめるし、知っているからこそ「こう変わったのか」「変わったのはこのためか」といった楽しみ方はある気がしますね。

設定が膨大で緻密で長く続く作品を作りながら、今も変わり続けていることは、なかなかできることじゃないと思います。普通は続けば続くほど守りに入ったり頑なになったり……となることも多いのでしょうが、ずっと柔軟なんです。良い意味で、同人時代からのクリエイティブや遊び心を忘れていない印象が強いですね。
――時代に合わせて変化していくリアルタイム感も楽しさの一つということですが、先ほどのお話の通り、TYPE-MOON作品は設定が膨大です。今でこそ検索すれば簡単に情報にたどり着けますが、当時は調べるのが大変だったのではないでしょうか?
今ほど Wikipedia が充実していなくても考察サイトがたくさんありましたし、あと当時TYPE-MOON作品の二次創作サイトもめちゃくちゃ見ていたので、そこまで困ったというのはないかもしれません。たまに公式の設定か二次創作で読んだ設定のどっちだったろうか……と混乱することはありましたね(笑)。

あとTYPE-MOONは設定資料集も多く、例えば『月姫』だったら「青本」(※設定や資料を集めたガイドブック『月姫読本』の通称)を読めば一通りわかりますからね。そういったもので作品のつながりなどは把握していました。

――そういった部分も「TYPE-MOONならでは」と言えるかもしれません。ほかのゲームも含め、島崎さんは完全自力での攻略派、それとも攻略サイトなどを活用するタイプですか?
場合によるかな。自分でオリジナルの攻略法を考えて楽しみたい部分と、攻略サイトなどを見て最適解を出す部分、ハイブリッドタイプですね。

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