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有明は数年に一度の大寒波で“ホワイトコミケ”再び? 気象予報士・依田司が提言「低体温症のリスク対策を」
大寒波が襲来、レーダーに捉えられない“忍者雲”が雪を降らせる?
「2017年末は冬コミの最終日である大みそかに東京で雪が舞いましたが、今年も可能性としては十分に考えられます。北極からの寒気が長期間滞在する様を“寒波”と呼んでいますが、27日ごろから正月三が日にかけて今シーズン初の寒波が列島に滞在し、非常に強い冬型気圧配置が続く見込みです。冬型気圧配置の場合、東京では雪が降らず空っ風が強く吹く冬晴れになるのですが、例外が二つあります」
「一つは、上空の寒気が非常に強い場合、ゲリラ豪雨のように突然積乱雲が頭上に湧いて雪を降らせるケースです。今回の寒波は数年に一度レベルの強さであり、29日午前中にかけてが一番のピークになるため、大気の状態が不安定になり一時的に雪を降らせるかもしれません」
「二つ目は、“忍者雲”が雪を降らせるケースです。冬型が少し緩むタイミングで、仙台平野経由と濃尾平野経由の北西の季節風が関東の沖合で合流し、予測困難な雲を作ることがあります。この雲は背が低くレーダーでも捉えにくいため、気象業界では“忍者雲”と呼んでいます。この“忍者雲”の発生する可能性があるのが31日大みそかです。昨年と同じ日ににわか雪がハラハラ舞って、“ホワイトコミケ”になるかもしれません。ただし、南岸低気圧のように大雪にはなりません。可能性としては、にわか雪、通り雪ですのでお間違いなく。いずれにしろレアケースですので、ホワイトコミケに居合わせた方には幸運が訪れるかも知れませんね」
海沿いの会場では最大瞬間風速25メートル! 「レイヤーやミニスカ女子は注意を」
「冬コミの期間は、北西の季節風が吹き続ける見込みです。連日、最大風速8メートルから10メートル、最大瞬間風速で20メートルから25メートルが予想されます。駐輪場の自転車がバタバタ倒れたり、交通機関が乱れたり、工事中のビルの足場が崩れたりするほどの強風です。しかも、東京ビッグサイトは海沿いの施設であるために強風がまともに吹き付けますし、ビルの間を吹き抜けるビル風は強度が何倍にもなるでしょう。何か物が飛んできて怪我をする危険もありますし、自分の荷物が吹き飛ばされるかもしれません」
「そして、何より心配なのは女性陣のスカート! かつてのマリリン・モンローや丸善石油のCM『oh!モーレツ』の小川ローザさんのように、スカートが大きくめくり上がること間違いありません。できればジーンズなどを推奨しますが、レイヤーの皆さんやミニスカをこよなく愛する女子力の高い方々は、毛糸のパンツなどの“見せパン”が必須です」
夏コミでもあった低体温症、マイナス10℃の体感温度でさらなる危険も
「夏のコミケでは、雨と風に体温を奪われ、低体温症でダウンした方もいたようです。そして今回は、命さえ落としかねない冬の低体温症にかかる方が続出する恐れがあります。数年に一度レベルの強烈寒波の影響で、期間中の朝の最低気温は都心でマイナス1℃前後が予想されています。さらに、吹きつける風は風速10メートル前後。体感温度は風速1メートルにつき1℃下がりますので、マイナス10℃ほどの寒さにさらされることになります。その環境で入場待ちの列などに数十分、数時間じっとしていると、リスクは増大。対策は、体温を下げない工夫をするしかありません」
「防寒できる服装が望ましいでしょう。インナーは保温性の高いものを重ね着し、アウターは風を通しにくいものを選んでください。さらに、マフラーなどで風の侵入を防ぎ、手袋や耳あてなどで肌の露出を抑えてください。携帯カイロは背中や腰回りに当てておくと効果的です。さらに、厚手の靴下と靴用カイロで足元も完全防寒で臨んでください」
「低体温症の初期症状は、体が激しく震える、歯がガチガチ音を立てなるなどがありますが、さらに症状が悪化すると震えが止まり、動作がぎこちなくなり、頭がぼんやりします。仲間同士で声を掛け合い、体調を注視しましょう。危ないと感じる前に手当てをしたり、スタッフに声をかけてください。また、低体温症になりやすいのは、子どもやお年寄り、体調不良や疲れている人。水分不足も原因となります」
コミケでは、全国各地から長距離移動して来る人や、連日来場する人も多いが、事前に疲れを溜めたり、睡眠不足で臨むことは禁物。低体温症の危険にさらされないよう、現地に行く前から体調を整えておきたいものだ。