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「コメントは荒れるほどおもしろい」ネットでの誹謗中傷を漫画にした作者語る“アンチの心理”

  • 夏ノ瀬さんの実録漫画にはアンチコメントが趣味と語る女性が描かれている(画像提供:夏ノ瀬いのさん)

    夏ノ瀬さんの実録漫画にはアンチコメントが趣味と語る女性が描かれている(画像提供:夏ノ瀬いのさん)

 SNSでの誹謗中傷に悩まされる人が後を絶たず、自殺にまで発展するケースもある昨今。その中で“アンチコメントを送るのにハマっている”という人と実際に話をした漫画家の投稿に注目が集まっている。投稿主は夏ノ瀬いのさん(@stylish_gorilla(外部サイト))。「アンチコメントをする対象のことは、好きでも嫌いでもない」「ストレス発散、寝る前のルーティーン」「これだけグットが付いて凄くない?」とネット上で誹謗中傷することを平然と語る、とある女性の様子が漫画で描かれている。

アンチコメントが趣味という女性を前に「いったい何を言ってるのか分からなかった」

 夏ノ瀬さんはとある飲み会に参加し、一見とても好印象に見える女性と出会った。最初は話も弾んでいたが、徐々にお酒が回りはじめた頃、その女性が自身の趣味を語り出す。

「ユーチューバーの動画にアンチコメントを送るのにハマっているんですよ〜」と話す女性。「信者は必死に言い返してくるし、アンチは全力で乗っかってくる」「私の(アンチ)コメントにこんなにグッドがついてる」と周囲に自慢し始める。アンチコメントを送るYouTuberは好きでも嫌いでもなく、ただ自身のストレス発散のためにやっている、コメントが荒れれば荒れるほど“おもしろい”と語る。

 夏ノ瀬さんはこの女性と話をして、「いったい何が女性をこのようにさせたのか不思議で仕方がなかった」という。

「その子は本当に身なりもきれいで、人間関係も問題のなさそうな子で。いったい何を言っているのだろう…何がこの子をそうさせたんだろう…と、そればかり思っていました。人間誰しもが持っている承認欲求がおかしな方向に働くと、こうなってしまうのかなと怖かったです」(夏ノ瀬さん、以下同)

 Twitterでは「怖すぎます。武勇伝のように語って聞かせる精神が本当に怖い」「ストレス発散するなら誰にも迷惑かけずにやってほしい」「“アンチを気にするだけ無駄”と遠回しに教えてくれた、実はいい人なのかも」など、様々な反響が。

「私自身もフォロワーさんの数が増えてきた中で、心無い言葉を投げつけられる機会も増えてきました。この漫画は、『そういえばアンチの実態ってこんなんだったよな…気にすることないよな…!!』と、自分にも言い聞かせるつもりで描きました。思いのほか、こんな人よくいるよねという声も多く、気軽にアンチコメントを送る人たちは本当に一定数いるんだと、改めて認識した出来事でした」

責任もなく発言できるからこそ起こる誹謗中傷「どこかでその過ちに気づいてほしい」

 最近では、ネット上での心無い誹謗中傷によって死を選んでしまったと報道される芸能人のニュースもある。SNSで活動の幅を広げるYouTuberやクリエイターにおいても、被害にあって苦労しているという人も多い。夏ノ瀬さんは、このような現状をどうとらえているのか。

「匿名でなんの責任も持たず発言できる時代だからこそ、こう言った心無い行為ができるんだろうと思います。実際目の前にいる人に向かって、暴言は吐かないじゃないですか。彼らには画面の先に人がいることや、事態がどう向かうかなど、全く想像できてないんだろうなと感じます。本当にどこかでその過ちに気づいてほしいです」

 夏ノ瀬さんは自身のSNSアカウントで「はじめて心が折れた人」という漫画を発信。自身の進路ややりたいことについて悩んでいた様子を実録漫画として記し、その中で“心無い人から受ける、心無い言動”に人一倍向き合ってきた過去がある。

「私自身、昔心が折れてしまったことがあり、その時のことを2年ほど引きずっていたんです。その経験を漫画に描き起こすことで改めて客観視でき、発信することで自分の中で昇華していたんだと思います。“言葉”は受け手によって捉え方が変わってしまうものなので、全員に同じ感覚を共有できる訳ではないことは前提にしています。『はじめて心が折れた人』という実録漫画では、私と似た境遇の方たちの心に少しでも寄り添える表現を心がけました。大層な名目があって発信している身分ではないのですが、今後も心の疲れた人が見た時に少しでも共感出来たり、クスッと笑えたり、そういう作品を作っていきたいです。もちろん元気な人にも笑ってもらいたいですね」
PROFILE/夏ノ瀬いの
Twitter:@stylish_gorilla(外部サイト)
大阪府出身。高校卒業後、アニメーターを夢見て進学した専門学校を中退。現在はイラストレーターとして活躍。LINEスタンプ(外部サイト)が発売中。自身の体験を交えたコミックエッセイ『「もう頑張れない」って言ったって、君の価値は下がったりしない』(KADOKAWA)が発売中。
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