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106人のタレントが集結 野球大会から見えた“ジャニーズの絆”
■なぜジャニーズが野球を? 震災後にも開催されたその歴史
とはいえ、野球ファンにしてみれば、「素人の野球の何が楽しいのか?」と思う人も多いだろう。だが、これが不思議なことに、様々なグループから集められたメンバーで結成されたチームJ.RedとJ.Whiteのガチンコ対決は、観衆が試合そのものに熱くなれる、“スポーツバラエティ”として成立していたのである。
■ノンフィクションだからこそ、タレントの真価が試される
一つ目は、出場するタレント一人一人が常に全力で、さらにそのキャラクターが立っていることだ。アイドルの本業は、“歌って踊る”こと。ここ東京ドームといえば、“本業”を披露する場であるはずのタレントが、“ノンフィクション”の野球で勝負する。V6の坂本昌行が冒頭の挨拶で「珍プレー好プレーが見られるんじゃないかと思います」と語っていたが、コンサートや舞台では決して許されない失敗やミスも、野球大会なら魅力に変わる。台本も着地点もないまま、うまくいかなくて落胆したり、足掻いたりもがいたりする“過程”の顔は、本業ではなかなか見せられるものではない。
実際、NEWS・増田貴久が、筋肉自慢をした挙句に三振したり、V6の井ノ原快彦が内野ゴロを打ったあと一塁までスライディングしたりと、真剣勝負の中で発揮されるアドリブ力が、試合のいいアクセントになっていた。面白いけれど、決して手を抜いているわけではない。いつも全力。そして、人と同じことはやらずに、“自分らしさ”という爪痕を残す。それが、ジャニーズアイドルがどんなときでも貫いているスタンスであり、“ノンフィクション”だからこそ、いざという時の真価を試される場でもあるのだ。
→井ノ原の話術、二宮の外交力とは?
→ジャニーズタレントの意外な活躍ぶり
■良質な応援歌が野球大会をショーへと昇華
■ピンチの時には助け合う、ジャニーズの結束力は変わらず
こと野球に限らずとも、普段からチームプレイに慣れ、個性を伸ばすことをも心がけている彼らは、自分の所属するグループ以外の人と交わっても、瞬時に面白い科学変化を起こすことができる。それぞれのグループにカラーはあり、そこに所属する個人もまた全員がキャラクターを際立たせている。だが、近藤真彦も少年隊もSMAPもV6も嵐もKinKi KidsもKAT-TUNも、Hey! Say! JUMPら若手グループも、ジャニーズJr.も、いちばん大きな“ジャニーズ”というグループの色を、しっかりとDNAとして持っているのだ。だからこそ、この集団は強い。
本業のコンサート以外に、野球大会までエンタテインメント・ショーとして成立させられるのは、個々のタレントが身体能力の高さとアドリブ力を誇り、かつ世代を超えて、ファミリーとしての結束を確立させているジャニーズ事務所ならでは。今回の野球大会で生まれた逸話もまた、きっと後世まで語り継がれることだろう。
(文/菊地陽子)