(更新:)
ORICON NEWS
漢方による体調管理。これからの季節の身近な体調ケア
衝撃! 漢方は日本で生まれたものだった!
「中国や韓国、日本など東アジア一帯で現在行われている生薬を使った医療の総称を『漢方医学(漢方)』だと思っている人が多いのですが、それは間違いです」(矢部教授・以下同)そもそも『漢方医学』とは古代中国で展開された医学が日本に伝わり、その後、日本独自に発展していったもので、あくまで日本の伝統医学なんだそうです。ちなみに現在中国で行われている伝統医学は、「中医学」と呼ばれているそうで、『漢方医学』とは異なる発展を遂げたものだそう。
「漢方という言葉自体が江戸時代にできたものですから、そんなに古いものではありません。オランダから蘭学とともに伝わった医学を『蘭方』と呼んだことに対して、日本の医学は中国の漢の時代の医学がルーツなので『漢方』と呼んだわけです」。
漢方医学と中医学では生薬の使用量が大きく違っていて、中医学では、多くの場合、漢方医学の2〜3倍量の生薬を使うそうです。医学はその国の気候風土や民族の体質の違いなどによって、独自の発展を遂げてきたんですね。
組み合わせで効果が変わる、漢方の妙
「現在の中医学や漢方医学は、古代中国の江南文化圏で発展した医学が起源となっているわけですが、江南文化圏は中国南部の高温多湿で伝染病などが発生しやすい地域でした。そういう厄介な病気にはひとつの生薬では太刀打ちできないので、複数の生薬を組み合わせることで強い薬効や異なる薬効を見出してきたわけです。例えば麻黄(マオウ)という生薬。桂皮(ケイヒ)と組み合わせると発汗、ヨク苡仁(ヨクイニン)との組み合わせで鎮痛、杏仁(キョウニン)となら咳止めという風に、組み合わせる生薬によって薬効が変わってきます」。
確かに、漢方薬の成分表を見てみると、色々な生薬が使われていることが分かります。単に「この生薬は◯◯に良い」ということだけではなく、組み合わせによってさまざまな力を発揮する漢方の“秘められたパワー”は、注目されている理由のひとつなのかもしれません。
最新の西洋医学にも負けない漢方のチカラ
漢方といえば胃腸薬や風邪薬をイメージする人が多いですが、プロフェッショナルの現場では慢性疾患や難病などの治療も視野に入れた研究が行われているとは! 矢部教授によると、認知症薬としての研究も進んでいるそうです。まだまだ解明されていない漢方の薬効メカニズム。今後の展開に期待が高まります。
薬学部生にインタビュー!
摂南大学薬学部のココがおすすめ
雪岡亮佑さん「摂南大学は薬剤師国家試験対策のカリキュラムが充実している」と、他大学の友人に羨ましがられることが多いです。
岡本玖美さん臨床を意識した実習が充実しています。看護学部との合同実習もあり、視野が広がりました。
恵まれた学修環境で薬剤師としての資質を養いながら、漢方の研究を通じて現代医学に新しい風を吹きこもうとしている学生たち。私たちの生活で漢方がさらに身近な存在となるのは、それほど遠い先のことではないかもしれません。
摂南大学
〒572-8508 大阪府寝屋川市池田中町17-8
摂南大学 公式HP:http://www.setsunan.ac.jp/(外部サイト)