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【SMAP連載23】映像集に見る若き日のSMAP、その“刺激物”的な在り方

若き日のSMAP、“刺激物”的な在り方からの変遷

 SMAPの5人は、歌手でありダンサーでもあるが、コリオグラファー(振付師)でもあると感じさせてくれるのが、「ダイナマイト」のミュージッククリップだ。トラックの荷台に乗った彼らが、荷台に置かれたドラム缶とスノコをステージにして、歌割りに合わせて向かい合ったり、抱き合ったり、カメラに向かってキスしたり、踊ったり、時にファンと一緒に歩道を走ってみたり、5人の中の様々な関係性を見せつける。「ダイナマイト」という曲自体にはちゃんと振付もついているけれど、このミュージッククリップの彼らは即興で5人の関係性をある“フォルム”に落とし込んでいて、その信頼関係がとてつもなく気持ち良くて痺れる。まさに、SMAP自体が“愛が溢れすぎて爆発しちゃうダイナマイト”であることを痛感する映像だ。トラックが走るのは東京の街。見慣れたトンネルに懐かしいビル群、その街を引っ掻き回していくお騒がせな5人。何度観ても新しい発見があって、自由演技でここまでのカッコ良さとチームワークを爆発させられるエンタテイナー性に、感服させられる。SMAPの魅力は、計り知れない。だからつい、一人でも多くの人に、この映像を手に取ってもらいたいと思ってしまう。

 彼らの映像的なチャレンジは、99年に発売されたシングルの、ショートフィルム仕立ての「Fly」でひとつのピークを迎える。“若さ”という期間限定の無垢なきらめきから、もっと温もりのある、優しい輝きへ。SMAPの映像と音楽は、ある種の“刺激物”的な在り方から、この後、滋味と風味豊かな“定番”へと変化を遂げる。
(文/菊地陽子)

【後半へ続く】

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