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AKB48グループ研究生『推しメン早い者勝ち!研究生初の武道館公演をレポート』

AKB48グループで、正規メンバー昇格を目指しレッスン生活を送る研究生103人が、東京・日本武道館で単独コンサートを行った。持てる力のすべてを出したステージは、フレッシュに輝いていた。

あなたの推しメンになりたい!

 何なんだろう、この感覚は。グループ名と名前が書かれたゼッケンを付けた103人の研究生たちが、日本武道館のステージで一斉に歌い踊るのを見ていたら、1曲目の「初日」から涙が出そうなほど胸が熱くなった。

 特別思い入れのあるメンバーがいるわけではない。多くは顔と名前も一致しない。でも、ステージのセンターにいる子からサイドの階段上の端にいる子まで、全員が全員うれしそうな笑顔と一生懸命な振りを見せている。この曲の詞のままに“死ぬ気で踊ろう!”と明るく歌う、その姿に胸が震えた。「人は音程を外さないから感動するのではない。歌いたくてたまらない気持ちに感動するのだ」。あるアーティストが言っていた言葉を思い出した。

 少女たちがひしめき合うステージで、入れ替わり立ち替わりボーカルを取っていく。「会いたかった」では中央から伸びるランウェイにも飛び出し、全員が四方に散らばりながら客席に手を振る。サイリウムと声援で沸き上がる武道館。1期生ながらいまは研究生として身を置く峯岸みなみが「一緒にジャンプ!」、「せーの!」と、さらに観客を煽って引っ張った。

 MCはその峯岸と、最年長研究生という立場から“終身名誉研究生”の称号を与えられた松村香織SKE48)が、「私たちのことは気にしないでください」、「フレッシュな次世代メンバーの魅力を発掘してください」とのスタンスを取りつつ2人で務める。意気込みを振られた岩立沙穂AKB48)は「いつものコンサートではたくさんの先輩が前にいますけど、今回はいらっしゃらない。私たちがグイグイ行きます!」と意欲を見せ、HKT48のデビューシングルでセンターに抜てきされた田島芽瑠は「120%の力を出して、あなたの推しメンになりたいちゃ!」と博多弁でかわいくアピール。

 続いて、西野未姫(AKB48)ら4人による「渚のチェリー」からユニット曲コーナーに。1曲歌っては個性を知ってもらおうと、峯岸&松村とのかけ合いで自己紹介と特技披露をしていく。西野は峯岸が挙げた数字10この足し算を、あっという間の暗算で正解。人気上昇中の“こじまこ”こと小嶋真子は「FIRST LOVE」を唯一ソロで切なげに歌い上げ、自己紹介では峯岸と松村のマンガ的な似顔絵を公開した。

 自分をよりアピールするチャンス。研究生たちの1曲に賭けたパフォーマンスに、いっそうの熱がこもる。岡田奈々(AKB48)らスレンダーな3人の「黒い天使」はしなやかなダンスでクールに。身長147pの山尾梨奈NMB48)と152pの秋吉優花(HKT48)の「となりのバナナ」は小さな2人が両手を大きく使う振りがかわいらしい。

 ゾウ、サル、ペンギンなどの着ぐるみで登場した村山彩希(AKB48)ら8人による「雨の動物園」は楽しさがあふれ、続く自己紹介では内山奈月(AKB48)が日本国憲法を暗記しているとのことで、「じゃあ、100条は?」という振りに「この憲法は公布の日から起算して……」などと、スラスラ読み上げ驚かせた。

未来のスターを夢見て……全身全霊のパフォーマンス

 この日が16歳の誕生日だった北澤早紀(AKB48)をサプライズのケーキと1万2000人の“ハッピーバースデー”で祝うひと幕も。もともと、その時点のトップメンバーが歌う曲として“選抜”システムの原点と言われる「スカート、ひらり」は、西野未姫、岡田奈々、小嶋真子に田島芽瑠、朝長美桜(HKT48)という顔ぶれで披露された。

 中盤では各グループがシングル曲対決。NMB48のはっちゃけた明るさ、HKT48のさわやかな元気、SKE48のほとばしるエネルギーと、各グループの持ち味が遺伝子のように研究生に受け継がれているのが面白かった。そして「大声ダイヤモンド」を歌ったAKB48研究生は、前に押し出てくるパワー、スピード感のある動きに目が釘付けになる。どのグループも全力の笑顔がきらめいていた。

 昇格を果たした13人のメンバーも「得意の英語を生かしてグローバルなチームKに」(平田梨奈)、「チームEで井口栞里さんと170p越えのツインタワーで名古屋名物と呼ばれたい」(水埜帆乃香)などと抱負を述べた後、峯岸みなみと松村香織を交えて「シアターの女神」など3曲を歌った。

 最後は再び103人全員でにぎやかに「さよならクロール」、続けて会場から手拍子が起こるなかでしっとりと「掌が語ること」。震災復興支援ソングだが、<たとえそれが 小さな掌でも 一生懸命掬い続ければ いつか山ができる>との歌詞は、彼女たちの夢への想いともシンクロするのだろう。

 「研、究、生!」コールを受けてのアンコールでは、全員が頭に“こじまこ”、“さっほー”などと、ニックネームを大きく入れた髪飾りを付けて登場。両手でうさぎの耳を作って脚をピョンと跳ね上げる「ファーストラビット」に、また胸が熱くなった。未来へ向けて飛び跳ねていく彼女たちの青春の輝きがまぶしくて。

 ラストナンバーとなったのは「レッツゴー研究生」。「バッチコイK!」の詞を変えて研究生全員の名前が織り込まれ、自分の番が来るとポーズやジャンプ。「よろしく!」のコール&レスポンスも起こった。この研究生公演、“推しメン早い者勝ち”と謳われた通り、もっと見たい、追いかけたいと思わせるメンバーが何人もいた。

 AKB48のもともとの理念は、夢を叶えるステップとなる場所。国民的アイドルグループとしてモンスター級ヒットを続けるいま、そこがゴールかのように映ることもあるが、明日を夢見て必死に踊る研究生たちの姿に、AKB48の原点があった。
(文:斉藤貴志)

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