• ORICON MUSIC
  • ドラマ&映画
  • アニメ&ゲーム
  • eltha(エルザ)
  • ホーム
  • 芸能
  • 『女王の教室』“いじめっ子”伊藤沙莉 芸歴17年目にして飛躍のきっかけは、天海祐希の“震える”一言

『女王の教室』“いじめっ子”伊藤沙莉 芸歴17年目にして飛躍のきっかけは、天海祐希の“震える”一言

忘れられない天海祐希からの言葉「必ずどこかで誰かが見ているから、そのままでいて」

――過去には「容姿だけで視界に入れてもらえないのが嫌だった」「きれいじゃないとメインを張って立てないと思っていた」と明かされていますよね。

伊藤沙莉あはは!ありましたね。傷つくってことはそこ(容姿)で勝負してたんだよなと、私はそこじゃないよな、と今となっては思います。もちろん過去にそういうことを思い知ったことが今につながっているとは思います。私がやりたいのはお芝居だし、誰かに響けばいいんだと。それこそ、コンプレックスだった声も、大事にするようにもなりました。

――今思う、“伊藤沙莉らしさ”とは何でしょうか?

伊藤沙莉「綺麗に見えたい」とかはさらさら捨てているので、自分に制限をかけず、守りに入らないようにしてるのは、意外と強みなのかなと思います。たとえば変顔にしても全力でやりますし(笑)。求められたことは全力で受けて応えたい。ちょっとテイストは違うんですけど、お仕事で脱いだ時も同じ気持ちでした。

――映画『獣道』のセクシー女優、『タイトル、拒絶』ではデリヘル嬢を演じるなど、体当たりの演技が話題となりましたよね。

伊藤沙莉シーンの意味を聞いたとき、しっかり答えてくださる監督だったので、何の恥ずかしさも躊躇もありませんでした。守るべきところは守りますけど、作品において必要なことであれば迷いなくやります。
――どんな時でも全力で向き合うその姿勢が、誰もまねできない“伊藤さんらしさ”を生んでいるのかもしれませんね。

伊藤沙莉『女王の教室』で天海祐希さんとご一緒した時に忘れられない言葉があって。撮影後に、あの怖い真矢先生に呼ばれたんです。絶対怒られる…!と思って震えていたんですけど、当時11歳だった私に、「あなたは教室の隅でもカメラを映っていない時でも本当に気を抜かないし、手を抜かないね」とめちゃくちゃ褒めてくださったんです。「誰も見てないようなところで、一生懸命表情を作ったり動いたりしていて、私はいつもそれを見てる。私は宝塚っていうところにいたんだけど、端っこで踊らなきゃいけない時もあって、“私のことなんて誰も見てない”って思うこともやっぱりあるのよね。でも、必ずどこかで誰かが見ているから。絶対にそのままでいて。これ以上も以下もないから」と。

――それをずっと覚えていて、伊藤さんの原点になっているのですね。

伊藤沙莉その時はまだ子どもだったのでちゃんと深い意味までわからず、ただ「はい!」って元気よく答えたんですけど(笑)、未だに忘れられないですね。当時は無意識でやっていたのですが、それを見て褒めてくれた方がいたのはすごく幸せなことだったと思います。その後も学園ドラマなど、メインではない役柄が多かったのですが、いつもその言葉は忘れないでいました。どの立ち位置でも全力でやることは、今でも大切にしています。

――若くして芸歴17年、天海さんをはじめ錚々たる俳優陣とご共演されてきましたが、改めてどのような役者を目指したいですか。

伊藤沙莉本当に恐れ多いんですけど、樹木希林さんと共演するのがずっと夢だったので、叶わなくなってしまったことがすごく残念で。訃報を聞いたときは、1人で泣きました。だから今は、この先私がこの世からいなくなった時、「共演したかった」とこれほど悔しがる若者がいるぐらいの役者になれたらいいなと思います。何の技術を得て、とかはよくわからないので、そういう存在になれたら幸せですね。
 学校では「売れない子役」というあだ名がつき、“いじめっ子”のイメージから私生活でもしてもいないいじめの犯人に疑われ、オーディションでは認められない日々が続き、子どもながらに人一倍悔しい思いをしてきた。そんな中、有村架純、土屋太鳳、武井咲…、同世代で後輩ながらメインに立つ女優が次々と出てくる。「容姿だけで視界に入れてもらえなかった」と語る伊藤は、どうにか注目してもらおうと悪目立ちする癖がつき、それが重荷になっていることもあったという。

 しかし、10年以上もの間、天海祐希からの“金言”を胸に、たとえ隅っこでも、一瞬でも、全力で役に向き合ってきた彼女は、容姿だけではない武器や実力を着実に身に着けた。すでに人気を確立しつつあった2年前にも、有村架純・松本潤主演の映画『ナラタージュ』で、伊藤が1秒足らずのシーンだったにもかかわらず出演依頼を受けたというエピソードからも、その信念がうかがえる。

 彼女の憧れ、樹木希林さんも生前こんな言葉を残している。「セリフがあまりない役をずっとやってきたから、自分で存在感を示していくしかなかった」(『一切なりゆき 樹木希林のことば』(文春新書)より)伊藤も同様、長年メインではない役を重ねてきたからこそ、独自の存在感が確立されたのであろう。いまやどのポジションでも、作品全体に“伊藤沙莉”というスパイスを与えられる役者となった彼女の、今後の更なる活躍に期待したい。


(文・辻内史佳)
前へ
  • 1
  • 2

オリコンニュース公式SNS

Facebook、Twitterからもオリコンニュースの最新情報を受け取ることができます!

 を検索