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ORICON NEWS
制約の中での高い中毒性 常識を覆す5分番組
ピタゴラ制作陣による実験的なアプローチ 5分でも高いコンテンツ力
『0655』『2355』は2009年のNHK教育テレビジョン放送開始50周年を節目に、2010年を新たなスタートと位置付けて名づけた愛称「Eテレ」を浸透させるために始まったチャンネルCI番組で、それ故に子どもだけでなく、老若男女が楽しめる“ユルい”つくりとなっている。『0655』は、まだ朝という時間帯もあってスピード感やテンポがあり、真心ブラザーズが歌う「朝が来た!」で始まり、「日めくりアニメ」「犬(もしくはねこ)のうた」、そしてユルい短編アニメ、「おはようソング」と続く。その他、月曜日は爆笑問題・田中裕二が出演する「たなくじ」というコーナーもある。また、深夜版の『2355』はさらにユルさが増し、オープニングテーマを細野晴臣が歌い、とりあえず“眠気を妨げない”ユルいコーナーが続いていく。かつては「三日月ストレッチ」という歌をさりげなく小泉今日子が歌うなど、登場するメンツが豪華なのも特徴だ。
発想力で勝負 テレ東の紺野アナが“ただ踊る”番組
番組名にもあるように、テレビ東京のアナウンサー・紺野あさ美が様々な人と踊るだけの番組なのだが、この紺野がかつてのモーニング娘。時代を彷彿とさせる吹っ切れぶりを見せ、加えてキレッキレの踊りを披露し、現役のモーニング娘。やMAXと共演。そしてときには、紺野は踊る相手を上回るダンステクニックを見せつけるのである。
「この番組は“テレビ東京のデータ放送をPRする番組”で、一社提供ではないからこそ自由に作れるんです。でも、最近のテレビ東京さんの快進撃ぶりを思うと、こうした実験的な番組作りが許されているという環境が、制作陣にもいい影響を与えていると言えるでしょうね」(前出・番組スタッフ)
5分間番組は5分と時間が制約されているだけに、制作側にも発想の転換や新機軸の創出が迫られる。その中で斬新なアイディアが発想されたり、ベビー用品メーカーの和光堂提供の『ママ大好き!』(日本テレビ系)のように、小さい子どもを持った親なら思わずホロッとしてしまうような良質な短編ドキュメンタリーも生まれるのである。不況の真っただ中とも言われるテレビ業界だが、1時間だろうが5分だろうが面白いものは面白いし、視聴者にも受け入れられる。意外とこうした5分間番組の中に復活への“原石”が隠されているのかもしれない。