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『キャベツライス』も話題に、健康志向で“カット野菜”の新機軸続々

 切られた野菜を袋詰めにしたカット野菜の需要が伸び続けている。農畜産業振興機構の調査によると、2011年に約1330億円だった市場が2017年には約2420億円にまで拡大しているという。またカット野菜も、例年進化を遂げている。キャベツの千切りといったサラダだけでなく、 “麺”や“ライス”の代替品となる商品までも発売されている。進化するカット野菜についてメーカーに話を聞いた。

『ベジタブル麺』開発のきっかけは“ダイエットの続かなさ”

 カット野菜市場で国内最大のシェアを占める「サラダクラブ」は10月末、野菜を麺状にカットした『ベジタブル麺』3種(にんじん、だいこん、ケール)を発売した。『ベジタブル麺』は、野菜を細長く麺状に切った新感覚のカット野菜だ。ラーメンやうどん、パスタといった麺を半分、『ベジタブル麺』に置き換えることでカロリーや糖質を抑えられ、かつ野菜を摂取することができる商品となっている。

 開発のきっかけについて、同社の商品開発チームの大野祥子さんは、自身の“ダイエットの続かなさ”だと話す。「糖質ダイエットなど、いろいろなダイエット法を試しましたが、なかなか続けるのは難しくて。こういう商品があったらいいなとずっと思っていました」大野さんは、あえて糖質と一緒に食べるものとして『ベジタブル麺』を開発。糖質ダイエット中で野菜だけでは物足りない人も、半分は糖質を摂取することができるため、満足感が得られるのだという。
 開発期間は約1年。『ベジタブル麺』にする野菜は「麺に合うかどうか」で選定した。「麺状にカットすることが前提だったので、細長くカットできるものをベースに、お客さんになじみのある野菜で、生でサラダとしても食べられるものを選びました」(大野さん)またケールは、近年スーパーフードとして注目されている食材のため、取り入れたという。

 目標出荷数は月間で4万パック。現在、『ベジタブル麺』はカット野菜の横などで販売されているが、大野さんが目指しているのは、野菜の主食化だ。「うどんやそばの横に『ベジタブル麺』が並んでいたらうれしいなと。今後も、米や麺などの主食を野菜に置き換える提案をしていきたいですね」(大野さん)

キャベツの芯まで無駄なく商品化した『キャベツライス』

 「サラダクラブ」が『ベジタブル麺』と同時に販売した『キャベツライス』にも注目が集まっている。ネット上では「キャベツなの?ライスなの?」と話題となっているが、同社の商品開発チームの菊地瑠美さんは「あくまでキャベツです(笑)」と話す。
 『キャベツライス』は、キャベツの芯をお米サイズに切ったカット野菜。『ベジタブル麺』と同様に、糖質が気になる方向けに開発、レンジで温めたり、炒めたりして食べる商品となっている。同社によると、月間で5万パックの出荷数を目指しているという。「『キャベツライス』は加熱すると、キャベツ独特のにおいが消え、甘みが増すんです。またシャキシャキとした食感は残るので、カレーやチャーハンなど主食メニューのお米の代わりに活用してもらえたら」(菊地さん)
 海外では、以前からベジタブルライスがはやっており、「ブロッコリーライス」や「カリフラワーライス」といった商品が展開されている。日本でも、大手スーパーの「イオン」が『トップバリュ お米のかわりに食べるカリフラワー/ブロッコリー』を発売するなど、ベジライスに関心が寄せられている。

 サラダクラブもさまざまな野菜でベジライスを試したが、キャベツが一番甘みがあり、味にクセがないため、選定したという。またこれまでキャベツの芯はカット野菜を製造する際に不要のため、肥料などに充てて処理されていたが、その分費用もかかっていた。ベジライスなら、キャベツをまるごとカット野菜として活かすことができるため、菊地さんは「野菜の芯まで無駄なく商品化できたのは画期的」と話す。

単身男性や高齢者にも好評

 カット野菜は、ダイエット中の若い女性だけでなく、主婦層や単身男性、高齢者からも好評だ。モヤシなどの発芽野菜を生産する「サラダコスモ」は、袋ごとレンジで温めて使用するタイプのカット野菜を販売。同社の『このままレンジ 6品目の温野菜サラダ/3品目のナムルサラダ』は主婦層に、『野菜増し袋』は単身男性に好評だという。

 同社の営業本部長の宮地隆彰さんは、主力商品の「大豆イソフラボン子大豆もやし」を活かすために開発したと語る。「子大豆もやしは火が通りづらいため、炒めると時間がかかる。だがレンジで温めると、すぐにホクホクになった。またゆでて使用すると栄養成分が溶け出してしまうが、レンジで温めると蒸されるため、栄養成分をそのまま摂取できることも分かった」

 価格が安定していて、調理の時短にもつながると重宝されているカット野菜。今後の展望について宮地さんは「カット野菜は刃物も火も使わないため、高齢者の方からの支持も増えている。今後も需要は伸び続けると思う」と語っている。

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