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かつて人気を博した薄幸系ドラマが減少の一途、“薄幸ヒロイン”も不在
『赤いシリーズ』や『高校教師』など、かつて人気を博した薄幸系ドラマ
また90年代で言えば、『高校教師』(TBS系/1993年)で暗い影を持った女子高生を演じ、野島伸司氏の脚本による一連のドラマの常連だった桜井幸子や、『ポケベルが鳴らなくて』(日本テレビ系/1993年)で、おとなしそうなルックスながら妻子ある中年男性と不倫関係に陥る保母役を演じ切り、なぜか女性週刊誌でバッシングまで受けてしまった裕木奈江なども、役柄的には薄幸系女優と言えるだろう。さらに言えば、脇を固める薄幸系女性を演じさせたら天下一品の奥貫薫といった存在もある。
“薄幸ど真ん中”ドラマはリアリティよりコメディ色が強くなってしまう傾向に
そうした意味では、安達祐実の『家なき子』(日本テレビ系/1994年)くらいが“薄幸ど真ん中”ドラマの最後と言えるかもしれない。決めゼリフは「同情するなら金をくれ!」であり、薄幸ながらも“健気”ではなく、強く・しぶとく・たくましく生き抜く少女の姿を徹底的に追求したことで、かえってリアリティがあると評価され、高視聴率を獲得したのだった。
木村多江が薄幸枠独走、演技派薄幸ヒロイン再来は?
それでも、スキャンダラスな悪女役のイメージが強いながらも、『1リットルの涙』(フジテレビ系/2005年)や『タイヨウのうた』(TBS系/2006年)などで難病に苦しむ少女を演じた沢尻エリカの例もあるように、“どベタ”だが心から泣ける薄幸系ドラマでこそ演技力が浮き彫りになるということもある。薄幸ヒロインとして才能を開花させる女優の誕生を期待せずにはいられない。