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ORICON NEWS
相次ぐ音楽番組終了で“新曲披露”の場が激減 プロモは完全にスマホに移行か?
情報番組などに活路見出すも“パフォーマンス”を見せられないジレンマ
ネットで話題を集めるlyrical schoolの“縦型動画”MV
また、最近は複数のアーティストがライブ形式で出演するスタイルの番組よりも、少数のアーティストにフォーカスして掘り下げるスタイルの番組やカバーを披露するタイプの番組が増加。もちろん、こうした番組に出演できるのはすでにブレイク済のアーティストやベテランがメインで、これからの新人はなかなか出づらい。もちろん、音楽業界もただ嘆いていたわけではなく、『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)といったゴールデンタイムのバラエティやカラオケ番組、朝の情報番組に活路を見出すなど、試行錯誤を重ねてきたし、それをきっかけに成功したアーティストもいるが、やはりアーティストの本分は“パフォーマンス”。そのため、各レコード会社はライブ形式を保っている『MJ』『Mステ』出演を目指し、番組担当者に積極的に働きかけを行ってきた。しかし、その一角が崩れてしまったのだ。『うたコン』にJ-POP歌手の出演が増えたといっても、朝ドラをテーマにした第1回目のラインナップは演歌・歌謡曲歌手がメインで、J-POPはAKB48やクリス・ハートなど。新人が出る隙は全くない。
スマホに特化した縦型MVも話題 従来にない発想が大事
また、スマートフォンを使った新たなプロモーション手法も注目を集めている。女性6人組アイドルユニット・lyrical schoolは、27日発売のメジャーデビューシングル「RUN and RUN」の“縦型動画”MVを発表。名前の通り、従来のテレビやPC画面で観るための“横型”の映像ではなく、スマホで観ることに特化したもので、単純に縦の映像というだけなく、撮影自体をスマホで行い、カメラやTwitter、Vineなど、メンバーがあらゆるアプリを行き来しながら歌って踊る。HKT48・指原莉乃やスガシカオ、いとうせいこうなど著名人が反応したことで、大きな話題となった。今後はこうしたスマホならではの話題作りが増えていくことだろう。
勢いがなくなったといっても、テレビの影響力は絶大。アーティストがパフォーマンスを見せられる音楽番組が相次いで終了している今、音楽業界は模索を続けている。しかし、従来にない発想で仕掛けたことで、むしろ思わぬところからヒットが生まれる土壌はできているのかもしれない。