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『愛の不時着』『梨泰院クラス』…若年層に裾野を広げた韓ドラ 『冬ソナ』以来の再ブームの必然性

ドラマ以外にも日本の先を行くエンタメシーン、韓ドラブーム到来の必然性

 多くの女性に愛される王道ラブストーリーや愛憎劇のほかにも、反権力志向が強く、庶民が権力を懲らしめる、金持ちや権力者を追い落とすといった流れの復讐劇は、本来日本ドラマのお家芸であった。前述の2作は、家族や恋人への愛、仲間との絆、困難を乗り越える努力や勧善懲悪の復讐劇といった、視聴者の感情を揺さぶる普遍的な要素に加え、大枠ではファンタジーも含みながら、詳細においてはリアルを追求。かつての日本ドラマを彷彿としつつ、巧みに描かれた脚本と演出でより質の高い作品を生んでいる。その力強いばかりの愛憎劇が生み出すカタルシスや安心感が、コロナ禍の不安な生活のなかの求心力になった面も大きいだろう。

 Netflix広報担当者は「『愛の不時着』(2月23日配信)と『梨泰院クラス』(3月28日配信)は、6月時点で配信開始から連続で総合トップ10(週間)入りしています。これほどまで長期間にわたり多くの方にご覧いただいているのは初めてです」とその反響の大きさに驚く。視聴アクセスの簡便さから、レンタル時代を凌ぐロングヒットになることが予想される。移り変わりの激しい時代にこうしたブームの長さも、新たな特徴のひとつだろう。そして、韓ドラブームの次なる期待作として、Netflix広報担当者は『サイコだけど大丈夫』(6月20日より毎週配信)、『サンガプ屋台』(2020年7月より全話配信)、『Record of Youth(原題)』を挙げ、続々と作品が控えている。

 作品力と時代性によって巻き起こされた新たな韓国ドラマブームだが、BTSやTWICEといったK-POPをはじめ、『PRODUCE 101』や『Nizi Project』といったオーディション番組、コロナ禍で圧倒的な差が出たライブ生配信サービスなど、韓国ではエンタテインメントシーン全体を通して良質なコンテンツを生む土壌が形成されている。ドラマだけでなく、そうした現状からも日本のエンタテインメントシーンが、韓国に先をいかれた感がある。

 昨年ヒットしたNetflixオリジナルドラマ『全裸監督』が海外でも注目を集めたが、作品力本位になる配信時代に、日本から世界的なブームを生む可能性も十分に秘めている。今後、日本から世界に羽ばたく新しいムーブメントに期待したい。

(文/武井保之)
(写真:Netflixオリジナルシリーズ『愛の不時着』独占配信中/Netflixオリジナルシリーズ『サイコだけど大丈夫』独占配信中/Netflixオリジナルシリーズ『ザ・キング:永遠の君主』独占配信中/Netflixオリジナルシリーズ『梨泰院クラス』独占配信中)

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