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都市部ではなぜ苦戦? “ご当地ナンバー”の今後の課題を担当者に聞いた

 今年の10月1日から交付された「地方版図柄入りナンバープレート」通称“ご当地ナンバープレート”。地域の特色を詰め込んで“走る広告塔”としても話題だ。全国41地域、1万1000件におよぶ交付の事前申し込みがあったというが、その図柄も富士山ナンバーなら富士山、滋賀ナンバーなら琵琶湖など、ベタなものから“ご当地キャラ”を取り入れたポップなもの、幻想的なものまでとさまざま。図柄入りナンバープレートの“狙い”や今後の“課題”はどこにあるのか、国土交通省の担当者に話を聞いた。

“ご当地ナンバー”だけじゃない ラグビーW杯、東京オリンピックデザインも

 地方版図柄入りナンバープレートのデザインは、おおよそ3パターンある。前述の「富士山ナンバー=富士山」や「滋賀ナンバー=琵琶湖」のように、地理的な図柄を前面に押し出したもの。そして、「山形ナンバー=さくらんぼ」、「福井ナンバー=恐竜」(福井県は日本有数の恐竜化石の出土地)、「徳島ナンバー=阿波踊り」など、地域の名産・名物のイメージに直結したもの。もうひとつが、「熊本ナンバー=くまモン」、「愛媛ナンバー=みきゃん」のように“ご当地キャラ”をメインにしたものだ。それぞれに各地方の特色がよく表現されており、文字通り“ご当地感”がある。

 実は、ご当地ナンバープレートの歴史は意外と古い。もともとナンバープレートは自動車登録事務所の設置場所に基づいたものなので、実際に住んでいる地域との地理的距離やイメージのギャップがあったところを、“沼津・山梨”から“富士山”、“土浦”から“つくば”のように06年からより親しみのある地域名(ご当地ナンバー)が導入されてきた背景がある。

 そして昨年、「“走る広告塔”としてのナンバープレートの機能に着目し、大会開催機運の盛り上げに貢献すべく、ラグビーW杯、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレートの交付を開始しました」(国土交通省の担当者)とのことで、今年の10月からは、地方版図柄入りナンバープレートの交付をスタートさせたわけである。

“ご当地ナンバー”は“町おこし”の一環 都市部と地方ではテンションに差が

 ちなみに地方版図柄入りナンバープレートのデザインに関しては、「導入地域で決定し、国交省においては各地域から提案いただいたデザインを尊重しつつ、視認性確保の観点から色味の調整などを実施いたしました」(国土交通省の担当者)とのこと。

 たしかに地域色は豊かなのだが、ナンバープレートに対するユーザーの意識は地域によってかなりの温度差があるようで、交付数の地域順位でいうと、1位福山、2位熊本、3位仙台、39位越谷、40位杉並、最下位の41位は世田谷となり、上位の地方と下位の首都圏との間では明らかな差が見られる。

 理由として、地方はご当地ナンバープレートを“町おこし”の一環とする意識が強いことが挙げられる。実際、国土交通省の担当者も「申込みの多い地域は導入自治体が率先し、積極的なPR活動を展開していると思われます」と語り、「都心部においてはラグビーナンバー・オリパラナンバーをすでに多くのユーザーが取り付けられているため、交換需要が低いのではないかと考えられます」と分析。

 先のベスト3とワースト3のナンバープレートのデザインを見ても、上位から「広島東洋カープ」、「くまモン」、「伊達政宗」と地元で愛されるキャラクターを使用したわかりやすいデザインであるのに対して、越谷は「ガーヤちゃん」、杉並は区のアニメキャラクター「なみすけ」と「ナミー」、世田谷は「多摩川とサギソウ」をイメージしたデザインと、上位に比べるとややインパクトが薄いことは否めない。いずれにせよ、地域住民・自治体によって“テンション”に差があるのは間違いないようだ。

自動車とは違い、原付きバイクでは自由度の高い“ご当地ナンバー”

 また、原動機付自転車いわゆる“原付”では、もともと図柄入りナンバープレートが多くあった。自動車のナンバープレートの管轄は前述のように自動車登録事務所であり、つまり国土交通省だが、原付のナンバープレートは各市町村の管轄なので裁量の自由度が高く、さまざまな図柄や形状のものが多数見られる。

 たとえば、司馬遼太郎氏の小説『坂の上の雲』を軸とした町づくりを進める松山市では、平成19年7月から全国初となる“雲”をイメージしたオリジナルデザインのナンバープレートを導入。また、神奈川県箱根町では、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』とコラボしたデザインが登場した。千葉県佐倉市は『ルパン三世」の姿をデザインし(作者のモンキー・パンチは佐倉市在住)、千葉市は千葉ロッテマリーンズのキャラ「マーくん」と野球ボールがモチーフだ。

 その他、しゅうニャン市の愛称で知られる山口県周南市はネコがモチーフのナンバープレートを400枚限定で発行、高知県須崎市は市のマスコットキャラクター「しんじょう君」を表現、滋賀県彦根市は人気のゆるキャラ「ひこにゃん」をデザイン等々、2018年9月時点において、全国47都道府県509市区町村で原付ナンバープレートの“自由化”が進められているのである(一般財団法人日本経済研究所調べ)。

 こうした原付のナンバープレートのように、自動車でも自由度が高くて面白いナンバープレートが多く出てくれば、図柄入りナンバープレート先行で地元愛が深まり、都市部でも図柄入りナンバープレートが普及、全国的に町に活気が出てくる、という流れになることも考えられる。

 今後、自動車の地方版図柄入りナンバープレートの対応地域を増やしていく予定はありますかとの質問には、「平成32年度に新たな地域名表示の追加にあわせて図柄入りナンバープレートの導入が予定されておりますが、その後の予定については未定となっております」(国土交通省の担当者)との回答だった。自動車の地方版図柄入りナンバープレートを通じて、地域から都市、そして“日本おこし”が進むように期待したいところである。

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