ミレニアム世代の歌姫デュア・リパがワークアウト音楽として注目されるワケ

 自宅でできるフィットネス系YouTube動画が人気を得る昨今、ワークアウトをテーマにしたYouTuberが増えてきている。自宅でコツコツと運動するのは大変だが、YouTuberによる的確なガイドがあれば1人でも自宅エクササイズに取り組めるし何よりも効果的、というのが人気の秘訣と言えるだろう。そんななか、デュア・リパの楽曲がワークアウト界隈で密かに注目を集めているのはご存知だろうか。ファッション・アイコンとして絶大な支持を集めながらも、昨年の『グラミー賞』にて、主要部門の「最優秀新人賞」を含む2部門を受賞するなど、音楽的にも正当な評価を受ける彼女がいったいどんな人物なのか、さまざまな側面から紐解いていく。

ワークアウト系YouTuberの台頭、モチベーションを上昇できる音楽とは

  • デュア・リパ

    デュア・リパ

 日本でもボディを美しく鍛えるワークアウトがすっかり浸透し、フィットネス・ジムで汗を流す老若男女も多い。そのトレーニングにおいて、最もモチベーションを上げてくれるのが音楽だ。実際ジムに足を運ぶと、テンションを高めてくれそうな音楽が多数流れ、それをあの空間で耳にしているだけでも発汗(デトックス)できている錯覚に陥ることもしばしばある。そうしたなか、YouTubeなどの動画サイトでは、自宅でのワークアウトを提案する映像が増え、ワークアウト系YouTuberはこれまで以上に注目されている。

 42万人以上の登録者数(4月9日現在)を誇る「のがちゃんねる」を運営するのがさんもそんな人気YouTuberの1人だ。「30日間2分間の腹筋チャレンジ」で話題を呼び、誰もが気軽にワークアウトができる動画が軒並み高い再生数を記録している。彼女もデュア・リパの楽曲を駆使したエクササイズを最近公開し、そちらも大きな反響を呼んでいる。

 エクササイズに没頭でき、かつ気持ちを上げてくれる音楽が求められるワークアウト動画。もともとデュア・リパの楽曲を使用したワークアウト動画は多く、彼女自身も「Don’t Start Now FULL BODY WORKOUT ROUTINE」や「Let’s Get Physical Work Out Video」など、ワークアウトをテーマにした動画をYouTubeで公開している。すでにフィットネス・ジムなどでも、その軽快なビートと力強いボーカルが、ワークアウトにぴったりハマり、モチベーションをさらに向上させてくれると人気を呼んでいた。

 海外では、TWICEのTTダンスを考案した韓国のダンサー兼振付師のリア・キムが、「ドント・スタート・ナウ」のコリオグラフィーを公開し、110万回以上再生されている(4月9日現在)。彼女と同じダンススタジオ「1MILLION DANCE STUDIO」のジン・リーや、米国人ダンサーのハミルトン・エバンスらも同曲で踊る動画を投稿。プロのダンサーからも熱い支持を受けている。

『グラミー賞』受賞など高評価を得る話題の新世代新ポップ・アイコン、デュア・リパ

 デュア・リパは、1995年生まれ、ロンドン在住。2015年にメジャーデビューし、アデルやサム・スミスなどもブレイクのきっかけを掴んだ英国の新人登竜門と呼ばれる『BBC SOUND OF 2016』に選出され、注目を集めた。2017年に発売したアルバム『デュア・リパ』収録の「ニュー・ルールズ」は、同世代の女性だけでなくLBGTQにも大きく受け入れられ、全英チャート1位を獲得(同チャートで女性ソロ・アーティストが首位を獲得したのはアデル以来2年ぶり)。2018年には人気DJ・プロデューサーであるカルヴィン・ハリスとコラボした楽曲「One Kiss」が全英チャートで8週連続の首位に輝き、『UEFAチャンピオンズリーグ』決勝の開会式でもパフォーマンス。英国最大の音楽賞『ブリット・アウォード』ではその年の最多となる2部門で最優秀賞に輝くなど、イギリスを代表するアーティストへと大きく成長した。

 さらに2019年の『第61回グラミー賞』では、「最優秀新人賞」と「最優秀ダンス・レコーディング賞」を獲得。女性ソロ・アーティストとしては最年少で(2018年2月時点)YouTube再生回数10億回突破という偉業を成し遂げるなど、ミレニアム世代を代表するポップ・ミューズという地位にまで登り詰めた存在なのである。

 また、アーティストとして活動する前はモデルとしてのキャリアがある彼女。SNSやMVでは、その洗練されたルックスとセンスを活かしたヴィジュアルを次々と展開し、彼女をロール・モデルとして真似する人が世界で増殖。音楽の枠を超えたカルチャー・アイコンのような存在感を放っている。

 もちろん、日本でも彼女の存在は早耳の音楽ファンにはすでに話題になっていた。2017年には『SUMMER SONIC』に出演し、圧倒的なボーカル力と美しいスタイルで魅了させ、翌年5月にZepp Tokyoにて行った一夜限りの初単独公演はチケットが即日完売するなど、人気の高さを見せつけた。

デュア・リパの音楽は、エネルギーを与えてくれるサプリメント

  • 2ndアルバム『フューチャー・ノスタルジア』

    2ndアルバム『フューチャー・ノスタルジア』

 4月3日に発売されたばかりの2ndアルバム『フューチャー・ノスタルジア』は、タイトル通り1970年代〜2010年代に至るまでの音楽の影響を感じるノスタルジックさを織り交ぜながら、2020年代以降の未来的(=フューチャリスティック)な音も匂わせる、ポップで刺激的な仕上がりになっている。

 グローバルで話題を呼んでいる「ドント・スタート・ナウ」や、1980年代パワー・ポップ「フィジカル」など、ボディを奮い立たせてくるようなダンス・トラックから始まり、INXSをサンプリングした「ブレイク・マイ・ハート」は、一定なリズムにあわせて、身体に負荷をかけていきたくなる。海外メディアのインタビューでデュアが、「ダンササイズのクラスで流れているような音楽を目指した」と語るだけあり、思わず身体が動いてしまうようなサウンドになっている。自然と理想的な身体に近づけそうなサウンド構成なのである。

 また、彼女の持ち味である芯のあるボーカルは、恋愛などをモチーフにした歌詞が多くありながらも、日頃の嫌なこと、もしくはフラストレーションを解き放ってくれるような。つまり、どんな苦難が待ち受けていたとしても、それを乗り越えていけるパワーを与えてくれるように感じる。

 デュア・リパの音楽は、全体として日々の生活にエネルギーを与えてくれるサプリメントのような役割があるのだと思う。新型コロナウイルスの拡大でなかなか思うように活動のできない状況が続いているが、音楽には規制など何もない、自由で理想的な空間が広がっているんだということを実感させてくれる作品にもなっているのではないだろうか。

(文/松永尚久)

デュア・リパの「ドント・スタート・ナウ」ワークアウト動画

「のがちゃんねる」【3分間】腕・腹筋を引き締めるプランクワークアウト

デュア・リパ オフィシャルサイト(外部サイト)

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