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”父親の怒鳴り声”がトラウマに…「寂しい存在にも思えた」心から憎むことができない娘の思い

  • 「怒鳴り声を聞くと、小さな自分に戻ってしまう」枇杷かな子さんの実録漫画(画像提供:@kanakobiwa)

    「怒鳴り声を聞くと、小さな自分に戻ってしまう」枇杷かな子さんの実録漫画(画像提供[email protected]

 「誰かの怒鳴り声を聞くと、私は小さな自分に戻ってしまう」と、幼少期のトラウマを漫画にした投稿がインスタグラムで話題に。投稿者は漫画家の枇杷かな子さん[email protected])で、些細なことが原因で嵐のように怒鳴り散らし、感情が制御できなくなってしまう父親の姿をずっと見てきたという。父がいきなりブチ切れたりしないかビクビクしながら過ごしてきた子ども時代、大人になった今では自身も父のように気持ちを抑えられなくなってしまうことがある…というエピソードも赤裸々に綴っている。作者の枇杷さんに、実録漫画への反響や父親への思いを聞いた。

台風のように怒鳴り暴れた父親に「心から憎むことはできず複雑な気持ち」

 枇杷さんの父は、気に入らないことがあると怒る人だったという。陽気で優しいところもあるけれど、家族の前では台風のように手が付けられない人にもなる。一度怒りだすと家の中は滅茶苦茶になり、台風が過ぎ去って冷静になった父と、滅茶苦茶になった家の片付けをした幼少期の記憶や、旅行に行く時も父がいつどこで機嫌を損ねるか分からずハラハラしていたという家族旅行の思い出も漫画に描かれている。

 漫画には「うちの父と祖父も台風でした」「わかりすぎてびっくりしました。普段は年相応の自分なのですが、トラウマを思い出したときに小さな自分が出てきます」「私もお父さんが時々スイッチ入ったように、怒るのが本当に嫌で、家にいる時は刺激しないようにしていたのを思い出しました」などとコメントが。

 枇杷さんは「自分が想像していたよりも同じトラウマを抱えた方が多いのだと驚きました。旅行が辛かった人や、今辛い思いをしているという人も、どうか心から楽しんで欲しいなと思いました」と漫画への反響について話してくれた。

 彼氏が実家に遊びに来た時に父親が怒鳴り出して、ハードなロックを流して怒鳴り声をかき消した話や、父と母の喧嘩がヒートアップして祖母に外へ連れ出された話など、枇杷さんの漫画には父親のエピソードが多数登場するが、そのエピソードはけして非難するものではなく、どこか寂しさを感じさせるものもある。漫画のエピソードに、父への不満や悪口が見られないのはなぜなのかーー。

「優しかったり陽気な時も多い父ですが、怒り始めると手がつけられない怖い存在でもありました。怒りを家族にぶつける人ですが、私が学校などで怪我をすると心配して駆けつけてくる。そんな人なので、心から憎むことはできず複雑な気持ちを持っています。そんな想いもこれからは漫画で描いていきたいです」

「しどろもどろでも、伝えてみる。理解しようとする存在がいてくれることはありがたい」

 ある漫画では、枇杷さん自身も自分の感情をコントロールできないことがあったという告白をしている。怒鳴られて理不尽に意見を潰されていくと、主張を言葉にするのが難しくなり、友人や夫とコミュニケーションを取るなかで、茶化してごまかしたり、逆に言い過ぎてしまったりすることもあったという。感情の高ぶりが自分ではどうしようもできなくなったとき、思うように伝えられないとき、枇杷さんはどのように対処しているのか。

「これはまだ苦戦していることが多いのですが…感情が爆発したあとはいつも罪悪感や後悔でいっぱいになるので、台風がやってくる前にそんな自分を想像します。すると、少しストップがかかり、私は爆発を防ぐことができます。特に夫と話をする時に感情が高ぶることが多いのですが、なかなか思った意図で伝えられない時は、私の場合はとにかくしどろもどろでも夫に伝えてみます。すると私がなにを言いたいのか謎解きのように解いてくれたりもします」

 枇杷さんは、自身の話を聞いてくれて理解してくれようとする存在がそばにいることは「ありがたいことですね」と話す。

「夫は私の悩みを聞いてくれたり、夫も相談してきてくれるのでこれからもお互い助け合いたいなと思っています。今後も自分が救われたことや何気ない日々の幸せを描いていきたいです。創作漫画も発表していきたいと思っています」
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