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柴咲コウが語る女優兼実業家のいま 主演ドラマ『35歳の少女』の好演が話題
過去は、現在の自分に連なって存在していることを実感
柴咲コウ このドラマのお話をいただいて、10歳の頃の自分の声を吹き込んだカセットテープを聞いてみたんです。そうしたら懐かしいという気持ちよりも、あの頃の情景がとてもリアルに目の前に広がってきて。過去というのは点ではなく、現在の自分に連なって存在していることを実感しました。
──現在の柴咲さんにも存在する“10歳の少女”の要素を、芝居にも生かしているということでしょうか?
柴咲コウ もちろん演じる対象は私自身ではないわけですが、人間の本質というのは幼い頃からそれほど変わらないんじゃないかなとカセットテープを聴いて感じたんですね。ということは、望美という女性の本質を捉えることができれば10歳でも中学生でも、それこそ35歳でも演じられるのではないかと、そんな気持ちで役に臨んでいます。
──柴咲さんが考える時岡望美の本質とは?
柴咲コウ 人を思いやることのできる女性ですよね。周りの大人からは偽善だとかきれい事だとか言われてしまうような──。でもその純粋さは“10歳”だからではなく、彼女が本質的に持ち合わせているもの。そんな彼女の存在を通して、バラバラになってしまった家族がどのように再生されていくのか、この先の台本をいただくのが私も楽しみです。
芸能界がより良い環境になるために変わり始めている
柴咲コウ 会社の設立は2016年で、いきなり起業し独立というわけではないんです。アパレルやプロダクトの企画開発といった企業活動も徐々に充実してきたなかで、エンタテインメントを扱う部署も加わったという形でした。
──ご自身も含めて、“独立ラッシュ”の芸能界の今をどのように捉えていますか?
柴咲コウ 日本の芸能界には昔ながらに根付いている慣習がたくさんあります。なかにいるとなかなか気づかないものですが、いざ外部の方と関わると「特殊だね」と指摘されることも多いんですね。
──例えばどのような指摘が?
柴咲コウ 例えば契約1つとっても「そんな不透明でいいの?」と驚かれたことがありました。情報化社会のいま、芸能界で働く人たちも一般社会の体制ときちんと折り合っていかなければならないと思います。いずれにしても芸能界がより良い環境になるために変わり始めている。今はそんなフェイズに来ているように感じています。
──大手事務所から個人事務所へ。働き方はどのように変わりましたか?
柴咲コウ 私は代表取締役でもあるので、自分が行動しなければ誰も動いてくれません。スタッフへの責任も伴いますし、やるべきことも格段に増えました。でも自分で決定権を持ち、こんな仕事をしたい、こういう形で向上したいと自らハンドルできるのは、自分には合っているような気がしますね。