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【連載番外編】SMAPベスト盤を読み解く PART.3 「世界に一つだけの花」なぜここまで大きく? まもなく300万枚へ――
Mステ披露はたったの4回、「世界に一つ」誕生秘話
12月4日に放送された『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日系)で、ゲストの槇原敬之が、「世界に一つだけの花」の制作裏話を語っていた。もともとは自分用に“人は一人一人違う”というテーマで曲を作ろうと思っていたこと。SMAPから楽曲のオファーがあり、提出したものがボツになってしまったこと。いざ書き始めたら、頭の中に紙芝居みたいに、スコッ、スコッと写真が降りてきて、槇原はその写真を歌詞として書き写しただけだったということ。10分か20分ほどで先に詞をまとめて、曲をつけてもトータルで1時間とかからなかったこと。それまでは、“曲が降りてきた”経験などしたことがなかったけれど、この曲だけは、神様からのプレゼントだと思えたこと、などなど。
知らなかったエピソードばかりで興味深かったこともあるけれど、何より今、こんなタイミングで、「世界に一つだけの花」ができるまでを作り手が語ってくれたことが有難かった。番組ではそのエピソードのあと、SMAPが歌う「世界に一つだけの花」のワンコーラスが流れた。2015年9月の『MUSIC STATION ウルトラFES』(同系)で披露された時のものだった。そういえば、12月3日の『ミュージックステーション』でも、SMAPが「世界〜」を歌っている過去映像が放送されている。“Mステ”初披露から、2015年の“ウルトラFES”までの間に計4回、SMAPは同番組で「世界〜」を歌っていた。しかもそのうち3回は、曲が発売された2003年に放送されたものだ。逆に、あれだけの超有名曲が、12年間の間にわずか4回しか“Mステ”で披露されなかったのかと思うと、SMAPがいかに、音楽の分野で“攻めて”きたかがわかる。SMAPは、新曲を発表するたびに、『世界に一つだけの花』超えを狙っていたはずなのだ。
豊作の2003年から2005年、支持集めファン投票ベストに10曲
このツアーがなぜそんなにも人々の心を掴んだかと考えると、やはりその背景には、「世界に一つだけの花」のヒットがあると言える。私自身、ライブ会場でこの曲を聴くと、それまでのSMAPのライブでは感じたことのない“一体感”のようなものに、心と体が包まれたことを記憶している。でも、道徳的な歌詞ではあっても、SMAPが歌うことで、メッセージは一気に軽やかになった。コンサートでも、本編後のアンコールの1曲目が「世界に一つだけの花」だったのだが、そのジャンクションと呼ばれるつなぎの映像で、SMAPのメンバーを模したアメリカの人形劇に出てきそうなマリオネットの木村拓哉が草なぎ剛に、「お前、サビ外すなよ」と釘を刺してみたり。そうやって自分たちをパロディにしつつも、でも決めるところは決めてちゃんと感動させるのがSMAPなのだ。実際、DVD『Live MIJ』に収められた草なぎの歌唱は、音程もとても正確で、声が澄んでいて、なおかつ心がある。