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最も不満に感じるのは「指導・育成」? 令和新入社員が明かす本音

新聞社勤務Iさん「はじめてのひとり暮らし、不安しかなかった」

「地方勤務ではじめてのひとり暮らし、全く知り合いのいない土地での生活…すべてが不安でした」

 大手新聞社の地方支社で新人記者として奮闘するIさん(23歳・女性)は、入社前の気持ちをそう明かした。大学まで実家暮らし。念願の記者になれたが、就職とともに環境が一変した。

「それでも、すぐに慣れました(笑)。もともと家事はほとんどやっていたし、同業他社との付き合いや取材先の出会いなども多く、知り合いも友人もあっという間にできました」

 職場は徹底した現場主義。入社3ヶ月で高校野球県大会をひとりで担当した。早朝から何試合も取材にでかけ、原稿をまとめる。休みはもちろん、十分な睡眠時間も確保できなかった。

「正直、心が折れかけましたが、デスクや先輩方に初めて“よく頑張った”とほめてもらえて嬉しかったですね。長い読み物記事を書き上げることができたのも自信につながりました」

 前出のSさん、Yさんが不満と感じている会社の『指導・育成』について訊ねると、Iさんは恵まれた職場環境への感謝を口にした。

「もちろん怒られたり注意されることは日常茶飯事ですが、傷つくような言い方ではなく、何がダメでどう直すべきかを示唆してくださいます。大抵は自分に落ち度があるので、注意してもらえるのはありがたいと思っています。社風も自由で、年次に関係なく好きなことに挑戦できる環境にも感謝しています」

エンタメ系会社勤務Mさん「会社はブラック、友人の言葉が心の支え」

 今回、話しを聞いた中で最も深刻な悩みを抱えていたのが、エンタメ系の会社に就職したMさん(23歳・女性)だ。

「もう何度“辞めよう”と思ったことか…。上司にストレスのはけ口として使われているんです。モラハラやパワハラを毎日感じるし、もう機嫌をうかがうのも面倒です。仕事も忙しく9〜10連勤は当たり前で、代休の消化もできません」

 最悪な上司に激務、加えて無駄に長い会議や悪しき慣習もストレスになっている。

「5〜6時間の会議は当たり前で最長は9時間。しかも頻繁にある。その他に驚いたのは、社内の慣習で夏休みが連続取得できなかったこと。急な仕事が多いので、有給承認後の取り消しも横行しています」

 新入社員でなくとも転職を考えるレベルだが、Mさんは最低でもあと2年は働くつもりだ。

「3年目の先輩が裁量をもっているので、その段階でどれだけ仕事を任せてもらえるかを見極めたい。想像以上に忙しく“いつ結婚できるのか”という不安も増えたけど、今は、希望の部署に配属されていること、友人に『良い仕事しているね、夢を与える仕事だね』と言われることが心の支えです」

エキスパートが教える令和新人の育成法と新入社員の心得

 彼らの悩みは個人に限ったものだが、人事労務の調査研究を行う『産労総合研究所』の「新社会人の採用・育成研究会」事務局によると、会社の「指導」「環境」が不満要素になりやすいのは、令和元年入社の特徴でもあると言う。同研究会では、2019年3月に令和新人を「呼びかけ次第のAIスピーカータイプ」と発表。“AIスピーカーは多機能だが、機能を十分に発揮させるためには、細かい設定や別の補助装置が必要”と分析している。

「あくまでも傾向ですが、令和世代は様々な可能性を秘めており、上手な呼びかけ(教育や指導)や環境整備によって伸びていく人材であると感じています。一方、短所としては、なかなか自ら積極的に動こうとしないところがありますね」(産労総合研究所「新社会人の採用・育成研究会」事務局、以下同)

 続けて同研究会担当者は、令和世代の指導方法についてこう話す。

「指導役は『新入社員とはいえ大人なのだから言わなくてもわかる』『仕事は先輩の背中を見て覚える』という発想はなくすこと。令和世代には、ひとつひとつの仕事の意義や効果など、丁寧な指導と説明が必要で、それも明瞭で論理的な言葉で伝えることが重要です」

“熱血指導が当たり前”“仕事は現場で学べ”という環境で育った社会人諸兄姉の中には、渋面を浮かべる人も少なくないと思われるが、令和世代の長期雇用を望む場合には「欠かせないこと」という。

「バブル崩壊後の1996年に生まれ、大企業の倒産やリストラ、就職氷河期そして最近ではパワハラや長時間労働による新入社員の自殺などを見て育ってきているからか、企業に対しての期待が薄く、終身雇用や入社したらその会社に骨を埋めるといった日本的雇用慣行への思い入れはあまりないようです。また、最近の売り手市場などもあり、経済的に豊かな世代なので、就職に対して醒めている感じもあります」

「新卒の3人に1人が3年以内に離職する」と言われる昨今。彼らの定着率向上は企業の大きな課題だが、それには受け入れる側の積極的な働きかけとフォローが重要と言えそうだ。この春には、早くも令和2年度のフレッシャーズが誕生する。最後に、彼らを受け入れる指導役、フレッシャーズ自身への心得を聞いた。

「指導役は、新入社員をひとくくりには見ないようにし、ひとりひとりを見つめた丁寧な育成が必要です。『会社に定着させる』のではなく、『仕事をするという世界に定着させる』というスタンスがいいでしょう。フレッシャーズは、入社した組織内で、近未来の自分の姿(モデル)をみつけられないと、壁にぶつかったように感じるかもしれません。また、人との関係性を築くことが壁かもしれません。そんな時は、これまでに会ったことのない人や経験したことのない場に対して、『合う』『合わない』と瞬時の判断に頼らないことが大事です。入社前に人との関係の築き方、人との距離のつめ方を、日常的に実践しておく(例えば、身近な人の仕事の話を、自分が腑に落ちるまで具体的に聞く等)のもよいのではないでしょうか」
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