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『ONE PIECE』完結まで「あと5年」カウントダウンはじまる 編集担当を直撃

(撮影:長谷部英明) (C)ORICON NewS inc.

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ワノ国編は『ONE PIECE』の最終回に深く関わるストーリー

――そういう情報を、原作ではなく『STAMPEDE』で出す事をOKしたというのは、20年の中で尾田先生の映画に対する見方が変わってきた部分もあるのでしょうか?

内藤多くの読者にとっては、漫画の『ONE PIECE』もアニメの『ONE PIECE』も、同じ『ONE PIECE』です。無論、アニメの原画を尾田さんが描くわけではないですが、そうした認識に対して完璧に戦いきりたいという並々ならぬ気概があると思っています。

 『ONE PIECE』みたいな作品は、完璧主義者でなければ絶対に作れません。普段の打ち合わせも、来週描く話が過去に描いた物語と齟齬(そご)が出ないかという確認にかなりの時間をかけます。この巨大な世界は毎週毎週、相当緻密に描いているんです。この常人ならざる『ONE PIECE』への向き合い方……あまりにも大勢の人が『ONE PIECE』を読んでいて、楽しみに待ってくれているという甚大なプレッシャーへの立ち向き合い方が、たとえ原作であれ映画であれ、「ラフテル」のつづりに設定と違うものを記さなかったという貫き方だと思っています。

――原作との関連という点では、『STAMPEDE』の敵役・バレットが、元ロジャー海賊団の船員だったという設定も出てきますね。

内藤はい。つい最近も『週刊少年ジャンプ』でロジャーの懸賞金が明かされて話題になりましたが、やはりロジャーは「大海賊時代を作った男」として、誰もが気になっている存在だと思います。第1巻の最初の1ページに登場して、一言で時代をつくり変えてしまった男。ラフテルにたどり着き、ONE PIECEの正体を知る男。その始まりのキャラクターについての話を、今この「ワノ国編」というタイミングで明かしていっている事には当然大きな意味があるでしょう。尾田さんの表現を借りて一言で言うなら、「ワノ国編は『ONE PIECE』の最終回に深く関わるストーリーである」という事です。

 もう一段突っ込んで言いましょう。「ワノ国編で描かれる回想は、このゴールド・ロジャーの伝説の冒険を描く事になる」と。それがどうワノ国や光月おでん、そしてルフィへと絡んでくるかはもちろん伏せますが、このワノ国編は『ONE PIECE』の根本を知るうえで絶対に読んでおくべき最重要なシリーズだと断言できます。このシリーズは「ONE PIECEとは何なのか?」という最大の核心につながっていくでしょう。

――大変衝撃的な内容のお話ですが、これ記事にしてしまって大丈夫でしょうか…。

内藤尾田さんには了承を得ています。なぜここまで言ってしまうかといえば、そんな今だからこそ皆さんに『ONE PIECE』を読んでほしいからなんです。誤解を恐れずに言うなら、途中で読むのをやめちゃった人には、そこを飛ばしてでも今の「ワノ国編」から読んでほしい。しばらく『ONE PIECE』をお休みしていた人でも良い機会で、ワノ国編はコミックス91巻から読み始められる作りになっています。

 91巻はルフィが昔の日本のような場所に座礁して、一人で冒険をはじめる所からスタートします。この感覚も、実はすごく久しぶりなんですよ。今では“麦わらの一味”の仲間がいっぱいいますけど、最初はルフィが一人で小舟に乗って、大海原へ漕ぎ出す所から『ONE PIECE』は始まりますよね。その「一人での冒険感」が91巻の冒頭にはあって、懐かしいと同時にきっと新鮮な気持ちで読めるはずです。

 そしてルフィは「お玉」という少女に出会うのですが、このお玉はなんとエースと知り合いで、つまりルフィとも因縁がある事になる。ここから「ワノ国編」の物語が動き出す…と考えれば、91巻から(現時点での最新刊の)94巻まで、たった4冊で最新の『ONE PIECE』に追いつけるんですよ! もちろん担当編集としては1巻から全部読んでほしいのが大前提ですが、それが難しいなら91〜94巻だけでも絶対に今読んでほしい。

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