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【SMAP連載17】SMAPのマンネリと進化を支えた“スマスマ”、語り継ぐべき偉大なバラエティ

コントもライブも、後生まで語り継がれるバラエティへ

 ことさら“SMAP起源説”を主張するつもりはないが、現在当たり前になっていることで、SMAPというグループ、またはSMAPのメンバーが“最初にやった”ことはとても多い。“ビストロSMAP”が始まった頃は、20年後に“料理男子”がこんなに市民権を得るなんて、誰も想像していなかっただろう。いつも謙虚な草なぎが、木村拓哉に対してまるで下克上でも起こすように突然大上段に構えた態度を取り、それに対して木村がキレるふりをする“ケンカコント”も、芸人がやるならともかく、芝居のうまい2人がやることが新鮮だった。最初見たときなど、ドッキリかと思うほど緊張感があった。この“下克上コント”はその後、『うたばん』(TBS系)で中居と嵐の大野智に受け継がれ(?)、石橋貴明に入れ知恵された大野が、中居に暴言を吐き中居がキレるという流れも、嵐が登場した際の『うたばん』のお約束になっていた。

 コントなら稲垣吾郎の“ゴロクミ”の特殊メイクには度肝を抜かれたし、富士登山などの過酷な罰ゲームにはハラハラした。ドラマのパロディにドッキリで本人が登場したり、“ビストロSMAP”からは何冊ものレシピ本がヒットしたり、とにかくたくさんの話題を提供してきた。マイケル・ジャクソンが出演した唯一の日本のテレビ番組であり、例えばフジテレビにおける、『オレたちひょうきん族』のように、後世まで語り継がれる、伝説のバラエティとなることは間違いないだろう。

“スマスマ”とSMAPの終わり、それが進化への一区切りならば……

 もうすぐ、一つの偉大な番組が終わる。番組名にもなった偉大なアイドルグループは、その代表的な番組が終了した5日後に、解散することになっている。でも、SMAPの5人が生きている限り、彼らがそれまで培ってきたスピリットやテクニック、キャリアが失われることはない(もちろん、仲間への信頼も)。21年前の、『SMAPがんばりましょう』は、それまで彼らが丹精込めて耕してきたバラエティの畑に、花を咲かせて実を結ばせるような番組だった。番組は半年で終わったけれど、その半年後には、同じ畑で、もっとたくさんの花を咲かせ、もっとたくさんの実を結ばせる番組が始まり、20年も続いた。今、おそらく多くのファンが求めているのは、中居のいうところの“マンネリ”だ。SMAPが、これからもずっとずっと続いていくこと。でも、SMAPのためには、“進化”も大事なのである。

 だから、こう思うのはどうだろう。12月31日の解散は、SMAPがこれからも進化していくための一つの区切り。年に一つは新しいことに挑戦するSMAPの、その戦略の一つなのだと。

 解散する、と予告されているその日が近づいている。“スマスマ”の最終回を、どんな思いで見つめるのか、今はまだ想像がつかないけれど、後ろを振り返るのではなく、とにかく“前に”“スス”んでいくのがSMAPスピリット。少なくとも私は、2016年、“たったの50年”の半分の年に、こんなにもSMAPのことをたくさん思うことができて、SMAPの偉大さをあらためて実感することができて、そのことは、ある意味幸せだったと思っている。当たり前にあると思っていたことが、実は当たり前でないと知ること。それは、人に優しくなるための、大切な“気づき”だと思うから。
(文/菊地陽子)

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