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小沢真珠、15年経っても色あせない”悪女”イメージに感謝「迷走していた自分を救ってくれた」

『牡丹と薔薇』は思いっきり楽しんでアドリブも「悪女役はかなり得」

――放送当時、悪女のイメージを持たれて困ったことはありましたか?

小沢真珠最初は一瞬怖がられたんですけど、その後どんどんコメディのようになっていったんですよね。だから、周りから引かれるというよりはツッコんでもらえるキャラクターになっていて。私自身も楽しんで演じていましたし、大阪でロケをした時もみなさんが「おもしろかったよ」と声をかけてくださいました。だから逆に、話しかけてもらいやすくなった感じです。

――香世のお芝居は、どのように作り上げていったのでしょうか?

小沢真珠オンエアと脚本が同時進行だったので、脚本家の中島丈博さんがどんどんおもしろいことを思いついて書かれるんです。基本一語一句間違えてはいけない世界で、セリフに忠実じゃなきゃいけないのですが、途中から楽しくなって脚本以外のこともやったりしていました(笑)。

――役と自分のイメージのギャップに苦しむことはなかったですか?
小沢真珠なかったですね。逆に「全然違うんだね」と言われることが、おもしろかったです。そこまでやさしくしていないのに、「意外とやさしいね」とか言われたり、かなり得していると思います(笑)。
――1993年のデビュー以来、もちろん悪女だけではなくあらゆる役柄を演じられてますが、ターニングポイントとなったのはやはり『牡丹と薔薇』でしょうか?

小沢真珠そうですね。それまでクセのない役が多かったので、ずっと悪女を演じたい願望はあったんです。でもなかなかそういった役がこなくて。『牡丹と薔薇』は想像を超える悪女だったので、事務所の方や周りの方も「大丈夫?」って気を遣ってくれたんです。でも、自分としてはぜひやりたかったし、お芝居の違う引き出しを開けたかったんですよね。

――悪女を演じたい願望があったんですか?

小沢真珠それ以前は、自分の殻を破れる役がなくて一番モヤモヤしていた気がします。まだ若かったので、プライベートで習い事をしたり、小劇場の舞台を観に行ったり、正解を見つけたくていろいろ迷走していました。だから、私は香世に救われたんです。

褒め言葉? “悪女”の世間イメージの変化を実感も「また悪女オファーきたらかなり悩む」

――昔に比べると、“悪女”を演じることや“怪演”という言葉が、素敵な女優さんを表現するポジティブなイメージに変わってきた気がします。

小沢真珠確かに、私もそれは感じます。昔は悪女を演じる方が決まっていたような気がしますが、最近は昔だったら絶対にやらないような方が演じたり。悪女をやることに対しての抵抗がなくなってきてるのかなと思う時がありますね。
――今回の渡部さんのセリフに「世の中に素晴らしいダークヒーローはいっぱいいる」という言葉もありましたが、ダークヒーローゆえに愛される部分もありますよね。

小沢真珠ダークヒーローや悪者にも人間味があることで、その部分がおもしろかったりかわいかったりするのかなと思います。『アンパンマン』でも、うちの子どもたちの周りではバイキンマンが一番人気で(笑)。確かに一緒に観ていると、悪いことをしているんだけど失敗したり、人間味があったりしておもしろいんですよね。ダークヒーローにもいろいろな思いや背景があるのが分かると、共感されやすいのかもしれないです。

――悦子は悪女ではないですが、お子さんたちからの反響はいかがですか?


小沢真珠そもそもルパン一族が泥棒ですし、これは教育上どうかな?と思う場面も要所要所あるんですけど(笑)、それを飛び越えておもしろがってくれています。子どもも、現実とは別の世界だってことが分かっているんですよね。現実ではいけないことでも、物語の中ではアリなんだっていうのを理解しているんだと思います。
――悦子を演じて新たな発見はありましたか?

小沢真珠それはたくさんありますね。悦子はエレガントでありながら常にテンションが高くて。今までにないニュアンスもあったので、演じるのは難しくもあり楽しくもありました。そういう意味では、悦子もまた、大きなターニングポイントになったと思います。

――今後、また悪女役のオファーがきたらやりたいと思われますか?

小沢真珠1度やってしまっているので、手放しに喜ぶというよりは、いろいろ考えてしまいそうです(笑)。今回のドラマも、パート2ということで、前作を背負う緊張感がありましたし。毎回終わった後に「こういうやり方もあったかな」と悩むので、次にまた悪女を演じる時は、さらにいろいろなことを考えてお芝居をしないとと思います。今回の悦子役もそうでしたが、これからも新たな役に挑戦し続けていきたいですね。


(文=辻内史佳/撮影=田中達晃(パッシュ))

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