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6枚の黒板を使った高校生の斬新アートに校長も絶賛、汗だくで走り回りながら描いた“執念の傑作”

高難易度の作品にも一切妥協せず書き直し「黒板アートには思い出にも似たノスタルジックがある」

 普段は授業でデザインについて学び、個人で様々な分野のコンテストに応募するなどしているという5人。今回はチームで描くという初の挑戦も経験した。

「意見の食い違いはもちろんありました。『ここはこの描き方で』『こっちのほうがいいんじゃ?』と、毎日意見交換を盛んに行いました」

 間近で見ていた中西先生も、メンバーたちのその熱気を肌で感じていた。

「図案の変更はたびたびありましたし、納得のいかない部分の書き直しも含め、ダメ出ししながら妥協のない作品づくりを生徒同士で行っていたように思います」
 メンバーたちの原動力になったのは、兎にも角にも最優秀賞を獲得したいという気持ちだった。それだけに、「優秀賞になったときは、嬉しいという気持ちより悔しい気持ちが勝っていました」と無念さをにじませる。

 しかし、大会に出場したことで、得たものも大きかった。

「向上心のあるチームになれたことが良かったですし、何より、挑戦することの楽しさや価値を教わる機会になりました。5人で協力して最後まで投げ出さずに一つの作品を作り上げた経験は、大人になってもきっとずっと忘れない価値のあるものになったと思います」

 同校が大会に出場するのは、2019年に続き2度目。生徒たちの奮闘ぶりに寄り添ってきた中西先生は、黒板アートの魅力をこう語る。

「黒板は学校生活をイメージさせる力を持っています。また、描いたものは簡単に消えて無になってしまうという思い出にも似たノスタルジックな要素と、そして、若い学生が扱うことが一番適しているところが黒板アートの魅力であると感じています」

 学生たちが、“今”の思いと情熱を、慣れ親しんだ黒板にぶつけて生み出すアート。コロナ禍で学生生活に苦難を強いられることが多かった日々を経て、今年はどんな作品が誕生するのか、大いに期待したい。

(文・河上いつ子)
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