(更新:)
ORICON NEWS
脱“朝ドラ”の波瑠、マニッシュな魅力で汎用性の高さ実証
朝ドラ終了後にすぐ連ドラへ 『世界一難しい恋』でも大野智の相手役として貢献
ドラマでは、大野智演じる恋愛にとことん不器用な社長・零治が、美咲(波瑠)を徐々に意識し始めるところからスタート。零治は秘書の舞子(小池栄子)らのアドバイスを聞きながら、じわじわとアプローチを投げかけるものの、美咲にはなかなか通じない。ジムで二人きりになっても零治の視線に気づかず、出張にかこつけた一泊旅行に一緒に行っても、恋愛モードにはまったく至らず。うっかり「社長と新入社員が付き合うなんて気持ち悪い」と口走り、零治を知らぬ間に傷つけてしまったりもする。だが、そのそっけなさや、いざ告白されても浮かれることない冷静さが、ドラマのコミカルさやもどかしさにつながり、視聴者を“見守る”気持ちにさせているのだ。
同性の支持も高い、波瑠のマニッシュな魅力
トレードマークのマニッシュなショートヘアも含め、素の波瑠にはどこか飄々としていて男性っぽい一面がある。これは、以前トーク番組『A-Studio』(TBS系)や朝ドラでも共演した笑福亭鶴瓶も「しっかりしてるし度胸ある。あっさりしていて男っぽい」と保証済みであるし、『世界一〜』のプロデューサー・櫨山裕子氏が「大野くんが好きにならなければいけないタイプを考えたとき、飄々としていて、まっすぐで、正しいことは正しいという波瑠さんの空気感が大野くんと似ていると感じ、お願いしました」と起用理由を述べていることからもわかる。そんな彼女の人間性は、メインパーソナリティを務める『24時間テレビ39』(日本テレビ系)でも、より広く伝わることだろう。
カリスマではなく作品に溶け込む “親和性”の高さが強み
朝ドラが高視聴率を連発していた際にも、「あぐらをかかず、調子に乗らず」とあくまで謙虚に答えていた波瑠。かつて語っていた展望は、「ブレイクするよりは長く女優を続けたい」というもの。まさに、これからの波瑠の立ち位置を示しているようでもある。
現在の若手女優の中でも、他にはない落ち着きをたたえた波瑠、24歳。作品に冷静に真摯に向き合う彼女だからこそ、役柄ごとに全く異なる顔を見せてくれるだろうが、その“親和性”の高さで、今後もドラマ、映画に欠かせない存在になっていくはずだ。
(文/松木智恵)