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賛否両論の朝ドラ“方言” 再現どこまで?
インパクト大の方言は効果的な決め台詞に
「方言はインパクトもあるし、決めゼリフやキャッチーなフレーズとして効果的に使われれば、視聴者の印象にも残りやすいので、制作側もあえて使う場合が多いんです。たいていは方言監修を付けますが、実際のネイティブのまま話すと視聴者にわかりづらいので、“いい塩梅”に標準語に近づけるのが常識です」(ドラマ制作会社スタッフ)
逆にドラマや映画で多数の流行語となった“違和感ある方言”
「近年だと朝ドラ『あまちゃん』が挙げられますが、以前にも、『スケバン刑事U 少女鉄仮面伝説』(フジテレビ系/1985〜86年)で、主人公の五代陽子(二代目麻宮サキ)を演じた南野陽子さんは、高知県の土佐出身という設定で、決めゼリフの“おまんら、許さんぜよ”は流行語にもなりました。土佐弁と言えば、映画『鬼龍院花子の生涯』(1982年)で夏目雅子さんが発した、“なめたらいかんぜよ!”も大流行したし、そもそも1970年代の大人気ヤクザ映画『仁義なき戦い』シリーズで、菅原文太さんらが話す広島弁、“〇〇じゃけん”は誰もがマネしていました」
ドラマや映画において、方言はあくまで作品の舞台となったその土地の言葉にすぎず、必ずしも忠実に再現されなければならないものでもないだろう。要は違和感なく作品に溶け込んでいればよいのだが、現地の人にとっては「違和感がある」と感じるのもまた、人気作品の証拠なのかもしれない。仮に作品中の方言の発音やアクセント、ニュアンスが議論になったとしても、今やそれ自体が作品の宣伝になっているとすら言える。