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増える児童向け“トリセツ本”、現代の女子小学生が抱える1番の悩みは「人間関係」

 最近、書店の児童書コーナーに増えているのが、子ども向けに作られたコミュニケーション術の指南本。教育学者や作家など著名人を監修に立てた読み物から、偉人の言葉を元にしたものまで、内容の切り口は様々だ。中でも小学生女子に特化し、友人関係、男の子、カラダ、オシャレなど、その年代が直面する悩みに答える本を作り続けているのが、西東社の「ミラクル」シリーズ。読者からの反響や、児童向けの指南本が持つ意味について編集部の大橋久美さんに聞いた。

情報量に伴い悩みも増加 小学生女子が「欲しかった本」を研究

――心理テストや怖い話、おしゃれ、悩み相談など、児童向けに様々なジャンルを発行している「ミラクル」シリーズ。2009年に発行をスタートさせた経緯を教えてください。

【大橋さん】新しいタイプの児童書を作りたいと思い、友人関係、恋、ファッションなどを気にし始める小学校中学年から高学年の女の子にターゲットを絞った本を制作しました。この年代の子たちがどういうものを「かわいい」と感じるのかを研究し、華やかでかわいい、キラキラしたイラストとデザインにこだわりました。

――当初の内容はどんなものだったのでしょうか?

【大橋さん】最初は心理テストやうらないなど、遊びを通じて友だちや気になる男の子と仲よくなれる内容からスタートしました。その後、「大人が欲しいもの、悩むことは子どもも同じ」ということを感じ、大人向けの本や雑誌で反響があるようなテーマをもとに、かわいい文字&イラストの書き方、ヘアアレンジ、お料理レシピなどのハウツー本であったり、お仕事図鑑など将来を考えるものへと広げていきました。
――様々なジャンルの「ミラクル」シリーズを制作される中、2018年5月に『ミラクルガール相談室 女の子のトリセツ』を発売したきっかけは?

【大橋さん】類書も増えてきて、市場が飽和状態になっていると感じていました。時代によって子どもたちが気になるテーマは変わりますし、どういう見せ方がおもしろいと感じるかも変わるので、新しい「ミラクル」シリーズを作ろうと考えたのがきっかけです。

――悩み相談という内容にしたのはなぜでしょうか?

【大橋さん】10年前よりも子どもたちが触れられる情報は増え、気になる対象も変わり、そのぶん悩みも増えていると感じたからです。とにかく読者の女の子たちに寄り添い、「こういう本が欲しかった」と言ってもらえるものにしたいと思い、「悩みに答えながら知りたい情報を伝える」という形式にしました。
――制作する上で心掛けたことはありますか?

【大橋さん】あまり深刻にならず、楽しみながら読んでもらうために、あるあるマンガ+解説という構成にして、キャラクターに自分を投影して、情報が入ってくるような作りにしました。

――発売後の反響はいかがでしたか?

【大橋さん】新しい構成なので心配していましたが、発売当初から予想以上に売れ、読者からたくさんお手紙をいただきました。自分も同じように悩んでいて、解決できたという感想が多く、うれしかったですね。

編集部に悩みの手紙も…第2弾は「いじめ」問題にも切り込む内容に

――今年5月には『ミラクルガール相談室 女の子のトリセツ トキメキdays』を発売されましたが、第1弾との違いは?

【大橋さん】第1弾を読んでくれた読者から、たくさんのお手紙と悩み相談をいただきました。第2弾では、いただいたお手紙に答えるとともに、「いじめ」についても多く取り上げています。巻を追うごとに、よりリアルな声に答えられるようにしていければと思っております。
――7月に姉妹本として登場した『ミラクルガール相談室 ヒミツのステキ女子☆レッスン』のポイントは?

【大橋さん】『女の子のトリセツ』とは違い、「悩み解決」から、やり方や知識を詳しく伝える「レッスン」という形にしました。読者の女の子たちの悩みや興味に寄り添う点や、マンガを読みながら知識がつく点は変わらないのですが、テーマを少し絞ることで、より深く情報を伝えられるようにしました。

――3冊とも共通して「友人との関係性」という悩みは、必ず入っているような気がします。

【大橋さん】お手紙をいただく中で、一番多い悩みが「友人関係」です。また、ひとくくりに「友人関係」といっても、「親友がほしい」「クラスで人気者になりたい」「グループに入れない」「仲のよい友達なのに嫌な気持ちになる」「いじめについて」など、とても範囲が広いテーマでもあります。この年代の子どもたちは生活の大半を友人とともに過ごし、範囲が狭いぶん、より深いつきあいになるため、多くの悩みが「友だち」に関連してくるのだと思います。
――人間関係は、個人個人で状況の違いもあり、解決へ導くには難しい問題だったりもします。読者の悩みが少しでも軽くなるように心掛けている点はどんなことですか?

【大橋さん】『女の子のトリセツ』では100名以上の同世代や、先輩である中学生にアンケートをとりました。解決策は1つではないですし、答えがでない悩みもたくさんあります。それでも、同じ悩みをもつ子たちの声や体験談を掲載することで、悩んでいるのは自分だけではないと安心できたり、「こうしてみよう」と前向きな気持ちになれればいいなと思っています。

個を尊重する教育に変化 親も学校も悩んでいる「子供の目線に立つこと」

――『女の子のトリセツ』シリーズ以外にも、これまで小学生の女の子を対象にした本をたくさん作られてきたと思いますが、取り上げる内容や反響のあるジャンルに変化はありますか?

【大橋さん】たとえばプロフィール帳(友達にプロフィールを書いてもらい、それをバインダーにとじたもの)が流行ったり、調べ学習が始まったころに出した『イラスト&デコ文字マスター』は、かわいい書き文字やメッセージイラストを描きたい需要と合い、とても反響がありました。

――『お仕事ずかん』も人気テーマと伺いました。

【大橋さん】そうですね。『お仕事ずかん』は、女の子のなりたい職業が「お花やさん」よりも「医者」や「モデル」になったことに注目して、230種ほどの職業を掲載しました。ちょうどその後に学校で「2分の1成人式」など将来を考える授業がはじまったりして、とても多くの読者に手に取っていただけたと思います。リニューアル版には、ユーチューバーやインスタグラマー、ハンドメイド作家、アニメーターなども巻頭に掲載しました。
――昨今、児童書のカテゴリで子どもたちの人間関係を指南するような書籍が増えている傾向にあると思いますが、御社ではどのように感じていますか?

【大橋さん】情報が増えるとともに、子どもたちの人間関係も複雑になっているのだと思います。家族の形態や生活環境も一律ではなく、学校教育も個を尊重するものに変わってきています。様々な環境で様々な考えをもつ人に対し、どう接し、どう伝えるべきか、子どもたちだけでなく、親も学校側も悩んでいるのかもしれません。だからこそ、「人間関係」をテーマにした本に需要があるのだと思います。
――子どもたちの悩みを解決に導くための本の役割は、どんなことだと思いますか?

【大橋さん】自分や相手がどうすると楽しいのか、悲しいのか、うれしいのか、嫌なのかを読者の目線で伝えることが大切だと思います。正解を押し付けるのではなく、あくまで1つの提案であり、いろいろな選択肢があること、その結果どうなるかを想像できるようになってもらえるといいと思います。

――今後、取り組んでいきたいジャンルや展開などがあれば教えてください。

【大橋さん】「ミラクルガール相談室」シリーズは、「トリセツ」と「レッスン」の2つを軸に今後も広げていきたいと思っています。「トリセツ」はできるだけ多くの悩みへの解決法を提案し、「レッスン」は“子ども向けの本にはこれまでなかったけれど実は知りたかった!”という情報を楽しく伝えられるように展開していくつもりです。

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